第21話 少年の妄執(改)
(これまでのあらすじ……)
愛し合う者同士が結ばれない不条理を噛み締めながら、少年は愛するおばさんとの思い出を胸に、大人の階段へ一歩を踏み出します。その少年の前にふとしたきっかけから気になってしまった女子生徒が現れます。そのきっかけはやはりスリップでした。やがて、少年は誰もいない教室で、少女のバッグを開けて覗くという行為に走ります。初めて触れた制服のプリーツスカート、そして、同級生のスリップ。少年はその女子生徒への関心の高まりを押さえられなくなりつつありました。そんな時、少年は思いがけぬ体調不良に見舞われ、放課後の教室で倒れてしまいました。唯一その場にいたその少女が見事な機転で少年の介抱に走ります。その姿に少年はいよいよ少女への思いを募らせていき、少女を自宅まで送り届ける道々の中で、その少年の思いは確信へと変わっていくのでした。そして、少年は中学卒業を機に、少女へ思いを伝え、少女はそれを受け入れてくれました。少年の目の前には少女とふたりのバラ色の高校生活が広がっていたのでした。
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「しんちゃん、どうぞ~。」
ガチャッとマンションの部屋のドアの鍵を開けて、少女が少年を家の中に案内します。
♂「お邪魔しま~す!」
♀「ただいま~!」
少年と少女は同時に別々の言葉を発しました。すぐに顔を見合わせた二人は「プププッ! 」と一緒に吹き出してしまいました。何をやっても楽しくて笑い転げる付き合い初めの十代の若者です。
その日も二人はいつものように、学校のことやアニメのこと、ファッションやゲームのこと、近所にオープンしたお店のことなど、とりとめもない話に花を咲かせていました。
中学時代や高校の通学時間だけでなく、こうやってプライベートな時間に話をしてみて、こんなにも趣味や考え方、感じ方が合うことに、お互いに改めて驚きました。
「じゃあ、ちょっと待っててね。……いい、あとで『降参! 』って言っても知らないから。」
「えぇ? 何かなぁ? ……理恵子の出してくれるものに文句なんて言ったことないよ。」
「ふふふっ……、今日は特別、しんちゃんがぐうの音も出ないのを用意したんだから。」
そう言うと、少女は少年をひとり部屋に残し、キッチンへ行き、お茶の用意をするようです。どうやら、新しい良さげなお菓子を手に入れたので少年を驚かせてやろうという魂胆のようです。
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……しかし、どんなに話が合う仲になっても、少年には少女に言えない秘密がありました。それは我慢しても我慢しきれない少年の性癖でした。少女がお茶やお菓子を用意しに行ったり、トイレで席を外したりした時、少年はいつもついやってしまうことがありました。
ひとつは少女の制服です。
少年は、壁にかけてある少女の制服をつい抱き締めてしまいます。最初はブレザーやベストの中にかけてあるプリーツスカートに触れることから始まりました。少年は中学3年のあの時から、制服スカートに対する不思議な思い入れの深さを自覚するようになりました。
制服スカートのプリーツにさわり、1枚1枚のひだを指でなぞっていたのです。そして、少女の制服に顔を近付け、制服に染み付いた少女の香りをじっくり堪能している内に、いつの間にか制服を抱き締めていました。
制服という布地が好きなわけではありませんし、そこまで変態的な自覚はありません。本当は大好きな少女を強く抱きしめたいのに、そこまではまだ憚られる自分の臆病さが、制服を抱きしめる代償行為となって表れたものかもしれません。
(あ~! 理恵子~! 理恵子~! 理恵子~! )
ただただひたすらに少女の名前を胸の中で何度も繰り返し連呼しながら、少女のかぐわしい甘い香りを味わうのでした。
……この日も、少女が新しく手に入れたお菓子を用意している間、ついつい少女の制服を抱きしめてしまいました。
そして、もうひとつは、少女の下着が入った整理タンスでした。
さすがに少女の下着を手にすることは出来ませんが、少しだけ引き出しを開けて少女のパンティやブラジャー、スリップを見ていたこともありました。
それを手にすることはできないまでも、少年はそれをおのが目に焼き付けるかのように、少女の下着を見つめているのでした。
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「しんちゃん、おまたせ~。さっき言ったの、このチョコレートブラウニーなんだよ。まずは食べてみて。」
トレーにコーヒーポットとコーヒーカップ、そして、お菓子を乗せて、少女が部屋に入ってきました。少年はベッドに背もたれてクッションに座った状態で、少女を見上げてニッコリ微笑みました。
