第3話一緒に
リースはワインレッドの髪の毛を風で靡かせながら琥珀色の目でソフィとアミリーを見つめる。
「すみません、盗み聞きするつもりは無かったんですが…僕の名前が聞こえたのでつい…」
リースはそう言って困ったように笑った。それだけでソフィの心をドキドキさせるには充分だった。
「あ、いえ!その!」
ソフィは慌てた様子でリースにどう話そうか頭の中で考える。アミリーはそんなソフィを見て
「それじゃあ私はこれで」
お弁当を片付けたアミリーはそう言ってそそくさと退散する。
「ちょ、アミリー!?」
ソフィの呼び声むなしくアミリーは頑張れ、と口パクをして教室へ向かった。ソフィとリースだけが取り残される。
「えーと?」
リースは不思議そうにソフィを見る。
「お邪魔でしたかね?すみません、僕はこれで」
「ま、待って下さい!」
立ち去ろうとするリースをソフィは呼び止める。リースは振り返りソフィを見る。
「じ、実はお願いがありまして…」
「お願い、ですか?」
ソフィは顔を真っ赤にしながら、けれどもリースに聞こえるようにはっきりと伝える。
「私に!魔法を教えて下さい!」
「そこの魔術式は間違えないで下さいね。じゃないと爆発してしまいます」
ソフィがリースに魔法を教えてほしいと懇願したところ、リースは快く引き受けてくれた。放課後、誰もいない教室で二人だけで魔法の勉強をしていた。
「なるほど…魔法って奥が深いんですね!」
ソフィは二人きりというシチュエーションにどぎまぎしながらも魔法について必死に勉強していた。
「それじゃあ、魔術式が出来上がったら一回試してみましょう」
「はい!」
ソフィが元気良く返事するとリースは笑顔でソフィを見つめた。ソフィはリースの笑顔に思わず目眩を覚えたがしっかりと魔術式を完成させることに集中する。
数分後、ソフィは額の汗を拭いながらリースに話しかける。
「リース先生!出来ました!」
リースはちょうど魔法についての本を読み終わったところだった。
「それじゃあさっそく試してみましょう。大丈夫です何かあっても僕が何とかしますから」
リースの心強い言葉にソフィは頷きながら魔術式を展開する。
「行きます!出て来て!猫さん!」
そうソフィが言うと突然辺りが光出した。
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