第3話 初戦闘
歩くこと数分
広がる草原にいまのところ変化はない
村もまだ遠い
(あらためて思うけど草原て人生で初めて歩くかもな)
現実ではなかなか見ることない風景
ここまで広い草原なんてなかなか現代の日本ではないだろう
しかも、空気がおいしい
(これが大自然なんだなぁ~)
奇妙な一日が始まって数時間
慣れというのは怖いもので今はこの状況をどこかで受け入れている
夢という路線を完全には捨てきれてないが
現実感のない現実感というか
歩く感覚や頬を撫でる風の感触
それらがあまりに現実感という生々しい
だからあまり深く考えずにすこし気分を楽にしてみたのだ
(見ようによっては夢というか言ってたことが現実になったんだ)
いままでの人生うまくいくことなんかなかった
だから、今の状況がうれしいのかもしれない
(ま、だからなおさら夢オチも捨てきれないんだけど)
そんなこと考えながら歩いていると草むらが
ガサゴソと音を立てる
「ん??」
すると何かが飛び出してきた
「な!?」
驚きみているとそこにはファンシーなウサギが出てきた
「おーかわいいー」
普通のウサギより大きめだが目がクルクルで愛くるしい
「てか、突撃ウサギ?」
ゲームで出てくる敵キャラでドラゴンスレイヤーに出てくる最初の雑魚敵だ
「まさかね~こんなかわいぃなぁ!??」
言いかけたときウサギが突撃してきた
ウサギは腹に体当たり
「うぐ!!」
ズンと重い一撃
これはやばい・・・
「マジで敵なん??」
距離をとるがやはり突っ込んでくる
「ふ!!」
攻撃をかわしそのまま体制を立て直した
そして
「キーック!!」
ウサギにサッカーボールキックをくらわした
「キューーー」
ウサギは鳴き声を上げて吹き飛んだ
そしてピクピクして動かなくなった
「・・・心が痛むーーー!!!」
なんなのこれ!?
こんなファンシーな生き物をしばくとか・・・
動物愛護団体があったら即訴えられるレベル!!!
いくら咄嗟の出来事だといってもこれは・・・
そんなことを思っているとウサギは静かに消えた
「!?」
ウサギが消えた場所にはガラス玉?みたいのが落ちていた
それを拾う
「なんだこれ?」
普通こういうときはゴールドが相場だが?
いちよう拾ってカバンに入れてみる
すると
『ウサギの瞳』
と端末に表示される
「おう!?いきなりお目目!!」
ついつい言葉が出る。
そして、それには
『突撃ウサギの目で売るとゴールドになる』
『売却アイテム』
持ってきたものには無かった説明があった。
さすがご都合主義!親切設計だぜ!!
ありがたいヒントをいただきステイタスも確認
HPは50有りそのうちの2が減っていた。
なんか初期の割にはHP高め・・・
MPは0・・・
ふむふむ、ある程度現実の俺の体力というかそういうのが参考になってるのかな?
自慢ではないが学生のころはスポーツをやっていたから体力はある
しかも、仕事も力仕事が多かったので力の部分では自信があった。
「日頃の努力は裏切らなかったな・・・サッカーボールキック見事だったぜ」
反射神経と力の結晶が出たことに感動した
そして、
「ファンシーなモンスター蹴り殺すって・・・つら!!」
できることならもっとモンスターぽいのが出てきてほしかった
いきなりドラゴンとかつらいけど
ファンシーなモンスターも心が痛む!!
すると端末にビックリマーク
「なんだ?」
タップすると
『特技』
『サッカーボールキック』
『相手に肉弾系のダメージを与える』
『力が強いほど威力は上がる』
・・・
うん・・・よかった・・・うん・・・よかったんだよな
自分に言い聞かせて端末を閉じる
初モンスター突撃ウサギに心で合掌して歩き出した
この先もファンシーモンスターを蹴り殺すことも知らずに・・・
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