それは5センチ四方程度に四角く、厚さ5、6ミリくらいに平べったいプレートの、チョコレート色をしたお菓子でした。
包みを開けてお皿に乗せただけで、カカオ風味がふんわりと鼻まで届いてきます。それだけでも、なかなかの出来の焼き菓子だというのがよく分かります。
「いいの? ガトーショコラにはちょっとうるさいから。チョコブラでも容赦しないよ。」
テーブルにトレーを置くと、テーブルを挟んで少女は少年の前に座りました。。
「だから食わせてあげるんだよ。よしよし、好きなだけ偉そうにウンチクって言ってみ。聞いてやるよ~。」
まだ、自分から隣に寄り添うようには座れない照れがあるのだろうか、仲良しではあるものの、まだ友達以上、恋人未満の中途半端な状態の二人でした。
「とっても素敵なおばさんがやってるケーキ屋さんを見つけたんだ。チョコレート菓子好きなしんちゃんに、絶対に食べさせたくて買ってきたの。……その名も『ポイズン』、病みつきになるくらい中毒性があるってことだよ。きっとしんちゃんもこれのトリコなっちゃうかもね~。」
いたずらっぽい目をして、少女は笑いながら少年を指差します。
「よぉし、もしぼくがトリコになったら、そのお店に連れてってよ。一緒に行きたいな。」
そう言いながら、少年は少女の笑顔に、笑顔で見つめ返します。
(……もうぼくはずっと前から、きみのポイズンのトリコになっているんだけどなぁ。)
少年は苦笑しながら少女を眩しそうに見ていました。
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少年は真剣な眼差しをしています。そして、意を決して少女に向かい語りかけました。
「理恵子のすべてが大好きだよ。誰よりも。いつまでも。」
そう言うと、少年は濃紺の制服姿の理恵子に正面から抱きつきます。背中に手を回して、理恵子のブレザーの背中を両手で上下にさすりました。そして、ブレザーの襟ぐりに顔を埋めて柔らかな理恵子の胸の膨らみを感じています。
「今から、理恵子の制服のブレザーのボタンを外してあげるからね。」
そういって前に縦1列に並んだ3つのボタンをひとつひとつゆっくりと外します。理恵子は少年のされるがままに聖母のごとく優しい微笑みをたたえています。少年は、ボタンを外したブレザーの前身頃を両手で開き、少女の背後へ送り置き、少女の両腕から脱ぎ去らせ、床に落としました。
少年は、少女の胸に顔を埋めたまま、再び少女の背中に両腕を這わせます。
「ベストの上からも理恵子のブラジャーのラインがよく分かるよ。今日は1列の二段ホックかな。僕の好きなレース飾りのおしとやかなブラジャーだろ。」
制服の濃紺ベストの上から感じるブラジャーのバックラインを指でなぞりながら、少年が実況中継よろしく細かに経過を話します。一方の少女は微笑みながら何も答えません。
「中学の制服も同じ被りベストだったね。ぼくは中学の時からずっとこうしたかったんだ。地味な制服だと言うけど、華美でカラフルな制服よりも、清楚で清純な理恵子に最高にぴったりの制服だよ。」
ベストの胸の膨らみに顔を埋め、左腕で少女の背中を抱きつつ、少年の右手が少女のベストの左脇下側に移動します。そして、ベストのファスナーをつまむと、ジジジジッと上に引き上げました。ファスナーが開いて隙間ができたベストの中に、少年の両腕が潜り込んでいきます。
「このベストの中に潜り込みたいとずっと思っていたんだよ。この無地の単純なベストが理恵子の身体を被うだけで、このベストはどんなブランド物よりも、ぼくには最高の逸品なんだ。」
そして、真っ白く柔らかなブラウス生地の上から少年の手のひらが少女のブラジャーとスリップの感触を楽しみ躍り回ります。ブラウスの柔らかい生地からはスリップのレース柄の微妙な感触までをも、しっかりと少年の手のひらに伝えて、少年はより興奮をましていきました。
「どうして女子のブラウスはこんなに柔らかくて気持ちいいんだろうね。ぼくらのワイシャツとは全然違う。中学校の時の丸襟ブラウスも可愛いけど、高校生になって角のあるソフト襟も可愛いね。あ~、理恵子の胸の膨らみが柔らかくて気持ちいい~! 」
少年は、少女の背中を抱きしめ触りつつ、顔を次第に下へとゆっくりと沈めていきました。そして、ファスナーが解放されたベストの中に顔を潜り込ませて、めくり上げたベストの下の柔らかいブラウス生地の上から、少女の形の整った柔らかいバストにじっくりと顔を埋めました。
「理恵子の胸、なんて柔らかくて気持ちいいんだ。いつまでも、いつまでも、ずっと顔を埋めていたい。」
少年の顔が、より下にずれてスカートのウエスト部分に来た時、少年の両腕も少女のプリーツスカートの上から少女のお尻をまさぐるように触っていました。
