碁和 ☆初めてのクエスト☆

気をとりなおしてジェネラルアンデッドを収納して掲示板に向かう。


その際に周りにいた冒険者は私に道を譲るかのごとく避けていく。

私の気分は海を割って道を作り出すモーセである。


高校の黒板よりも大きい掲示板にはビッシリと依頼が貼り付けられており、本当に冒険者の数は多いのか疑問に思う。


そんなビッシリ貼り付けられている依頼だがしっかりと難易度分けされて貼られている。


左端がGで右端がSSSだ。

SSS級冒険者は滅多にいないのにここまで依頼が多い必要はあるのか。

ゲームバランスおかしいねぇ。


私は取り敢えずGランクの薬草採取と解毒花の採取の依頼を手に取った。

受付嬢に持って行って許可を貰ってクエスト開始。

その時の受付嬢の視線に狂信めいたものを一瞬感じたが、気のせいであってほしい。

ちなみに受付嬢さんは茶髪のロングツインテールでアメジスト色の瞳を持つ童顔のぱっと見学生だ。

それなのに暴力的なお山が付いているのが非常に良い。


ツインテールロリ巨◯に狂信されるってなんか...良いっすねぇ。


場所は変わって街の外、少し歩いたところに薬草と解毒花を見つけた。


5本づつ収納して街に戻る。


外門に近いからかモンスターに出会うことはなかった。


このまま戻ると流石に早すぎる気がするので街を散策して見ることにした。


一般的な店が立ち並ぶ三番地でケバブの様なモノが売られている。


私は生まれてこのかたケバブを食したことがない。なので食べてみよう。

店主の厳ついおじさんに一つ注文する。


「おじさん、その肉一人分下さい」


「あいよ、鉄貨5枚ね」


私は手の中で鉄貨5枚を生成して店主に渡す。

店主のおじさんは見た目は厳ついが声色は優しく、人情味のある人だった。


番地には必ず噴水広場が設けられておりそこに腰掛けて肉を頂く。


「はむっ...ふむ...」


まぁ、あんまり美味しくは無いわな。

香辛料は使われて無いし塩も掛かっていない。更に肉汁も無いときたら、ただパサついた肉もどきと行ったところだろう。


あのおじさんには悪いが正直言って不味い。


とはいえ残す事はせず、全て食す。

なんせ買ったのは私自身だ。

味が気に入らないから捨てるなんて事をして許されるのは幼児くらいだ。


ほぼ大人の私が買った料理を粗末にするなど言語道断、食べきるのが責務という事だ。


腹はある程度膨れたがもう一押し何か欲しいな。


正午から少し時間の経った広場は人があまりおらず、屋台も殆ど休憩中で人目がない。


ということで、アイス自販機のキャラメルリボン味を生成して口に運ぶ。


ひんやりとしていて、甘ったるいキャラメルに味わいが口一杯に広がって思わず表情が綻んだ。


「んふふふ♪おいひー☆」


私自身、キャラメルアイスは久々であったためその分美味しさが倍増して感じられたのだろう。


こういった事で大量の幸福を感じることが出来る私は本当に安い人間だなと再認識した。


安い人間だからこそ嗜好品も高くつかないから経済的に楽というのはあるだろう。


どこかで見たタピオカミルクティーの値段(680円)の4分の1程だ。

嗜好品にして実にいい値段だ。


奮発しようにもコレを買ってしまうことがある私は非常に金が溜まりやすかったな。


無償で嗜好品を作り出せるこの状態を過去の自分に伝えたら血涙を流して羨むだろうな、ふふふ。


いい感じに時間を潰せた私は一番地の冒険者ギルドに戻るのであった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る