第4話 四

美雪はゼッジュの森から抜け出す為に、必死になっているのですけど、

こんなにも彷徨うとは美雪自身も思っていないと思います。


しかし、このままでは美雪の体力が底を尽いてしまうと

本当にどうにもならないし、どうすればいいのって感じではあります。


『はぁっ、はぁっ、足がもう動かない、どうすればいいのよ、もうっ』


美雪は体力の限界と思ったのか、その場で崩れ落ちると肩で息をしているのですが、

何とか深呼吸をしていまして、乱れている呼吸を整えようとしているのです。


流石にここまで疲れてしまうと美幸にもどうする事も出来ないし、

マズイ状況なのは確かですから、ここはやっぱりジェラドルマに

助けてもらった方がいいのかなって考えるのです。


しかし、美雪は首を左右に振り、そんな事は出来ないと思うと自力で

この森から抜ける方法を考えるのです。


しばらくしていると美雪はかなり疲労しているせいか、

そのまま瞼を閉じて眠ってしまうのです。


そして、一定時間が過ぎると美雪は目が覚めて、

上半身を起こすと美雪は赤いベッドにいるのです。


『これはどういう事? 私は確か……森で崩れ落ちた筈よね』


顔を横に向けるとそこにはジェラドルマがいるのです。


「おうっ、目が覚めたか」


「もしかしてジェラドルマが助けてくれたの?」


「まあ、そうだな」


「その、ありがとう」


「いいやっ、気にするな、良いモノが見れたからな」


「良いモノって?」


「美雪の穿いているパンツが見れた」


「!!!」


私は赤いベッドから降りて、ジェラドルマの頬に平手打ちしようとしたけど、

まだ疲労が残っているせいで出来ないのです。


「まだ安静にしてないとダメだろっ、美雪」


「そ、そうね…………」


『まさか、私が寝ている時に、ジェラドルマが私の穿いているパンツを

見たに違いない。本当に嫌になるな』


「それよりここは何処なの?」


「俺のアジトだ」


「アジトって言うと大悪党の?」


「そうなるな」


「もしかして私の事を大悪党にしてくれるの?」


「それは出来ないな、美雪は純粋だからな」


「そっか、残念ね」


「今はゆっくりと休むといいさ」


「ええっ、そうさせてもらいます」


美雪は赤いベッドに寝転がると瞼を閉じて、

眠るのでした。


「美雪すまないな」


ジェラドルマが言った事は美雪には届かなかったのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

JK異世界へ行く~私の旅路~ 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