第31話 少女からの便り
(これまでのあらすじ……)
愛するおばさんとの辛い別れを経た少年は中学生活の中で思いを募らせた少女と同じ道を歩み始めます。しかし、少年には少女には言えない淫らな性癖がありました。女性のランジェリーへのフェチ的な思いです。ある日、とうとう少年の悪い性癖が少女の前にさらされる時が来ました。しかし、少女の勇気ある行動でふたりはより強く結ばれました。しかし、そのふたりの間を引き裂く出来事が起きてしまいます。悲しみに自分を失い動揺し混乱する少女、しかし、ふたりは改めてその試練を乗り越えて自分達の強い絆を再確認し、少女はベルギーに旅立ちました。
**********
『しんちゃん、お元気ですか。しんちゃんと最後に会ってから、もう2週間、半月もたちました。こんなに長くしんちゃんと会ってお話しができないのは初めてです。こんな調子で、1年もつかなぁ。
わたしは、今、ブリュッセルの郊外にあるアパートメントに住んでいます。日本の田舎街みたいになんとなくのどかな景色と雰囲気で、こちらの日本人学校も、日本の学校ような時間通りのせわしない感じはあまりなく、ルーズというか、良く言えばのんびりしています。でも、学校には意外に日本人が多くてびっくりしました! 思ったより早く友達もできたので、なんとかなりそうです。もちろん、女の子の友達だから安心してね。
街を歩くと、ヨーロッパだから白人ばかりだと思ったら、アラブ系みたいな人や黒人も多いのに驚きました。それに、こっちは英語が全然通じません。英単語を並べたらどこに行ってもなんとかなると思っていたのに、びっくりしました。
ブリュッセルの街中には、しんちゃんの大好きなチョコレートやチョコレートケーキがたくさんあります。しんちゃんと一緒にケーキ屋さん巡りをしてみたいなぁ。どこに行っても、しんちゃんのことばかり考えて、しんちゃんとこんなことしたい、しんちゃんに見せたい、しんちゃんと一緒に食べたい、そんなことばかり考えちゃいます。
こっちではテレビを見ても言葉がよく分からないから、日本にいた時よりもお父さんやお母さんとよく話しをするようになりました。だから、思いきってしんちゃんのことをお父さんやお母さんにも話してしまいました。ごめんね、勝手にしゃべっちゃって。わたしは本当は日本から出たくなかったけれど、しんちゃんがいろいろ言ってくれたから、ベルギーに来ることに決めた話しをしたら、お父さんもお母さんもしんちゃんと会ってみたいなぁと言ってました。
でも、お父さんはひょっとしたら、しんちゃんのこと、知ってたみたい。駅に見送りに来ていたしんちゃんのこと、なんだか気づいていたみたいなんだよ。知らない振りして言わないんだよ。もう!
勝手に話してしまって、しんちゃん、怒らないでね。でも、きっとお父さんもお母さんも、しんちゃんのことが絶対に好きになると思う。わたしが大好きなしんちゃんだから、間違いない。しんちゃんのちょっと変態な趣味はもちろん秘密だよ。
しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、しんちゃん、
足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、足立慎一、
しんちゃんの名前を百万回も書きたい、いっぱいいっぱい書きたい。でも、書いても書いても、胸を締めつけられるようなこの気持ちが、どんなに頑張って書いても癒されないのはどうしてかな。早くしんちゃんに会いたいよ。しんちゃんの声が聞きたいよ。しんちゃんの7月の誕生日に、しんちゃんに良い贈り物がないか探すつもり。どうせ、しんちゃんはいらないって言うでしょ。わたしが探して贈りたいの。
しんちゃんはわたしの制服、大事に抱き枕にしてくれてる? わたしも、しんちゃんの学ランをもらえば良かった。しんちゃんの汗臭いジャージでもいい。毎日、しんちゃんの学ランやジャージを抱いて寝たかった。わたしも、しんちゃんみたいに変態な子になっちゃったかもしれない。みんなみんな、しんちゃんのせいだからね。わたしが悲しいのも、胸が痛いのも、変態みたいになったのも。
