澤野弘之氏

 静かなところで筆を走らせるのもいいですが、美しい音楽を聴きながらする執筆にもまた味があります。気持ちが高ぶる音楽を聴けば文章にも高揚感が出るし、逆に落ちつく音楽を聴けば冷静な気持ちになる。僕は(基本的には)音楽を聴きながら書き書きする人間なので、パソコンのイヤホンジャックにはいつも、ヘッドホンのジャックが刺さっていますね。前はSONYのイヤホンでしたが、今はPanasonicパナソニックのヘッドホンです。ヘッドホンの方が、何となくしっくりくるんですよね。こう、耳が包まれるというか。耳から聞こえてくる音が、自分の指と重なっている感じなんです。だから、執筆時の音楽は結構大事……な気もするたぶん。いえ、やっぱり大事です。今はユーチューバーの語りなども聴いたりしていますが、基本的には音楽がメインといった感じであります。音楽の種類は様々ですが、それを聴く主なところは、みんな大好きYouTubeか、自分のパソコンに入っている音楽ですね。オーディオ・コンポは場所もとるし、音量によっては迷惑をかけることもありますから。休日の昼間、周りに迷惑のかからない時間帯にだけ、BOSEボーズ製のPCスピーカーを使う感じです。


 こいつの低音が、個人的にはかなりいい。さらにいえば、それで聴く澤野氏の音楽が最高にいい! 澤野さわの弘之ひろゆき氏は、日本の作曲、作詞家です。数多くのドラマやアニメなどの作曲、作詞にたずさわっており、ドラマで有名なのは「医龍」、連続テレビ小説「まれ」、小栗旬氏の出演した「Crisisクライシス 公安機動捜査隊特捜班」、アニメではフジテレビ系で放送されているノイタミナのオリジナルアニメ「ギルティクラウン」、機動戦士ガンダムシリーズの「機動戦士ガンダムUCユニコーン」、人間と吸血鬼の戦いを描く「終わりのセラフ」、人間とカバネの間にいる主人公、カバネリを描いた「甲鉄城のカバネリ」などがあります。澤野氏の音楽は、とにかくカッコいい。世間では「鬼滅の刃」と、それの主題歌「紅蓮華ぐれんげ」を歌ったLiSA氏が有名ですが、そのLiSA氏も澤野氏とコラボしていて、機動戦士ガンダムUCの続編である機動戦士ガンダムNTナラティブのエンディングも歌っています。このエンディングもまた、紅蓮華とは違う味わいがある。なんかこう、LiSA氏が良い意味でLiSA氏でない感じですね。完全に澤野節全開です。


 僕が初めて澤野氏を知ったのは「機動戦士ガンダムUC」ですが、冒頭の戦闘で流れるMobile Suitモビルスーツという曲、このBGMがマジで最高。戦闘の重圧感、緊張感、そして、高揚感が、最大まで引き上げられています。正に「鬼気迫る」といった感じ。普通はあまりパッとしない強力機体と量産機の戦いが、手に汗握る戦闘シーンへと昇華されています。それほどに素晴らしい音楽。僕は自分の作品、特に戦闘シーンを描くときは、澤野氏の音楽を大抵聴いています。彼の音楽を聴いていると、単なるつば競り合いが、武器と武器のぶつかり合いが、その細部にまでこだわった名シーンのように思えてくるからです。そこから互いの武器を押し合い、相手の動きをもう一度窺いあうのもいい。滅茶苦茶カッコいい場面を書いている気分になれます。


 自分が何の音楽を聴くかは完全に好みですが、このエッセイでもし、澤野氏の音楽に興味をもたれたという方は、是非一度聴いてみてください。ハマッたら抜けだせなくなるほどの音楽です!


 

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