第5話失恋

やけに重い足取りで学校へと向かう。

ソフィは欠伸を噛み殺しながら目を擦る

昨日、リースに見事にふられたソフィは家に帰っても何もやる気が起きず夕食も食べずにそのまま寝てしまった。

ふられたショックで気分が落ちているところに目の前を歩く金髪のショートヘアの人物を見つけた。

「アミリー…」

ソフィは掠れた声で呼ぶとアミリーは振り返り、ギョッとした様子でソフィに駆け寄る。

「ちょ、ソフィ!?どうしたのその顔と髪!?ああ、もう!仕方ないなぁ!」

アミリーはソフィの顔と髪を綺麗にする為、誰にも見えないように物陰に隠れる。

「昨日リース先生と何かあったの?」

言いながらアミリーはソフィのボサボサの黒色のロングヘアを手で整える。顔は濡らしたハンカチで目元を優しく拭く。

「アミリー…あのね」

「ちょっと待って…はい、良し。どうしたの?」

アミリーは優しい声でソフィに問いかける。ソフィはその優しさに思わず涙を流しそうになるが、アミリーが綺麗にした手前、また汚す訳にはいけない。ソフィはゆっくりと話し始める。

「リース先生に、ふられた」

ソフィがそう言うとアミリーはやっぱり、と言った様子で話を聞く。

「でも、やっぱり諦めきれなくて…どうしよう」

また落ち込みそうになるソフィをアミリーが努めて明るい声で話す。

「あんたのリース先生への想いは分かってるつもり。これからあんたはどうしたいの?」

アミリーの質問にソフィはゆっくりと、けれども確かにはっきりとした口調で

「私、リース先生のことまだ諦めてない。絶対、絶対振り向かせる」

ソフィの返事にアミリーは安心した様子で笑顔を浮かべる。

「なら話は簡単。あんたの想いをリース先生にちゃんと伝えなきゃ」

アミリーの綺麗な青色の瞳を見て、ソフィはうん!と答えた。

「よーし!こうなったら絶対、リース先生と恋人になってみせるぞー!!」

ソフィのピンク色の瞳に火が灯る。アミリーは安心した気持ちと大丈夫だろうかという気持ちが混じりあっていた。

「ソフィが暴走しなきゃいいけど…」

アミリーの呟きはソフィには聞こえていないようだった。

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