赤い紅い空の下の花
プラハのありす
プロローグ 〜新しい季節〜
2030年4月8日
桜が満開に咲き乱れ、新しい季節の始まりを物語
っている。これが、私たちの「春」と言わんばかりだ。いつもよく見る商店街も、公園も、草木が桜色にあふれ、いつもより綺麗に見えるのは気のせいだろうか。着慣れない制服を着て、1人、少し緊張しながら、桜が舞い散る小道を歩み進めていく。
私はアリシア。風咲(かぜさき)中学校を3月に卒業し、今年から、花咲(はなさき)高等学校に進学する新入生だ。人より目が紅(あか)いと言われていることが特徴だ。身長は153cmと少し小さめで中学生だった時はよく同級生に可愛がられていた。そんな私も今日からは高校生。「たくさん友達を作るぞ。」と何度も自分に言い聞かせ、明るいブラウンの長い髪の毛をなびかせながら、入学する高校に向けて一つ一つ進んでいく。
すると、後ろから足音が、「カタカタ、カタカタカタカタ」と聞こえてきた。そして、
「おはよう、アリシア!」
聞き覚えのある、明るい声が私の耳に入ってきた。
振り返ると、黒い髪の毛に特徴的な赤リボンの私と同程度の身長の女の子が目に映った。その子は中学校のときに同じ水泳部に所属し、ともに練習を乗り越えてきた雪音(ゆきね)ちゃんであった。
「久しぶり雪音!教科書を一緒に買いに行った以来だね〜」
緊張が一気にほぐれ、言葉が自然と出てきたのかなって思った。
「ほんと久々、私、友達できるかすごく不安だったんだけど、アリシアがいてくれて安心だよ。今日は1日不安だからそばにおってね。」
雪音はホッとしながらアリシアの顔を見て笑顔で伝えた。
「クラス一緒になるかまだわからんから1日そばにおるのはもしかしたら叶わないかもね♪」
少しいじわるっぽい顔で明るく話した。
「もう、そんなこと言わないでよー、あ!そうだ、アリシアは部活どこに入るか決めた?」
目を指先で擦ったあとに、気になるように問う。
「今のところは変わらず、水泳部かなー。一応、他の部活も見てみたいとは思ってるよ。」
ガッツポーズに似たポーズを取り、明るい表情をして言った。
たくさん新しい高校生活について2人で話しながら歩いていくうちに、入学する花咲高校の校門にたどり着いた。校門には、桜の木から桜が舞い散り、ピンク色の世界が広がっていた。
校門前に立ち、緊張と期待が高まる中、2人で手を繋ぎながら
「緊張するね、アリシア」
「大丈夫、だって君がいるから、雪音、私たちは1人じゃない」
「さあ、いこう、新しい生活へ、アリシア!!」
「うん、私たちの高校生活の始まりね!」
こうして、私たちの新しい季節の始まった。
赤い紅い空の下の花 プラハのありす @Alice_yuyuyu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。赤い紅い空の下の花の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます