第2話

× ×



……ん? あー、確か同じ中学の……、……悪ぃ、名前、なんだっけ?

あー、そうそう、そんな名前だった。久しぶり。

「あれから、どう?」って聞かれてもなあ……、いつぶりだったっけ?


……げ。……あー、そっか、あのこと話したのって、お前だったか。

……別に、何も変わんないよ。

……だから、いまも見えてるんだってば。


正直、今日だって、お前に会うまでは忘れてたんだ。

それなのにお前、後ろから肩、叩きやがって……。

お陰でまた、見ちゃったじゃないか。


さっきも言っただろ、「いまも見えてる」って。

ずっと、いつ見てもいるから、流石におかしいと思って……、見ないようにしてるんだよ。

確かに、振り返ればいるけど、振り返らなければ見えないんだから。

見えなければ、いないのと一緒だろ。


うるせえなあ。俺がアレを見ようと見まいと、お前には関係ないだろ。

っていうか、まっとうなヤツだったら、アレは見ない方が良いとかって言うところだぜ。

母さんなんて、病院連れてこうとまでしたからな。断るの、大変だったんだ。


……なんでいるか、なんて、知らねえよ。

心当たりだって、別に……、……ないし。

……なあ、もう行ってもいいか? 受験も近いから、追い込みかけてんだよ。


「ちゃんと考えた方が良い」って言われても……、何をだよ?

おいっ! ……ったく、なんなんだよ。

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