第2話
一夜あけ、昨日の事が夢なんじゃないかと思ってしまうほど濃い一日だった。夢ならいいなーとおもいながら洗面所で顔を洗い、リビングに行くと
「あっおはようございます。葵さん!朝ごはんもう少しでできるので座って待っていてください!」
あ、現実でした。昨日の今日で頭はまだこんがらがっているのにこいつは朝から満面の笑顔で挨拶してきた。
ムカつくのがこいつが無駄に美少女でスタイルが良すぎるのが腹立つ。あと家事もできるのとか。
それから羽咲の作った朝食をたべ、入学式に向かう準備をしていたときに羽咲が
「そうでした。私も葵さんと同じ高校にしかもクラスも一緒になるようにしましたのでよろしくお願いしますね!あと一緒学校に行きましょう!」
どうせ断れない。だって俺、こいつと離れたら死ぬんだぞ。
俺はしぶしぶ、こいつと並んで学校に向かった。
学校に近づくにつれて同じ学校の生徒がちらほら登校しているのだが皆が一様に羽咲をみていた。
目立つのまじ勘弁だ。ほら、さっきのやつ俺のことめっちゃ睨んでたぞ。やめてー
「葵さん!楽しみですねーこれから楽しい高校生活にしましょう!」
隣で俺の苦労も知らずに笑顔で言ってくるので俺は、ああとしか言えなかった。
「それと葵さん!これから私のことは初と呼んでくれないとだめですよ?」
上目遣いで言うスタイルね。はいはい。わかりました。どうせ俺には拒否権はないんだ。かわいいと思えないのは俺が感心がないだけでなく常に心臓に刃物があたってる感覚があるせいだ。
「はいはい。もういいや、なんでも。よろしく初。」
すると嬉しそうに顔を赤らめて、はい!と返事した。
入学式は中学のときと何ら変わらん。ただ校長の長い話を聞き、生徒会長の話を聞いて終わりだ。何やら生徒会長が壇上に上がったとき周りが騒がしくなったが正直聞いてなかった。だって
「葵さん、ト、トイレに行きたいんですけど、どどうしましょう?抜けます?」
おい!神さまもトイレとかすんのか!これまずくない?今後の事考えると。とかなんとか言ってる間に入学式は終わりこれからクラス発表があるのに俺はトイレの側にいた。
「あー間に合いました。ありがとうございます。葵さん。」
「おい、終わったんならさっさといくぞ。もうクラス分けがはじまってるから」
それから俺達は初の言ったとおり同じクラス1年A組になった。俺達が教室に入ると皆、初をみて男子は歓喜、女子は羨ましい表情を浮かべていた。
担任がやってきてこれから自己紹介をすることになった。端から順にやっていきなぜか隣になった初が先に自己紹介をした。
「はじめまして、羽咲初です。私はこちらの瀬尾葵さんの女です!よろしくお願いします!」
爆弾発言ってこういうのだよね。そりゃーもう男子は嫉妬、憎悪などまだあったばかりの俺に向け女子はキャーと声を出していたが、ここは訂正だ。
「えーはじめまして、瀬尾葵です。先程言っていたことは真っ赤な嘘ですのでどうぞよろしくお願いします。」
これに対して男子はまた歓喜の声、女子はえーつまんない!っと言った声で隣をちらっと見るとこれでもかと頬を膨らませて私、不満ですオーラ全開だった。てか、こいつ俺に恋愛させるのが目的じゃなかったのか?このポンコツが!
最後の一人が自己紹介を終えたところで明日以降の予定を聞き今日は解散となった。
さて帰りますかとチラッと初をみると初の周りには人だかりが出来ていて、あ〜これは帰るの遅くなるなと思っていたら初が
「みなさん、申し訳ありません。わたし、このあと葵さんとデートの予定がありますので今日は失礼します。さっいきますよ!葵さん!」
こいつは一日に何発爆弾放るの?周りの視線もうやめろし。ま、今日は早く帰れるからいいか。
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