第3話 ここから動き出すハーレム人生

「お兄ちゃん?どうしたの?」


 可愛い顔してヤンデレとは、怖いなセレナめ。

だが!俺は負けない!

俺はハーレムを作る男!

1人目を諦めたら、ずっと諦め人生になる!

だから俺は言い放った。


「セレナ。俺のことが好きか!」


 一瞬の間。


「はい、大好きですよ?」

「違う!兄妹としてじゃない!男としてだ!俺はお前を俺のものにしたい!」


 またも間。


「ふぁ?お兄ちゃん、どうしたんですか?今日は何かおかしいですよ?」

「おかしくなんかない!」


 俺は瞬時に間を詰め、ぐいとセレナのあごを上げ。唇を吸った。文字通り吸った。


 じゅうううううう。


 すぽん。


 さながらタコであった。

セカンドキスもナイスな唇だったぜ。


ヒュッ


 一瞬の閃光。

セレナは隠していた包丁を一閃させていた。

初めから準備をしていなければ避けられなかっただろう。


 正体を現したなヤンデレめ。


「ななななな!なんてことするんですか!?私たち兄妹ですよ!?”?」


 なんてことするんだ、はこちらのセリフだ。

避けなければ死んでいたぞ。


「フハハハハ!セレナよ!お前の初めてはおれが貰った!今日からお前は俺のオンナだ!」


 プシューと顔から湯気が出る音がしながらも斬りかかってくるセレナ。

【順応】のスキルのおかげで、剣筋に慣れてきた。

もうセレナに殺されることはないだろう。


「お兄ちゃん、返してください!私のはじめて!」

「アイス!」


 氷の呪文を唱えて、包丁を凍らせる。

これで武器はなくなった。


 セレナを強引に抱きしめる。


「俺はこれからハーレムをつくる。妹よ。お前はその第一号だ。俺の後宮の指揮はお前に任せる。ついてこい」

「は、ハーレム!?私だけじゃダメなんですか!?」

「ダメだ。この世界にはあと何人ものオンナが俺を待ってる。だから旅に出るぞ。着いてこい」

「めちゃくちゃです!」

「めちゃくちゃではない。真実だ。ついてこないなら、いいだろう。セレナ。お前とはここでお別れだ」

「い、いやです!わかりました。仕方ないですが、ついていきます。もしものときはお兄ちゃんを殺して私も死にます」

「いいだろう。出発は明日の朝だ」

「わかりました」



 強引だがこれで一人目は無事にゲットできた。

童貞にしてはよくやったほうだろう。

今後、闇討ちに注意しよう。敵は味方にありだ。





朝。

出発の準備を整えた俺とセレナは、村長に挨拶にいく。


「おお、どうしたヒデル。こんな朝早くから」

「村長さんに挨拶にきました」

「ほう」

「俺は旅に…」

「新婚旅行にいってきます」


被せ気味にセレナがとんでもないことを言い出す。


「ふぉっふぉっふぉ。ついにか。今か今かと思っていたが、ようやく結ばれたか」

「はい、村長様。私たちきっと幸せになります」

「よいよい、行ってくるがいい」


 あれ~、おかしいな。

旅に出るだけなんだけどな。

ダメだ。俺の話聞いてくれない。


 俺とセレナは村を出た。

戦闘では俺が勝ったが、普段の生活ではセレナの尻にしかれそうだ。

だが俺は諦めない。

まだ見ぬハーレム二人目を探して、いざ出発。




続く




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