元カノだけで作るハーレムですと!?
貝
第901話 読み切り①
「あのさ、今更ではあるけど、何が悲しくてアタシがあんたなんかと一緒にこんな世界にいなきゃいけないわけ?」
「それはこっちの台詞だっつーの。 この上ないほどに素晴らしくあるべき朝という時間に元カノのお前の残念な顔なんか見て俺がいつもどんな思いしてるか知ってっか?」
「は? アンタに言われるほどアタシの顔は酷くないわよ。 それに、そんなんアタシ悪くないでしょ。 金がないからって宿を一部屋しかとらなかったのは何所の誰でしたかねェ?」
「じゃあお前が野宿すればよかったじゃん。 元々こんな人だったよな、人を振り回すのに長けてるというか」
「アンタが言うな」
「でも、それ以外は見る影もないよな。 あんなに地味で根暗で、暗い暗いクラスの端っこの日陰が掴んで離さなかったあの頃とは全く」
「ぐっ。 あの頃の私を引き合いに出すのはずるいでしょ」
「一人称が『私』になってる」
「!? い、今のなし!! アンタ、今度昔の話したら一生口きいてあげないからね!!」
「流石中学時代のあだ名が『コケ植物』だっただけのことはあるな、そのほうがいつもよりもよっぽど様になるぞ」
「えっ、そんなこと言われてたの私……? ああ、結局アンタもアイツ等もどうしようもない奴らばっかりじゃない! もう知らない!」
「俺についてはともかく、奴らについては同意するわ。 大好きだった彼女に対する仕打ち、忘れないぞ」
「なんかすごいオーラを感じるんだけど…… そんなにコケ植物が好きだったの?」
「いや、好きなんてもんじゃないよ、もはや崇拝のレベルだよ」
「それは流石に怖すぎるって…… アンタよくそんな調子でこんなに彼女をつくれたもんね?」
「そうですよね、でもこの人は女を落とすことだけはできるのに、その落とした女の扱いが雑だから数だけ増えていくんですよ」
「あ~、納得だわ。 どうせ半年ももった
「うわーん、二人そろって俺を苛めるー!!」
「嘘泣きさえもやる気なし。 弁解の余地なしね」
「この人には一度野宿体験をさせてみては如何でしょうか? 依頼状に丁度いい超高難易度の森がありましたよ」
「いいじゃんそれ、ケッテー。 じゃ、今日は二人で女子会といこうか~?」
「えっちょっまっ」
「それでは、早速持っていきましょうか☆」
「やめてええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
元カノだけで作るハーレムですと!? 貝 @Hakoniwa_19
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