第28話 身体の火照り

(これまでのあらすじ……)


愛するおばさんとの辛い別れを経た少年の前に、気になる少女が現れます。少年は中学生活の中で次第に少女への思いを募らせ、少年の告白を受けてふたりは同じ歩みを始めます。しかし、少年には少女には言えない淫らな性癖がありました。ある日、とうとう少年の悪い性癖が少女の前にさらされる時が来ました。しかし、少女の反応は少年の想定を飛び越え、少年は少女の勇気に気おくれしながらも少女の下半身に抱きつきます。しかし、興奮に我を忘れた少年はやり過ぎて少女から突き放され、少年はそこで少女にカミングアウトしました。その少年の正直な吐露に応えるかのように、少女は少年のモノに献身的に奉仕をしまし、少年は至福の内に果てたのです。しかし、少女は少年が考える以上にタフな女性であり、少女の反撃は少年を圧倒しました。しかし、その結果、ふたりは改めて熱いくちづけを交わし、より絆を深めたのでした。


**********


 少女との初めてのキス、いえ、それ以上のこともありましたが、その後、少年はより少女との仲を深めることとなりました。


 そのおかげで、少女の制服に代償行為を求めなくとも済むようにもなりました。制服姿の生身の少女を抱きしめられるようになったのですから、もう代償行為は不要です。


 少女もまた、少年の腕に抱かれて唇を重ね合わせることに、ときめきと喜びを感じていました。ふたりとも今はそれで十分に満足していたのでした。


 その後、少年は少女とふたりでいる時はよく唇を重ね合わせました。そして、少女をその腕の中に抱き締めている時間が、少年にとっても少女にとっても最高に幸せな時間となっていました。ふたりとも無言でいながらも、そこに言葉はいりませんでした。それだけで幸せを感じられたのです。


 ふたりの意識の中にそれ以上のことに関心がなかったと言えば、それは嘘になります。しかし、ふたりは逢瀬を重ねつつも、決してそれ以上のことを求めることはありませんでした。


**********


 少年は優しく少女の唇を吸います。そして、唇におのが舌先を入れて少女の唇の奥へと侵入していきます。


「んん……。」


 まず、少女の唇の裏側に舌を這わせ、少女の美しい歯に舌を泳がせます。そうして少女の口腔の入り口を堪能して更なる奥に進むと、いつもそこには少女の可愛い舌が待ち構えています。そして待ちかねたようにそこで舌を絡ませ合い、粘膜と粘膜を重ね合い、官能の甘露な液体を分泌させて、体液の交換をしています。


「んんん……。」


ふたりのキスは回を重ねる毎に濃密となり、長くなっていきます。それは、お互いがお互いを求めるボルテージの強さに比例して濃く長くなっていくようでした。


 ある時、少年の腕の中に抱かれながら少女が聞いたことがあります。


「わたしはこうしているだけで、とっても幸せなんだけど、男の子は違うんでしょ? ……なんていうか、……その、あれが溜まるんでしょ?しんちゃんは、溜まっても体は平気なの? 」


 時に女子は唐突に意外なことを聞いてきます。少年は、やや動揺をしつつ、顔色も心もち僅かな赤ら顔になっています。


「興味はあるし……それはそうだけど、とりあえず、平気だよ。今は理恵子と一緒にいられるだけでとても幸せだし。……お互いにもうちょっとだけ大人になって、少しは責任もとれるような自信がついて、お互いが自然にそうなれるといいなぁと思う。」


 抱かれた腕の中で、少女がちょっとイタズラっぽく笑顔になります。


「また……してあげようか? 」


 一瞬、きょっとん顔の少年でしたが、すぐにその意味を理解して、今度は本当に少年は真っ赤になります。


「嬉しいけど、……そうだなぁ、でも、そしたら我慢できなくなっちゃいそうで……自信ないよ。……勢いで、発情期のさかりのついた猿みたいに、理恵子としたくない。」


 もちろん、やせ我慢ではありますが、それが少年にとっての本当の気持ちであることも間違いありません。


「クラスのバスケ部のやつが、自慢して言ってたよ。彼女と毎日毎日エッチしてるって。……2~3ヶ月前にエッチしてから毎日らしい。……ほんとかどうかは知らないけど、得意そうにその時の彼女の様子や彼女の身体のことをベラベラと話していたよ。」


