ロボット彼女

@tokuro-su

第1話ヒューマノイド

 2050年


『Amazoomから荷物が届きました。マンションの受け取り口に注文された商品が届いています。』

 アシクサがAir pods越しに知らせてくれる。

さすがAmazoom、注文した商品を当日に届くようにしてくれたペゾス大先生に感謝の意を!

 注文した品は大の大人ほどに大きい段ボールに入っている。

 お待ちかねの開封タイムだ!

この新しいゲームのパッケージを開ける瞬間のようなこのワクワク感

中にあるものを傷つけないように慎重にカッターで段ボールから取り出しそっと床に立てる

 そして同封されていた説明書に目を通す。


~説明書~

 ・首筋から電池を入れることができます。

 ・首筋の電池は非常用の電源となりますので原則コンセントから電気を供給してください。

 ・非常用の電源がきれてしまうとそれまでの記録が消える恐れがあります。


 ほんほんなるほどね

ひとまず非常用の電池を首筋にはめ込む。

電池を入れた途端pcを起動するときのような機械音が鳴り始める。

時間にして数秒、音は収まりそれが口を開く。


「はじめまして、ご主人様。」


 それは俺に話しかけた。

 その見た目は22歳くらいの女性で、目は二重でぱっちりと大きく可愛いが

髪は黒色長髪で清楚さを感じさせ、どこか大人びたものだった。

 声はてっきりボーカロイド的な声を予想していたが、生の人間の声そのものだった。

 肌も透き通った綺麗な肌でとても機械とは思えない代物だった。




「いかがされましたか、ご主人様」


「おう、すまんすまん。

 その見た目でロボットっていうんだから近代科学は凄いもんだ」


「この容姿では不服ですか?ご注文通りの容姿だと思いますが」


「とんでもないよ!文句のつけようがないくらい見事に再現してくれている」


「左様でございますか」


 ロボットの声からは一切の感情は感じられない。

 感情がないだけでとても冷たく感じるものだな

 でもこれってテレビだとすごく流暢に話していたよな?

 もしかして故障品ってなわけもないよな

 ちょっと説明書確認するか


~商品の概要~

 ・こちらの商品は自立思考型ロボットとなっております。

 ・自立思考型ロボットとはロボット自身が見た聞いたコミュニケーション方法をもとにコミュニケーションを実行するロボットです。 

 ・簡単に要約しますとお客様のロボットへの接し方やテレビなどでの人間のやり取りを参考により良いコミュニケーションを図るロボットです。

 ・最初期の状態ではマニュアル通りのコミュニケーションしかできません。


 最初っから話したりはできないか


「ご主人様」


「おう、どした?」


「ご主人様のことをどのようにお呼びすればよろしいでしょうか」


どうせなら下の名前で呼ばせてもいいよな?


「じゃあ将也って呼んで」


「将也様ですね。承知しました」


やはり女の子に名前で呼ばれるのはよいのお

けど敬語で話されると距離を感じるな

おそらくマニュアル通りの対応だからこんな話し方しかできないんだろうけど


「あのさ、できれば敬語じゃなくてタメ語で話してほしいな」


「わかった」


 順応早いな!

さすがはロボットと言うべきか


「そういえば名前ってないよね」


「ないな」


「よければ俺が名前決めていいか?」


「いいぞ」


 最初から呼びたい名前は決まっていた


「光ってのはどうだ?」


「将也がそう呼びたいならそれでいい」


「おう、じゃあこれからよろしくな光」


「よろしく」

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