プリーツのひだの感触を鼻先に、頬に、唇に、顔全体に感じ、そして両の手のひらには少女の柔らかなお尻の肉感とともにプリーツのひだの感触を楽しんでいました。
「理恵子のスカート、とても可愛い。どんなカラフルなチェックのミニスカートよりも、理恵子の濃紺のプリーツスカートが最高に綺麗で可愛い。」
そう言いながら、少年は少しずつスカートをたくしあげていきます。
「ほら、こんなに美しいスリップを重ね合わせているなんて、なんて素敵なんだ。濃紺の制服プリーツスカートからめくれて見える純白のスリップ、この白と紺のコントラストほど最高のマッチングはないよ。それにスリップの裾のレース飾りが理恵子の清純さをより見事に演出してくれているんだ。理恵子、最高に美しいよ、可愛いよ。」
なぜか、不思議とくどいほどの少年の説明口調に対して、少女は変わらぬ微笑をたたえて少年を見つめています。しかも、無言のままで。
すると今度は、少年の右手が、少女のプリーツスカートのウエスト左側部分に掛かります。少年の右手はスカートのホックを捕らえ、指先で巧みにずらしてホックを外し、そのままスカートのファスナーをジジーッと下げて行きました。
そして、ファスナーを開けきらぬ内に、自由になったプリーツスカートは、美しい円形を描きながらふわりと床へと落ちていきました。
後には、上半身はブラウス・ベスト姿で、下半身はスリップという、非常に清楚で、なまめかしい姿の少女が立っていました。ベストの裾からブラウスが出ている様子もとても官能的で可愛い姿です。
「理恵子、とっても綺麗だ。可愛いよ。」
少年は純白のスリップに包まれた理恵子の下半身に抱きつき、スリップ越しに少女の下半身に頬ずりしました。しゅるしゅるしたスリップは、それに頬ずりしているだけで官能的な触感が心地よく、美しく描かれたドレープもなまめかしく、いやらしい気品をたたえていました。
「理恵子のスリップ、とても美しい。ツルツルして、しゅるしゅるして、ずっといつまでもこうしていたい。」
少年は少しづつスリップをずりあげ、現れ出た少女の太股に、まるで甘える子猫のように鼻先をすりつけています。
スリップは少しづつ少しづつたくしあげられ、少女のプルンプルンした太股も徐々に根元に近づいていきます。そのスリップの裾レースに追随するかのように、少年の顔もいよいよ少女の秘密の花園へと近づいていくのです。
そして、スリップが完全にたくしあげられると、その裾レースの下から、いよいよ少女の純白の三角デルタが現れてきました。少年がタンスの引き出しでその目に焼き付けていた少女のパンティがそこには見えました。
それは、純白ながらサテンではなく、スリップと同じく伸縮性のあるトリコット生地で、フロントにちょっと控えめに色味がついたリボンレース飾りのあるパンティでした。少女らしいプリント物の綿パンやポリパンが半分以上ある理恵子のパンティの中で、ちょっと大人っぽいテイストのパンティで、少年が好きなパンティのひとつです。
「あぁぁぁ、理恵子、大好きだ、我慢できないくらい大好きだ。」
少年はゆっくりとパンティに顔を近付けます。理恵子の可愛いパンティが、どんどん少年の目の前に近づき、その視野いっぱいに広がっていきます。
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「あ! ああっ! い、いく! いく! 理恵子! 理恵子! りえこ~~~! 」
白いスリップを身に付けた少年が、広げた両足の中から、ドピュッ! ドピュッ! と白い粘性のある液体を勢い良く飛ばしていきました。その液体は、少年の両足の爪先よりも先まで飛んでいったのでした。
少女のような姿をした女装少年は、爪先をピクピクと痙攣させつつ、絶頂の余韻に浸っていました。
「はぁ、はぁ、はぁ、……んん……はぁ、はぁ。」
息づかいも荒く、少年のいつもの行為が終わりました。前におばさんの洗濯物からついつい持ち帰ってきてしまったおばさんのスリップを身にまとった女装少年が、しばらく、陶然として固まっていました。
(……ごめん、理恵子……でも、理恵子のことを思うと、どうしようもなく我慢できなくて。……こんないやらしいぼくで、ごめん。)
少年は自宅に帰ると、理恵子の笑顔と、制服や下着の柄を思い出しては、どうしょうもなくオナニーにふけってしまうのです。しかも、かつて手にいれた大好きだったおばさんのスリップを身につけた下着女装をして、ひとり密かに手淫にふけるのでした。
でも、まだパンティから先へは妄想が出来ません。なんとなく分かるような気がするのですが、少年の妄想はいつもそこで途切れてしまうのでした。
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