10月28日

 最近、本街ほんとうの南東にある奈江なえという町に行った。

 ここは本街ほんとうでは最も広々とした唯一の処であるが、その半分はオフィスビルに満ちた。その他は道路や公園など、都市としてあるべきもので補足した。


 すべては人工的で、自然すらない町けど、私はここに在る古いオフィスビスが好き。まあ、正確に言うと、この古いオフィスビルの中に在る昇降機エレベーターが好き。

 今の若者は古臭いと思うが、私にとって、あのような古臭い昇降機こそ醍醐だいご味を味わえる。薄暗い昇降機の中、昇降とともに点滅するせた金魚だいだい色、その中に角型のもあり、丸型のもあり。でも、一番流行ったのは丸型であろう。

 でもそれより、ボタンを押すと、現今では珍しき応えを感じ得ることだ。言い辛いだが、強いて言えば機械を操縦していることを実感できる。そもそも、ボタンをタッチで操作しているボタンはボタンに言えるのか。

 その他、これらのオフィスビルに入ると、しばらくこのしまのきいろいから逃すことができる。でも、会社の町である奈江には、きいろいな夜の中で来ることも少ない。


 *日記のようなものですが、私事で遅れて本当に申し訳ございません。


 

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きいろの島 中山友尋 @ZungSaan

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