「そいつ、サイテー!信じらんない! ……でも、やっぱり、しんちゃんもしたい? ……男の子は羨ましいんじゃない? 」


少女は少年の本音がどうしても聞き出したいようです。


「そりゃ、したい気持ちもあるさ。大好きな理恵子とエッチしたい。……でも、あいつみたいになりたくないのも本当だよ。……理恵子とエッチしたってみんなに自慢して、犬か猿みたいに毎日毎日やって、彼女をみんなのさらし者にして……そんなふうになりたくない。女性を、オスの性慾処理だけのメスにはしたくない。」


 まだまだ恋愛に夢を見る少年の、初々しい若さに溢れた言葉でした。でも、エッチをしてしまえば、自分にまだ自信が持てない人格的な未熟さも自覚していました。エッチはしてみたいし興味津々ですが、自分がうまくやれるかの自信もありません。しかも、やったらやったで、自分もクラスメートのように猿のようにならないかの自信もありません。


 しかし、それは何も少年の同級生に限ったことではありません。少女の廻りでも似たような話しには事欠きません。むしろ、男子校に通う少年よりも、共学校に通う少女の周辺の方が、よりリアルな話題が豊富だったことでしょう。


 実際、付き合っている人がいることがバレバレの同じ中学から進学した同級生からは、理恵子も、どこまで進んでいるのかをしょっちゅう聞かれてしまいます。キスについてさえ肯定も否定もしていませんが、もしフェラチオまでしたことがばれたら大騒ぎになりそうで、いつもネンネのおぼこを演じています。


 少女も、少年と同じように興味を持っています。しかしまた、少年と同じように恐怖?……心配や恥ずかしさがありました。だからこそ、好き同士ならやればいいという単純な気持ちにはなれませんでした。


 そんな悩ましい少女にとって、少年の次の言葉は、まさに福音でした。


「ぼくが理恵子とひとつになるのにふさわしい時と場面が絶対に来ると信じている。一生、忘れられない、ふたりの最高の思い出になる時が。……出来れば、その時は、ぼくが優しく理恵子をリードしてあげられるといいなぁ。」


 もっとも、まだ高校生で、セックスへの興味とともに、未知のことへの恐怖があるのは女子も男子も同じです。特に男子は、うまくやらないといけないような、下手なら女子に嫌われやしないかという臆病さや自信のなさも関係してきます。少年はその部分にも思わず正直に吐露していたのです。


「嬉しい。」


少女は素直に少年の胸に飛び込み、力強く少年を抱きしめました。


(しんちゃん、相変わらず、根性なしのへたれだなぁ。……でも、わたしのこと、すごくすごく大事に考えてくれてるんだよね……。最高の思い出になれるよう、期待しているから。)


 たとえ臆病さの言い訳にしても、自分のことより少女の気持ちを考えてくれていることに、少女は素直に嬉しく思いました。


「ぼくは、当分、理恵子からもらったスリップでオナニーするから大丈夫。」


 起き上がった理恵子が、笑って、両手で少年の胸をたたきました。


「相変わらすの変態さんだよね。」


 少年は頭をかいてごまかしていましたが、だからその後も、少年は、おばさんや理恵子のスリップを着用してオナニーをするのをやめられませんでした。


**********


 それでも、やはり若い十代の身体はどうしても収まりがつかないものです。少年はもちろんのこと、少女もまた、時折、身体の疼きを押さえることができませんでした。


 中学時代の少女はまったく自慰などはしたこともありませんでした。しかし、少年の告白を受けて異性を意識するようになると、次第に少年のことを思う度に、だんだんと身体の火照りを感じるようになりました。


 そして、少年が自分のスリップを手にしたあの時から、少女はなぜかスリップを身につけているだけで少年の指が自分の身体を優しく撫でてくれているような、不思議な気持ちになってくるのでした。


