第2話友情

「もしもの話をしようか」


脈絡もなくいきなりの発言にうまく反応できなかった


「もしも、俺が君の事が好きだと言ったとする。どうする?」


あっそう…?その好きはlike?love?ってなるんじゃない?

突拍子もない話に適当に受け流す。


「loveだと言ったら好きになってくれる?」


…趣味の合う異性の友人にそんな事言われても…

どうだろうね?

としか言えない。なに?なんの話?そんなもしもの話いきなりどうしたの?


「まぁある人の話なんだけどさ、異性間の友情は続くのかって話」


ん~…まぁ中々難しいしその手の話は結論出ない感じじゃない?


「俺たちのような関係性は難しいと?」


まぁどちらかが異性であることを意識してしまえば友情のバランス崩れるんじゃない?


「おっと?俺は男ではないと?」


いや…男か女かではなく〝人″として接してるっていうのかな…?

だからこういう関係が続いてるんじゃない?


「じゃぁどんなに好きだと伝えても男として見てもらえないと?」


まぁ告白されて嫌な気持ちになる人は少ないんじゃない?

よほど相手が生理的に受け付けないとかじゃなければ…

だから異性間の友情が愛情に変わったり、またその逆も世の中溢れているんじゃない?


「俺が好きだと言ったら嫌悪する?」


嫌悪するような相手とこんな話自体しないんじゃない?


「なるほどな…そういや話変わるんだが、この前凄い懐かしい本見つけてさ、学生の頃凄い好きだった話で…その当時は金もなかったから図書館で借りていたんだけど、久しぶりに見たら続刊が出てたらしくてまとめ買いしたんだけどそれに合わせてカバーも買ってさ、今俺のすぐ目の届く場所に並べてんだ」


あら、それは良かったね、なんて本?


「まぁあまり知られてない本なんだけど俺は大好きでさ、好きなものは大事にするんだ。いつでも手の届く場所に置きたいし手放したくないんだ」


ん?私も好きなものは近くに置いときたいし、手放すこともないけど?


「そっか、それはそうと今の話の中に嘘があったんだけど気付いた?」


嘘?


「俺の話だから。嫌ならうまく逃げてね」

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嘘の先 咲良 @sakura_17

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