スーベニア

 私は博物館や美術館、遠い場所に行ったとき、必ずお土産を買う。


 そのお土産のほとんどは、友達やお世話になっている知り合いに送るためのもの。自分のために買うことは稀だ。


 送る目的は、いつもお世話になっている友達や知り合いへの感謝の気持ちだ。


 そして買うお土産は、「お菓子」と決めている。


 理由は、友達や知り合いのほとんどが実家暮らしで、2、3世帯が同居している家に暮らしている。そのため、友達の家族や知り合いと話したり、友達の家族のお世話になったりことがあるからだ。このようなことから、友達も含め、みんなが楽しめるお土産が何なのか? と考えたとき、「お菓子」という結論に行き着いたのだ。


 そのためか、お土産を手渡ししたとき、置物や小物よりもお菓子の方が喜ばれることが多い。


 これを聞いて、「計算高い」、「媚びを売っている」と感じる人もいるかもしれないが、私のお土産チョイスに、そのような深い意図はない。どう受け取るかは、このエッセイを読んだ読者とリアルで会ったことがある人次第だが。


 逆に、私の友達はどういうことか、渡すものはキーホルダーやストラップといった小物類が多い。ここでは言えない私の事情を察してのことなのか? それとも単純に好みの問題なのか? 今度ゆっくり聞いてみよう。


 大切な人にお土産をあげるときの気分は、悪いものではない。もらう方もそうだが。


 郵便や宅急便で送るのもいいが、直接相手に会ってお土産を渡す方が、お金もかからないうえ、相手の反応や喜ぶ顔を間近で見ることができていい。相手との物理的距離が遠いときは、善意や真心といった感情が倍になって伝わってくるからだ。


 今の時世では、遠距離で暮らす家族や友達と直で会ってお土産を渡すのは難しい。だからこそ、自分の近くにいる大切な人たちに、心を込めたギフトを渡してみるのはどうだろうか?

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