第6話

 生きていた時間、俺は誰かの役に立っただろうか。何かの為になったことはあるか?


 自己満足を満たす言動ばかりしたり、自己中心的なような生き方はしなかった。協調性を持ち、時には妥協や諦めもあった。だから人を思いやらない身勝手な奴を見ると、少し腹が立ったこともある。


 だけど、そんな俺は。


  誰かを助けたか?

  誰かを救ったか?

  誰かを支えたか?

  せめて

  誰かを少しでも安心させられたか?


 こんな大事なことを、俺はなぜ今まで考えなかったんだ。


 生きていた時間、俺は何をしていたんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る