 今も、スリップの上から身体をまさぐりながら、少女は少年の指を感じているのでした。


「あっ……あん……。しんちゃん……。」


 少女の右手のその指は、レースの生地を柔らかに美しい曲線を描いているなだらかに隆起した稜線の上を這いまわります。そして、その隆起した丘の上に、ポツンと突起したものがレースを持ち上げています。少女はそれに向かい指を巡らせ、いよいよその突起物に到達します。


「あっ……ああっ……、しんちゃん……。」


 指先は、少女の敏感すぎる突起を捉えて慎重にその敏感な表面をさすります。そして、その突起物をつまみ、ねじり、こすり、少女の幼く未熟な官能が、花の蕾が開くように、ゆっくりと開発されていきます。


 右手の指が、なだらかな丘の上を戯れ遊んでいる時、少女の下腹部の白いスリップ生地を敷物にして、手持無沙汰にしていた左手が、辛抱たまらず、いよいよ出番到来となります。


「あっ……あっ……あんっ……しんちゃん……。」


 左手は雪原のような純白のスリップ原野を滑るように走り、次いで、急勾配の谷間へと滑り落ちていきます。そこで、谷底へ落ちる途中のクレパスに降り立ちますが、そこは夏前の梅雨時のような温かさと湿潤さに溢れ、指先をしとどに濡らしていきます。


(くちゅ……にちゅ……ぴちゅ……。)


「はぁん……あっ……あっ……しんちゃん……しんちゃん……ああっ……。」


 指先はスリップの上からクレパスを這いずり回り、上下動を繰り返します。まだ若い蕾の身体は、まだ肉襞を開ききらせてはおらず、ぷっくりとした柔らかい肉が、両側からクレパスを守るかのように挟み込んでいます。


 しかし、その間から溢れる潤滑油に濡れて滑りを良くしたスリップの布地が、そのクレパスを優しくなぞり少女に歓喜のさざ波をじわじわと伝えていくのです。


(ぬちゅ……にゅぷ……にちゅ……。)


「あぁ……しんちゃん……しんちゃん……はぁぁぁ……。」


 少女はいつも、愛する少年からの愛撫を思いだし、愛する少年の隆々たるに男の印を思いだし、自らの興奮を高めて、自らを慰めているのです。少女は、時に我慢できず、パジャマに着替えるのも忘れて、スリップ姿のまま、恥ずかしさと幸福感の中で、心地よい眠りにつくのでした。


(しんちゃん、おやすみなさい。……あんまり、オナニーしすぎないでね。やり過ぎは身体にあんまり良くないよ。キャッハッ!)


 少女は自分の言った言葉で自分が恥ずかしくなり、思わず布団を引き上げて顔を隠したのでした。


**********


「はっ……はっ……はっ……。」


 純白のスリップを着た少年が、おのが印を右手で握り、上下にしごいています。左手はスリップを通してお腹や胸をさすり、スリップの感触を楽しんでいます。


(しゅっ……しゅっ……しゅっ……。)


「はっ……はっ……あぁ……りえこ……。」


 少年は仮性包茎の包皮も使って、皮を亀頭に滑らせ、親指で裏筋の尿道を強弱を付けて刺激を加えます。少年は頬を真っ赤に染めて、唇を少し開きつつ、吐息を漏らしていきます。


(しゅっ……しゅっ……しゅっ……。)


「はっ……はっ……りえこ……りえこ……。」


 少年は、中学時代の理恵子の制服姿、体操着姿、スクール水着姿、高校生になってからの通学での制服姿、休日のデートでの私服姿、可愛いワンピースやスカートで駆け回る姿を思い出し、おのれのモノを握りしめます。


(……しゅっ……しゅっ……しゅっ……。)


「はっ……はっ……あぁ……りえこ……。」


 もはや逝ってしまいそうなところまでいくと、少年は目をつむり、少女のスリップ姿や少女の秘所に愛撫をしたことを思い出しながら、最後はひとりで果てるのでした。


 でも、少年はそんなことでも、ひとり遊びの果ての淋しい気持ちになるどころか、非常に幸福な気持ちになって眠りにつくことができるのでした。


(おやすみ、大好きな理恵子。……誰よりも可愛い、僕だけの天使。)

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