第52話大浴場②
俺が湯に浸かっている事に気付くと、リリィは両手でサッと身体を隠した。
え?なんか隠されるのショックだな。
でも、隠さないのも恥じらいが無くて微妙だし。
線引きが難しい。
「テッ、テツオ、居たの?」
「ああ、ここは俺の家だからな」
ん?リリィの後ろに誰かいるね。
リリィの後ろに隠れて、アデリッサがひょこっと顔を出す。
「お、お邪魔してます」
人格はアデリッサの方だ。
彼女も恥ずかしそうに身体を隠している。
二人共、転移用魔玉の転送元をテツオホーム一階エントランスに設定してある。
各々用事を済ませ、ここで寛いでいたのだろう。
「ここ、凄いわね。
こんな建築物見た事ないわ」
二人は俺に見られないように、掛け湯をしてから湯船に入り、今はほっこりしている。
たくさんマッサージした後じゃなかったら、俺はすぐさま二人を施術していただろう。
だが、今の俺はまだ落ち着いて会話可能な状態にいる。
紳士は会話に重きを置く。
「一流ホテルをイメージしているからな」
二人が揃って、ホテル?と不思議な声を出す。
そっか、知る訳無いか。
話を聞くと、リリィとアデリッサは同じタイミングでダイニングに案内され一緒に食事をしていたようだ。
この家では、グレモリーの人格を出さないように言ってあるし、ここに住む女性達の記憶からはグレモリーの記憶は消してある。
抜かりなしだ。
リリィ、メルロスはアデリッサと既にアディの相性で呼び合う仲になっていた。
悔しいから俺も今後アディと呼ぶ事にしよう。
「さぁさぁ、リリィ、アディ、もっと近う寄れ近う寄れ」
両手を広げ、二人を迎え入れる。
次から次と色んな美女とくっつけて、なんて素晴らしい夜なんだ。
両脇に抱えた二人に順番に挨拶をする。
片手ずつで二人の肩を揉みながら、手を回し、指先の柔らかい感触を楽しむ。
これくらいは自然な流れであって、挨拶みたいな些細な事。
二人が徐々に色っぽい吐息に変わっていき、その声がまた非常に唆る。
ああ、またマッサージしたくなってきた。
二人を軽く浮かし、人差し指と薬指で悟らせ、中指を祈らせる。
(クパとは悟り、ヌプとは祈りを意味する)
リリィがキャッと声を上げ、アデリッサがンンッと耐える。
「なんだ、二人とも準備出来てるじゃないか」
すると、リリィが切ない顔で俺を見る。
「テツオ、今日ここに初めて来て、たくさんの女性がいる事に凄く驚いたし、正直戸惑ったわ。
もちろん、私は覚悟したんだし、テツオのハーレムの夢だって受け入れるつもりよ。
でも……マッサージは二人きりがいいの」
甘えた声で訴えてくる。
な、なんだと!
それは受け入れたと言えるのか?
「わ、わたしも!
……二人きりが……いいです」
アデリッサまで勢いに任せて二人きりの提案に乗っかってくる。
これは、良くない流れだ。
「二人きりもいいんだが、今は三人でいる。
だから、三人で練習だ!」
二人を持ち上げたまま、風呂から浮かび上がり、【炎風魔法】でもって一瞬で身体を乾かし、三階寝室へ【転移】する。
ボフボフッと二人をベッドに落とす。
二人がベッドの上に浮かぶ俺の患部を見上げている。
リリィがあんぐり口を開け、アデリッサが両手で顔を隠す。
「さぁ、まずは初級コースだ。
起き上がって二人でマッサージするんだ」
リリィが頑張って起き上がるが、アデリッサは恥ずかしがって身動きが取れない。
「リリィ、手伝ってやれ」
リリィは覚悟を決め、アデリッサに声掛け起き上がらせる。
アデリッサが恐る恐る震えながら施術しだし。
チロ。
くぅぅ、コレコレー!