だから、日本に帰ったら、思いきりわたしを抱きしめて、わたしの頭をずっとずっと優しくなでてね。1年分、いっぱい、いっぱい、甘えさせてね。
いつまでも、大好きなしんちゃんへ。』
**********
少年は、少女からの手書きの文字を追いながら、彼女の可愛い文面に自然に顔がほころびました。
中学生の時は、ずいぶんとしっかり者で大人びた頼りになる同級生だったのに、なんでこんなに幼児帰りしたような甘えん坊になったのだろう? こんな文章を書く子じゃなかったのになぁ、と少年には感じられましたが、それだけ今がとても寂しい思いをしているんだろうということは、少年にも想像に難くないところでした。
かえってそれだけに、その文面がとてもいじらしく思えます。
手紙じゃなくメールでよこせばいいのに……、最初は少年もそう思いましたが、少女は手書きで思いを伝えたかったようです。
少年もまた少女の懐かしい筆跡を追うことで、少女が机に向かって手紙を書いている姿を容易に想像することができました。また、その丸文字に近い可愛い筆跡から、そんな想像をすることが少年にはことのほかたまらなく幸せを感じられたのです。
「あ~あ、おれも行きたいなぁ。」
でも、いくら少女の思い出で幸せに感じられるとは言っても、そこはやはり生身の少女と話し、笑い、抱きしめることにかなうものではありません。
少年は今夜も少女の制服を抱きしめて、少女の香りに包まれて眠ります。少年は横になりながら、少女の制服の裏地やスカートの裏地にオレンジ色の糸で刺繍された「三枝理恵子」のネームを指でなぞります。
「さ……え……ぐ……さ……り……え……こ……、理恵子……。」
(あれはいつの頃だっけ?……そうだ、中学3年に理恵子から教室で介抱してもらった時、理恵子のスカートを汚しちゃって預かったんだ。その時、理恵子のスカートのネーム刺繍をなぞって……そうだよ、一晩中、そのスカートを抱きしめて、理恵子のネームに顔を埋めて寝たんだっけ。)
少年は、少女と毎日のように会っていた頃の1人寝の夜は、どうしようもなく狂おしいほどに男としての性欲の高まりに耐えきれず、理恵子のスリップを抱きしめ、理恵子のことを思い、おのが肉棒のたぎりを処理していました。
しかし、今、少女と遠く離れ、少女の可愛い文章を読み、少女のストレートな愛情を強く感じると、少年はなぜが満腹の充足感に満たされ、不思議なことに性欲を処理する必要も感じませんでした。
少女と会えない淋しさはあるものの、今まで以上の少女との強い絆を感じるのです。
「おやすみ、理恵子。」
少女の制服を抱きしめながら、少年はまどろみの中へと沈んでいきます。今の少年が唯一その少女と出会える空間へと、その意識を落としこませていくのでした。
**********
「あ~あ、しんちゃんに会いたいなぁ、声が聞きたいなぁ。でも、今、夜の7時だから、電話しても向こうは夜中の2時くらい? しんちゃんなら、絶対に電話に出てくれるけど、……やっぱりダメだよね。」
週末の学校が休みの日ならば、パソコン画面でリモートでの会話も出来ますが、時差の関係で日本の方が先に夜になるので、家族に知られないよう、日本側が夜の時間帯ではキーボードに文字を打ち込んで会話をします。
それでも、一週間ぶりに顔が見られて、少しでも肉声で会話ができるのは、ふたりにとっては最高の楽しみであり、楽しい週末リモートデートでした。
少年に会えない平日の夕方は、少年から「おはよう」のメッセージがライン上に来るので、少女は「こっちは、こんばんはだよ」とメッセージを返します。そして、少年の受験勉強の邪魔にならない程度にラインに書きたいことを綴り、夜は、ラインで話し切れなかったことを、毎日のように少年への手紙をしたためてからベッドにつく、それが少女の日課となっていました。
