2本目 転生しました、異世界です。
何はともあれ、無事に別の世界へ行くことは出来たっぽいので一安心です。
少し思っていた異世界転生とは違う様子ですけど……。
元の世界では決して見ることができないような、とっても綺麗な景色が私の視界の全てを占領しているので間違い無いでしょう!
残念ながら、もうすっかり日が落ちて辺りが暗くなってしまったので、さっきのような青と緑のコントラストを見ることはできなくなってしまいましたが。
しかし今は、それに変わって天には地球のそれとは全く違うほどの大きな月が上がって来ました。
その周辺には、いや、今のこの夜空全てを赤や青、茶色などのカラフルな星が彩り、夜空にキラキラと煌めいています。
光と変わって天に上がった月は、地球の月よりはるかに大きく迫力があります。しかし、ぼんやりと白く柔らかく輝いているので全体の光量はそんなにありませんでした。
それでもここら一帯を少し明るく照らすほどには強く夜空に煌めいています。
その模様は決して一定ではなく、その星に雲がかかって流されているのかというように、黒い部分が絶えず動いているように見えます。
月も大きく見応えがあるのですけど、この夜空にはそれに負けず劣らずさまざまな色の星々が輝いていて、本当に宝石箱のようです。
すっかり時間が経ってしまったのですけど、このままひたすらに空を眺めているわけには行きません。
この場をどうにかする手段を見つけなければ、このまま餓死してしまうかもしれないのですから。
もうすでに手遅れな気がしないでもないのですけど。
まず何をするべきでしょうか?
食料調達?寝床確保?それとも村や街を探して歩き回った方がいいのでしょうか?
あたり一面が草原なのでどれを実行するのにも苦労しそうです。
そもそもここがどういう場所なのかを知る必要がありますね。
幸い、この世界の成り立ちなどの情報はあの神様に送り出されて意識が暗転しているうちに頭の中に植え付けられたのでしょう。
全く違和感なく頭の中に存在しています。
まずこの世界を照らすために天上で輝いている光。今は向こう側に隠れてしまって見ることができませんが、それこそが最高神の一柱である大いなる光の神だそうです。
そうそう、今私がいるこの世界こそが、あの神様が作った年若いファンタジーの世界であって、光の神以外にも沢山の神々が存在していてそれらが君臨し支えている世界みたいです。
ですが、まだ作られてから千年もたっておらず神の数も多くは無いらしいです。
光の神、闇の神、時空の神、運命の神、自然の神、戦の神、月の神という7柱の最高神とその眷属の神々がいらっしゃるそう。
多くはないって言ってもそれだけで数十もの神々がいるみたいなので、八百万の神がデフォルトの世界ってことなんでしょう。
創造神、私が会ったあの神様は、この世界の枠組み、世界の設定を作った後に、光の神を作り世界を照らし、そして対になる闇の神を作りバランスを保った、それによって安定した世界では様々な意識が生まれ、新たなる神々が誕生した。
というのがこの世界の誕生神話らしいです。
まぁ、もちろん、時空の神生まれた理由とかや運命の神が……などなど、もっと細々と大変な設定があるらしいのですが。神話なんて装飾して盛ってなんぼのものなので、とりあえずそんな感じいいでしょう。
だって、神話を知っていたとしてもこの事態をどうにかできるわけじゃないですから。
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