こういう恥じらいとか初モノって、経験を重ねれば重ねるほどに興奮するねぇ。
「リリィ、手取り足取りやり方を教えてやれ」
リリィが先にマッサージし、アデリッサが真似をする。
ペロペロとチロチロ。
二人順番にマッサージ。
グチュグチュとハムハム。
そして、二人同時にマッサージ。
ペロチロペロチロペペロンチーノ。
全く違うリズムが不思議なハーモニーを奏でる。
アンバランスな気持ち良さ。
王侯貴族の二人は見た目も良いし、施術にも何となく気品や上品さを感じる。
二人とも風呂上がりもあって、汗をかいて頑張る姿に異様に興奮してくる。
汗で肌が艶やかにテカり、長い髪が肌に貼り付いているのもポイントが高い。
「さぁ、二人とも横になれ。
まずはリリィからいく」
リリィと密着するようにアデリッサを寝かしているので、リリィに施術しながら、たまにアデリッサにマッサージする。
それにしても、リリィのマッサージ器は本当にしっくりくるよなぁ。
程よい締め付けと湿り具合のバランスが俺に無理をさせない快感を与えてくれる。
「アディ、しっかり見てるんだぞ?
リリィいくぞ!」
激しくマッサージするとリリィが身体を仰け反り、限界に達した。
頬へ挨拶を一つして隣に移動する。
「アディ、準備はいいか?」
「……はい」
アディのマッサージ器に患部を入れる。
初めてマッサージした時は、先っちょだけの約束だったのにマッサージ器に入れた瞬間、食いつかれたように吸い込まれてしまった。
悪魔グレモリーに反映されているのだろうか。
トプッ
ズズズズズッ!
うお!
や、やはり吸い取られる。
これは悪魔のマッサージ器だっ!
アデリッサの身体を抑え、吸い込まれまいと抵抗する。
すると、マッサージ器内部の粘膜が螺旋の様に渦巻き、俺の患部を回転しながら更に引っ張ろうとする。
アデリッサは恐らく無意識だが、恥じらえば恥じらう程、回転数は上がっていく。
まさに竜巻の如し。
抵抗すればするほど快感の渦に巻き込まれ、あっさりと限界に達してしまった。
左手で顔隠すくらい恥ずかしがっているのに、右手でシーツをギュッと握ってるのに、中は異次元の絶頂マシーン。
これはヤバい。
アデリッサはマッサージ器の中にマッサージ用ローションを思いっきり出され、目を大きく見開いている。
「え?な、中に出されたのですか?」
「ああ、俺は基本的にそうだ」
アデリッサは絶句してしまった。
何の心配をしているのだろうか?
「さぁ、リリィのマッサージもしておかないとな」
ああ、リリィの中はエルフや悪魔みたいに凶悪なサプライズが無いから、安心してマッサージに没頭出来るなぁ。
好きな様に動けるし、好きなタイミングで出せるし、俺に非常に馴染む。
リリィが手足を巻き付けてきたので、アデリッサへちょっかいが出せない。
「きて、テツオ」
リリィのマッサージ器を思う存分堪能し思いっきりフィニッシュ。
ふぅ、大満足。
二人を風呂に【転移】させ、寄り添いながら物思いに耽る。
二人は幸せそうに目を閉じて、俺の腕に絡み付いている。
この二人はじっくり一人ずつ施術した方が楽しめるな。
複数プレイにも向き不向きがあるという事だ。
まぁ、アデリッサとすんなりマッサージ出来たのはリリィのお陰でもあるが。
「そういえば、リリィ。
修行はどうだったんだ?」
ウトウトしているリリィに思い出した様に話を振る。
リリィは俺の肩から頭を離し、俺を見て話す。
「アムロド様はとても厳しかった。
悪魔を倒す為にはそれだけの厳しい修行が必要なのよね。
お陰で強くなれたわ」
そう語るリリィの難しい表情から、相当辛い修行だったのが伝わってくる。
「そうか、それはよかった。
よく頑張ったな」
頭を撫でて褒めてやると、破顔一笑しまた肩に頭を乗せた。
「私、もっと強くなりたいな。
今はアムロド様がまだまだ遠く感じるけど、いつか勝ってみせるわ」
アムロドのレベル100超えてなかったっけ?
英雄といえど人間が勝てる次元なのか?
いや、魔王はもっと強い存在だ。
勝ってもらわねば困る。
ふぁあ。
ん?欠伸か?
そうか、確かに眠くなってきた。
自分の魔力残量を見ると半分近く減っている。
流石に無尽蔵では無いらしい。
寝てないから回復しないのかも。
「なぁ、今夜は一緒に寝るか?」
リリィは喜び、アデリッサは恥らいながら了承した。
三階寝室で俺を中心に川の字になって三人同じ布団に入る。
やはり布団は落ち着くな。
いつしか眠りに落ちていった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます