第93話プレルス城③
欲望のおもむくまま、ピュティロに飛び付いた。
「ああっ、痛いっ、ううっ、どうか、許して」
領主であり、伯爵位に就く高貴な女性の身体を、遠慮どころか、一切の配慮もなく、ただもてあそぶ様に、乱暴にマッサージする。
【
ピュティロが身体を捩らせる度、妖精の鱗粉が光を放ちながら舞っている。
その美しい淫靡な光景に、背徳的な愉悦に、抑え切れない興奮が加速していく。
「よくもやってくれたなぁ、ピュティロさんよぉ。
どうだ、こんな恥ずかしい格好はした事があるかい?
全部、丸見えになってるぜ?」
先程のピュティロを真似、身体にゆっくり指を這わす。
一筋の糸が垂れ、キラリと光った。
「なんだよコレ、濡れてるじゃねーか」
その糸を指で掬い、クチュクチュ弄る様を、ピュティロにまざまざと見せつける。
顔を背けて嫌がるピュティロだが、【
医療用ゲルちゃんは、全身に蛇の様に纏わりついて、患部を探す様に執拗にマッサージし続ける。
「あ、ああ、テツオ様、お許しを…………」
「許す?許すだって?何を許すんだ?
許されない事をしたのはお前だろうが!
ふざけやがって。今に自分から欲しがるようにしてやろう」
太腿を両手で掴み、
すると、白い肌にピンク色の紋様が浮かび上がり、薄く光っている。
「これは一体、何ですの?ああ、身体が熱い、熱くなるぅ」
「フフフ…………これは【淫紋】と言ってな。お前の意思に関係無く発狂してしまう術だ」
この紋様は、色が濃ければ濃い程、効果が強く現れる。
弱い順に、ピンクから赤、紫、黒となり、一説には黒より上位の禁呪色があるらしいが、俺が現状使えるのは紫までだ。
相手を支配する魔法といえば、【洗脳】【魅了】とあるが、効果持続時間はそれ程長くはない。
その点、【淫紋】は呪いに近い性質を持ち、一度刻印してしまえば、【解呪】しない限り消える事は無い。
そして、【淫紋】を刻まれた者は、精神の悉くを術者に支配され、術者以外では、満足する事が今後一切出来なくなってしまう。
俺自身も、どれほどの効果が表れるか分からないので、まずはピンクから試してみたのだが、さて…………
「このような悪魔の術で…………う、んふぅぅ…………いくら私を攻めても、決して、屈したりは…………」
「そう言いながら、
本当は欲しいんだろ?」
亡き夫に操を立ててるのか、拒もうと必死に抵抗しているが、身体は正直に反応してまう。これがこの【淫紋】の怖いところだ。
マッサージ器を、ピュティロの患部へスッと添える。
散々嫌がる台詞を並べていた
そう……、悦びに打ち震え、嗤ったのだ。その笑みを俺は見逃さない。
それを確信し、一歩下がる。
「欲しいんだろう、コレが」
「あ、ああっ、そんなっ!離れないで!
そうよっ!欲しいのっ、ソレがっ。
ああ、私にどうかっ!」
フッ…………落ちた。
ピンク紋程度で完堕ちとかチョロ過ぎる。
「そうだなぁ、ただでする訳にはいかねぇやなぁ」
「んはぁん、辛いの、とっても!
テツオ様の為なら何でも致しますっ!
ですから、どうか!」
身を捩らせ、俺のマッサージをして欲しがるピュティロ。身体中から大量の光粉が舞い上がりキラキラと光り輝いている。
くっ、なんて綺麗なんだ。芸術作品の様に俺の心を捉えて離さない。しかも、この粉を吸うとまた【魅了】されてしまう危険性がある。
「なんだ!この粉は!