ですが、いつしか、ベッドに潜り込むと、夜毎、少年のことを思い身体をほてらせ、ひとりその身体の疼きを鎮めるようになっていました。
少女の指は、いつも自然にその股間へと伸びていきます。既に少女のその敏感な場所は、何もしていないのに、もはやグショグショになっています。少年のことを思うと胸がドキドキして、体が熱く火照り、体の中から何かが込み上げて身体中がウズウズしてしまいます。
(しんちゃんは、わたしのスリップをどうしてるのかな? わたしの制服をどうしているのかな? わたしの匂いを嗅いで興奮しているのかな? )
少女は自らのクレパスに手を這わせ、その肉襞の中から溢れるものをクレパス全体に塗りたくり、クレパスの上にある小さな突起物にもそれを塗り広げます。
少女も、前はあまり触らなかったそこを、少年と離れ離れになってからは、随分と触るようになって、ひとり寂しく体の火照りを慰めています。
(くちゅ……くちゅ……にゅちゅ……。)
(はぁ……はぁ……あぁぁ……ひょっとして、しんちゃん、……あぁん……わたしのスリップや制服を着て……あぁぁ、女装してオナニーしているのかな……はぁはぁ……。)
少女は自分の小さな突起物を、優しく撫で続けています。
(ぬちゃ……にちゃ……くちゅ……。)
(あぁぁ……しんちゃんなら、きっと可愛い男の娘だろうな……わたしのスリップを着た……あぁん……可愛いしんちゃんをだっこしたい……あぁん……わたしのスリップや下着を着た可愛いしんちゃんとだっこしたい。)
(くちゅ……にゅぷ……ぬぷぷ……。)
(……はぁん……しんちゃん、わたしのスリップで興奮して……あぁん……わたしの制服で気持ちいい? ……あぁぁ……スカートでしんちゃんのオチンチンをすりすりして……。)
少女は妄想します。わたしの可愛いパンティから、上向きになったしんちゃんのオチンチンがちょろんと顔を覗かせています。
パンティの上から、オチンチンの先っぽが出て、縦に裂けた口が見えて、赤ちゃんエイリアンがパンティを布団にして寝ているみたい……。
(可愛い! )
少女が少年のぺニスを見たのは、高校1年のあの時だけです。でも、あの時のインパクトは15歳の少女にとっては強烈で、いまでも少年のぺニスの形状は少女の目に焼き付いています。それに、なんかおしっこじゃない匂いがして、思い出すと少女は今でもすごく興奮します。
(あぁぁ……わたしも、しんちゃんの匂いをかぎたい……しんちゃんのパンツが欲しいよ……あぁん……あん……あん、あん、あん、……あぁぁぁぁ……。)
少女は、少年のぺニスをフェラチオしたあの日のことを回想しながら、幼い絶頂に達しました。
(しんちゃんのことを考えるとこんなにエッチになっちゃうんだよね。その上、しんちゃんにパンツくださいっなんて言ったら、変態と思われるかなぁ。)
(……でも、しんちゃんもわたしの下着でオナニーしているんだから、……おあいこだよ。)
少女はそのまま妄想の翼をどんどん広げていきます。
(しんちゃんに、私の可愛い下着を着せて、わたしがしんちゃんのパンツとシャツを着るの。そして、しんちゃんをだっこしてあげたい。しんちゃんは女の子なんだから、わたしがしんちゃんのオチンチンを可愛いがってあげるんだ。……。)
(あ~~~、しんちゃんのパンツが欲しいよぉ、しんちゃんの匂いが嗅ぎたいよぉ。変態でも仕方ないよ、好きになるとそうなんだよ、いつも好きな人と一緒にいたいの。一緒にいられなくても、好きな人の匂いに包まれていたい。)
(あ~~~、しんちゃん、しんちゃん。……しんちゃんも、わたしの制服の匂いを嗅いで、わたしのスリップを着てオナニーしてくれているんだよね。……しんちゃん、しんちゃん、大好き。)
少女はいつもそんな妄想の果てに、気持ちよく眠りにつくのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます