第8話 魔王のジャンピング土下座
「あら?魔王様何なさってるのです?」
「あ、あぁ。ジャンピング土下座のれんしゅ……わーーーーー。サ、サキさんや。」
魔王がジャンピング土下座の練習をしていると、四天王最恐・鬼のサキが魔王の部屋に入って来て訪ねてくる。
「また何か悪さして奥さんに言えないような悪い事をされたのです……くわぁっ。」
鬼のサキさんが突然驚いた声をあげる。
魔王はギギギと後ろを振り返ると、鬼のサキよりも鬼の形相の奥さん事ルシアが仁王立ちしていた。
「あ・な・た?何か言わなければならない事がありますよね?」
「え?えぇ?い、いやにゃ、にゃいよ?」
「ありますよね?」
魔王は冷や汗だらだらで目線は横を向いている。
魔王は素直に白状する事にした。
いつの時代、どんな世界も最強は嫁なのだ。
「へぇ、そんな約束を私に内緒でしていたのですか……」
「へぇ、ルイン様が妹を辱めたと……でもそれは魔王様の教育の賜物ですよね、スキル構成も魔王様由来のものが多いですし。」
「そこに直りなさい!」
「あたしと結婚してくれっ、でないと城破壊するっ。というか約束は果たして貰いますっ」
直るよりも真っ先に魔王はジャンピング土下座をした。
それはもう見事なジャンピング土下座であった。
人間が魔王のこの姿を見たとしたら……魔王討伐なんてめんどくさいと放棄される事は間違いないと思っていた。
「魔王様ァ?こうなったら二人目を今すぐ作りましょう。」
「魔王様?私も孕ませてもらいますっ」
それから魔王妃・ルシアによる説教と鬼のサキからの熱烈プロポーズは続いた。
そして3人で3日3晩部屋に籠り放送出来ない大人のお相撲を取っていた。
「妾が増える事に反対はしません、それを何の相談も報告もなしにすることが問題だと言うのです。」
「私もサキさんもこれで多分受胎しているはずです。しっかり稼いで子供を育てる環境を作ってください。」
こうして四天王の一角、最恐と名高い鬼のサキさんは産休を取る旨が通達された。
魔族は人間と違い決まった周期による生理があるわけではない。
自分の意思で排卵可能なのだ。だからこその多分受胎していると発言だった。
その3日目に再びルインの婚約者であるリサが遊びにきた。
メイドのユキとの残酷な~で偉い事になっているところに訪ねてきたために、リサの雷がルインに落ちた事はいうまでもない。
リサの前で正座をさせられたため、ジャンピング土下座を決められずとった行動は……
「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ……目標(扉)をセンター(視界)に入れてスイッチ(ドアノブを回す)。」
ピコーン
スキル:逃げちゃだめだ及び目標をセンターに入れてスイッチを獲得しました。
逃げちゃだめだ……:逃げちゃだめなので大人しく震えてジッとしている事が出来る
目標をセンター……:一点集中してナニかを発射する。ここではえっち過ぎて説明出来ない。
リサのスキル、先回りが発動。逃げる事は事実上不可能ですとルインの頭に響いた。
どうやらこの数日の間にリサは新しいスキルに目覚めていたようだった。
「私にもそのスキル使いなさいよー」
「え?」
どうやらリサはドMだったようだ。
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