また俺を精神支配しようという魂胆か!」
「ああ、違いますぅ。身体から勝手に出ちゃうのぉ」
「ふん、どうだかな」
「信じてぇ、虐めないでぇ」
「こいつに聞いてみようか、【解除】」
背景に過ぎなかった壁がスッと消え、そこには、ピュティロを幼くしたら恐らくこんな容姿だっただろうと思わせる、良く似た一人娘キャメロンが拘束されて立っていた。
「ああ、キャメロン!どうしてここに?」
そんなの俺が時間を操作して【転移】で連れてきたに決まってる。
「そんなっ、ママ!なんて事っ!」
「見ないでぇ」
「うぅん、ママぁ。私も同じなのぉ……」
「…………えっ?ああっ、そんな!」
キャメロンのその身体には、母親と同じく【淫紋】が浮かび上がっていた。
「こいつも、最初はちょっと抵抗して参ったぜぇ?
俺が救助してやった幼馴染は好きな男だったらしいな。あんまりうるせぇから、【淫紋】三つ刻んでやったぜ」
キャメロンの身体には、上半身に二個のピンク紋、下半身には濃い赤紋が煌々と光っている。
「ママぁ、私経験無いのに、欲しくて堪らないのぉ。身体がおかしいよぉ。
ママ、エラいんだよね?リョウシュなんだよね?
ママからもテツオ様に頼んでぇ」
「キャメロンはこう言ってるけど、ママどうする?」
キャメロンを指で(マッサージ)しながら、ピュティロを挑発する。
さて、娘がこんな目にあってどう反応する?
「ああ、そんなっ!駄目よっ!
許しませんっ!」
おっ?やはり妖精といえど、子供が大事なのか?
「マッサージしてもらうのはママが先なのっ!
貴女は我慢なさいっ!」
ありゃりゃ、駄目だこりゃ。
だが、もうどうするかは決めている。
キャメロンの後ろに周り、正面のピュティロを眺めながら、一気に腰をマッサージした。
「ママ、よく見てろ!」
「きゃうぅぅん!」
キャメロンにとてつもない快感が突き抜け、頂点に至るとそのまま気絶した。
いくら初めての施術とはいえ、たったの一突きでこの威力。
【淫紋】…………げに恐ろしき。
気絶しているキャメロンをベッドに運ぼうとすると、その余りの軽さに驚いた。
妖精には体内に浮力が備わっているのか、質量はしっかりとあるのに、綿の様に体重を感じない。不思議な生態だ。
ピュティロは、気絶する娘を羨ましそうに眺めた後、次に俺を物欲しそうに見つめる。
「早く欲しいか?」
「欲しいですぅ」
「では、条件がある」
一方的な交換条件を提示した。
まず、【
もし、領民が納得せず、この領地から追い出さねばならないというのであれば、身柄は全てジョンテ領が引き受ける。
次に、今まで通り引き続きプレルス領の領主として領民に尽くし、領民の命を第一に考え、平和の為に尽力する事。
谷の遺恨が消え、人間界に興味が失ったというピュティロが、このまま領主を辞めてしまうと、俺に余計な仕事が増える可能性がある。
こいつはこのまま領主として、利用できる様にしておいた方がいい。
「守りますっ!いえ、私は既に貴方様の奴隷ですっ!
ですから、早く、早く私を躾けて下さいましっ!」
「よぉし、よかろう」
【拘束】とゲルちゃんを解くと、ピュティロは自由となり、ふわりと宙に浮いて俺のマッサージをされに飛んでくる。
「きゃあああぁん…………凄っ、凄いっ、こんなっ、、気持ちぃっ、いぃんっ」
グラマラスな見た目なのに、体重を一切感じない軽過ぎるギャップが無性に唆る。
興奮してきたので、強めにマッサージすると、ピュティロは一気に達してしまった。
娘の横に放り投げると、艶かしい表情で、はぁはぁと細い肩で息を乱している。
貴族で妖精の親子が二人転がっているこの絵面。堪んないね。
そこに向かってシャンパンシャワーで華麗にフィニッシュ!
親子丼完食に征服欲が一気に満たされた。
「ふぅ、食った食った。ごっつぉさん」
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