「追いかけたい派と待ちたい派」

「君は追いかけたい派か待ちたい派で言うとどっち?

 恋愛とかの話ならきっとこれは分かれるんだろうなぁ。

 でもさ、これっていろんな事に言えると思わない?


 例えば君が今利用しているサイト、カクヨムにも言えるんだ。

 ユーザーが書いた小説を一話一話が投稿される度に読む”追いかけたい派”と、小説全体が投稿されてから一気に全部を読む”待ちたい派”。


 他にもサッカーとかはどうだろう。

 フォワードは自分から前に切り込んでいくから、点数を”追いかけたい派”だよね。それに対してディフェンスは相手の手にボールが渡ったり、味方が一旦ボールを下げたい時まで待ってる”待ちたい派”だって言える。


 それじゃあ禁断の質問をしてもいいかな?

 それ、どっちの方が良いんだろう。


 そうだな……例えばカクヨムでユーザーが投稿している作品を毎話追って、一話毎の感想を送ったら作者はモチベーションが上がるよね。

 だったら一気に全部読みたい派は良くないユーザーって事になる。


 でも一気に読んで楽しみたい人が毎話更新されるのを待てなくて、結局途中で読むのをやめてしまったら、それは作者にとっても読者にとっても機会の損失になる。

 作者は読者を得る機会を、読者は良い作品に出会う機会をだ。


 当然の事だけど、小説投稿サイトに集っている時点で、両者ともその機会を求めている事は分かっている。

 って事は人生の無駄を増やしたって事だ。


 この追いかけたい派と待ちたい派の話を聞いて、君が『あの話にも言えるな』って思ってくれたら僕としてはこの話をしたかいがあったよ。


 僕は結構ゲームとかも好きなんだ。でも、ゲームをしているとどこかで楽しむ事を諦める奴らが出てきてね。

 あのキャラクターは使うなとか、人を煽って楽しむとか、機材の差で負けたんだとか……みんな最初は楽しむ為に集まってたのに、どんどん人生を無駄にする。


 ネットではキッズが嫌われる傾向にあって子供であることが悪だとされるけど、純粋さを持って物事に取り組めるところは子供に習うべきかもしれないね。


 と、こんな話をしたのは何か理由がある訳ではないんだ。

 強いて言うなら話しのネタが特に無いからなんだけど、それでも無理をして僕は喋り続けてる。


 こんな言い方をすると、僕が何らかの理由を持って理由も無く話を続けている様にも聞こえるかもしれないね。

 でも本当に理由なんてどこにも無いんだ。ただ、僕が話したいから話を続けているし、話す内容は本当に何でもいい。


 そうだ、ワードサラダって物を知ってるかい?

 あれをキーボードで打ち込み続けるとタイピングが上手くなるんだ。それと同じように僕が話す内容は何でもいい。それこそワードサラダの様な文章でもね。


 まぁ、そんなの聞いてる君がつまらないだろうからしないとは思うけどね。

 だから精一杯に話のネタを考えてくる。また明日も来てくれよ?」

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