奇妙な出会い(3)
早川副院長は、レントゲン画像より実物のナナを見たくてたまらなくなり、ちょっと不謹慎だが、ナナの様子を見に入院室に行った。
ナナは、高性能のICUユニットに入り、気を失なったまま、まだ目が覚めていない状態。
鈴の見立てでは、あと3時間くらいで目を覚ますと言う。そして、目が覚めたら、いったいナナに何があったのか事情を聞き出すつもりでいる。
まるでアニメの世界に入り込んだかのようで、まともな思考ではないが。鈴は本気で、ナナが人間の言葉を喋り、会話ができると思っている。おそらく20代の思考能力もっていると思われ、あの画像検査がそれを物語っていた。
早川副院長は、ICUユニットを覗き込み。鈴の言った通り、超可愛いと超綺麗を兼ね備えているような感じ。なんの猫種なのかわからない。しかし、見とれるほどに見たこともない猫。
そのナナの姿に魅了された早川副院長は、しばらくナナをICUユニット越しに見ていた。
ここ木村動物病院は、白を基調とした清潔感あふれる3階建ての建物。出入り口の近くには、木村動物病院の案内看板があり。その下には、小さな花壇に花が咲いている。
年中無休診療で、交代制になっており。診察営業時間は、午前の部、午前9時30分~午後0時30分。午後の部、午後4時~午後7時まで。
1階は、待合室、受付、薬局、面会室、猫入院室、犬入院室、入院室1、診察室1、診察室2、CT室、レントゲン室、MRI室、処置室1、処置室2、歯科室、眼科室、手術準備室、手術室1、手術室2、入浴室・手洗い場。
2階は、宿直室、更衣室、医局、スタッフルーム、会議室、トリミング室、グルーミング室、事務所、猫ホテル、犬ホテル、超音波検査室、検査室、入院室2、入院室3、予備室1、予備室2、隔離室。
3階は、院長室、培養室、ドッグラン・バルコニー、屋内ドッグラン、リハビリ室、予備室3、予備室4。
診療動物は、猫、犬、うさぎ、ハムスター、小鳥、フェレットなど小動物全般。
獣医師は8名、うち男性は3人。動物看護師・グルーマー・トリマーは18名、うち男性は4人。あとは受付と薬局と事務の方も日々頑張って働いている。
鈴の実力は、東京でちょっとした名医として知られ。調子に乗ったのか、どこかで聞いたセリフだが、「私、失敗しないので」というコメントをホームページに載せてしまい。その2日後に、早川副院長に見つかり注意され、コメントは削除された。つい最近のこと。
鈴と早川副院長の実力を比べると、鈴の方が勝り、早川副院長もその実力を認めている。ただ、鈴の両親のDNA受け継いでいることに、ちょっと羨ましいと思ったこともある。しかし、鈴はそれに甘んじない努力家であり、尊敬している。ただ、調子に乗ってしまうところが玉に瑕。たまに鈴が子供だった頃のことを思い出すことがある。
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