202010 ジャパロボ 24

渋谷かな

第1話 ジャパロボ24

「出世街道を突き進んでいるあなたには弱者である私の気持ちは分からないでしょうね。こっちは何か結果を、何か実績を残さないと、直ぐに干されてしまうんですから。だから私は都民ファーストで都民の生活の向上に努めてきた。そして都民から集めた支持率の高さでジャパロボの開発機関や、ジャパロボ・パイロット脳波研究所の設立を強引に進めて、自衛隊に対抗するべくジャパロボの機関を作ったのだ。全て私の実績だ! 私が作ったのだ! ワッハッハー!」

 大江都知事の自己の実績に対する執着は都民を操った結果で得たものであった。

「それでジャパロボを奪われた実績も追加しちゃったのね。」

「すいません!? すいません!? お許しください!? 幕僚長様!?」

 権力にしがみつく者は、自分より権力が強い者には敵わない。

「気持ちは分からなくはないわよ。私、元ヤンキーだもの。」

「では!? お許しいただけるのですか!?」

「良かったわね。2021東京ジャパロボ・オリンピックがあって。今、東京都知事をあなたから変える訳には行かないのよ。命拾いしたわね。」

「やったー!」

 喜ぶ大江都知事。

「でも東京都のジャパロボ開発機関とパイロット研究所は自衛隊の参加に入ってもらいます。私はそれを言いに来たのよね。」

「そ、そんな!? 私の実績が!?」

「二度と不祥事が起きないように大日本帝国の自衛隊が介入します。」

「それだけは!? それだけはご勘弁を!?」

「抵抗するなら、この場で死んでもらいます。どうする?」

「・・・・・・分かりました。」

「それでよろしい。」

 東京都はジャパロボの独自機関を全て失った。

(絶対に、絶対に・・・・・・この屈辱は忘れんぞ!)

 復讐心が芽生える大江都知事。


「う、動けない!? なんという自衛隊のエースパイロットの威圧感だ!?」

 都庁会談の護衛をしている麻理子は祐奈のジャパロボから放たれるオーラに手に汗をかいていた。

「帰るわよ。祐奈。」

 そこに会談を終えた綾幕僚長が現れる。

「・・・・・・もう食べれません・・・・・・もう一杯だけですよ・・・・・・あはははは・・・・・・zzz。」

 しかし祐奈は護衛をサボって寝ていた。

「ね、寝てたのか!?」

 麻理子は祐奈を買いかぶっていた。

「祐奈、起きないと顔面洗濯ばさみ100個の刑を行うぞ。いいのか?」

「ピキーン! おはようございます! 書類の整理! 洗濯物干し! 何でもやらせてもらいます!」

 トラウマ的に綾の声に祐奈の目覚めは素早かった。

「なんという感知能力!? そして瞬時に状況を把握する力!? これがエースの実力か!?」

 麻理子は祐奈に憧れるのであった。

 つづく。

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