嘘の先

咲良

第1話おもい

幸せが逃げていく気がした…

会えない夜に一人自分を抱きしめあなたからの連絡を待つ日々

そんな日々、終わりにした方が良いのかもしれない


忙しいのは分っている

浮気なんてするような人ではないことも分っている


それでも…

こんなにも連絡が減ってしまい

「もしかして」なんて不安を抱き待つだけの日々


自分の幸せが他人によって左右される日々

そんなことなら一人で生きていく方が良いのかもしれない


ねぇ…寂しい、会いたい、声が聞きたい、触れて欲しい

温もりを感じたい、抱きしめて欲しい、愛されたい…


こんなにも心があなたの事でいっぱいになり不安になり苦しくなる


こんなこと言ってしまえば重い女だと思われるかもしれない

そう思うと口にできない。

文にもできない


情けない。

恋愛に溺れてこんなにも自我を保てない


通知音が鳴る度に勝手に期待して勝手に落ち込んでしまう


馬鹿だな


重荷になりたくないのに…

こんなにも重い女だったなんて…


私の『好き』だけが大きくなって破裂してしまいそう

そんな重い物押し付けたらきっとあなたは怯んでしまうだろう

そんな姿見たくない

それなら自分から身を引けばいいだけだ


自分が傷つきたくないだけの最低な行動だ


そんな事は分っている


それでも私の『好き』を押し付けて引かれるよりは傷は浅いだろう

そう思って私は嘘を織り交ぜ覚悟を決め別れを伝えた


なのに『なんで?』って


私ばかりが好きであなたの好きとはちがうと言う事を伝えるのに



俺だって寂しいし、会いたいし、声だけでも聞きたい時あるし、触れたいし

抱きしめて温もりを感じたいし、衝動に任せて抱き潰したいときがあるよ。


なんて…


似た物同士だったんだね


お互いの思いがわかった後のあなたの腕の中は世界で一番あたたかい

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