第4話

 天国の事情を知った俺は不満に思い、しかめ面をしていた。それを見ていたジョニーと名乗る男が、俺を遣いにスカウトした。


 ジョニーは言った。『死神の遣い』の世界は、天国でも地獄でもない位置。何でもありな自由な場所。煙草も酒も、もちろん自由。


 仕事は簡単なものだった。遣いには各々、自身専用の杖を支給される。翌日死ぬことになっている人間が寝ている夜に、杖の先端をその人間の胸にそっと当てる。それだけだった。


 ジョニーからは沢山の知識をもらった。沢山の話をし、楽しくなりつつあった相手だった。馬が合うとはこういうことだろう。

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