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 窓を開けた。


 朝の風。やさしく、部屋を通り抜けていく。


「さようなら」


 さよなら。わたしの夢。わたしを生かしてくれる、記憶。


 朝の風とともに。


 通りすぎて。消えた。枕の隅で。ひとつだけ。朝陽を反射して、枕元で何かが光る。


「さあ」


 今日も生きよう。なんとかして。次に眠るときに、話せることがあるように。

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