物書きの必需品? 国語辞典
世の中には様々な辞書、参考資料になる専門書がありますが、物を書く上で絶対に必要な物(と思われる)は、何といっても国語辞典でしょう。これが無ければ、(ネットに繋がる環境やデバイスなどがあるときは別ですが)自分の知らない言葉がでてきたとき、あるいは、使いたいのに意味が分からないとき、「ふぇ?」な状態になってしまいます。最悪の場合は、ちんぷんかんぷん。分からないことも分からないまま、世の中に「それ」をさらしてしまいます。自分では間違っていないつもりでも、ほかの人から見ると、「これ、変な文章じゃねぇ?」になってしまう。そいつは、かなり不味いと思います。物書きが相手に情報を伝える手段は、ほぼ文章しかありません。文章の中に含まれた意味、雰囲気、前後の文脈から感じる相互関係などしかありません。「美人とは、宇宙人のことである」なんて勘違いしていたら、それを見ている語り部(一人称、二人称、三人称を問わず)が酔っぱらっているか、頭の中がぐるんぐるんになっているか、元々そういう人なのか、とにかく事前情報が無いと、先ほどの「ふぇ?」が起こってしまい、悪い意味で意味不明な文章、良い意味で前衛的な文章になってしまいます。
こいつを読み解くには、俺たちの常識をぶち壊さなきゃならねぇ! 世の中にはあえて、そういう文章を書く人がいらっしゃるかもしれませんが、それはある種の挑戦者、文学的な冒険者といえます。冒険者は、浪漫を常に求めるもの。その意味では、普通の物書きも充分に冒険者だと思いますが、それは「冒険者」よりも「旅行者」に近く、危ない道にわざわざ挑んでいくよりは、電車の時刻表を見て、目的の場所にゆっくりと、しかも確実に目指すといった方が合っているかもしれません。旅行者に必要なのは、無理のない計画と観光のガイドブックです。それらがしっかりしていれば、何とかなる……かも。いや、大丈夫。たぶん、大丈夫! 今はスマホでもいろいろと調べられますからね。ガイドブックは、旅行の楽しさをより満たしてくれるアイテムです。そのアイテムが、物書きでいうところの国語辞書。五十音順に名詞から動詞、その他諸々が載っているありがたい書物です。辞書を考えた人は、本当に神……いや、仏ですね。本当に慈悲の塊のような書物です。それがあるおかげで、色々な言葉を知ることができる。言葉の使い方に「ふむふむ」とうなずくことができる。
紙の辞書はページをめくるのがやや面倒ですが、電子辞書は特定の言葉を入れないかぎり、それを調べることができません。「あ」とか「い」とかを入れて、調べる範囲を広げることはできます。ですが、それでも一覧にでてくる言葉は限られている。結局は、手探りで探すことになります。知らないことを知ろうとするのは、本当に大変なこと。未知なる世界に足を踏みいれるのは、さらに恐ろしいこと。国語辞典をはじめとする辞書には、その足下に光を灯す力があると思います。その光をたどっていけば、自分の求める答え、知りたい言葉や、言葉の意味にたどりつく。国語辞書は(小学校に上がれば)ほとんどの人が買う、あるいは、買わされる書物ですが、その利便性から考えても、また、物書きに必要なアイテムとしても、一家に一冊は買いたい物ですね。僕は、三省堂の国語辞典が好きです。
でも、いま使っているのは、学研の現代新国語辞典。「なぜだ?」
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