第3話 2018年11月2日(金) 第683回放送分オープニングより

 「なんか、偶にですけど、インタビューで家族についてとか、両親について語ってくださいみたいな事があるんですけど、俺にね、橋の下で拾われた俺にそんな事聴くのは酷じゃないですか?言ってから気が付いたけど今時橋の下って。せめてコインロッカーにしろよ。もっと古いよ!コインロッカベイビーズですよ。読んだことないけど…こうやって作家さんのファンまで敵に回すスタイル良くないよねホント。十三年もやってるんだからもう少し自重を覚えた方がいいよね。話がそれましたけど、本当に両親と十数年会ってないので、話す事がないんですよ。子供の頃の思い出なら話してもいいけど、多分兄貴がファミコンやってる時にミニ四駆ぶつけてフリーズさせたせいで大げんかになったあげく、マジギレした親父に二人ともボコボコにされて、その仕返しに寝てる親父の鼻の穴にウェットティッシュ置いたら結果夜中に母親が泣きだすほどの大騒ぎになった、みたいなホンワカ家族エピソードって、多分求めて無いと思うんだよね向こうも」


(2020年11月7日7時00分更新分スポーツ新聞サイトより抜粋)

 ・ラジオの人気DJ実は身元不詳?フールス古谷の怪死から飛び出たトンデモ情報

 深夜のラジオDJとして若者に人気だったミュージシャン、フールス古谷(享年39歳)の突然の訃報から二週間。いまだに事件の詳細は明らかになっておらず、関係者だけでなく芸能界や一般のファンたちも混乱している。自宅からは身元を証明するような免許証や保険証は全く無く、さらには過去を証明するようなアルバムなども存在しないという。こうなると事務所に提出していた自身の身元は全て嘘なのでは、というとんでもない可能性まで出てきたのだ。

 この状況に困惑しているのは当然ながら十数年所属していた事務所で、関係者いわく「ただでさえ突然彼が亡くなってショックだったのに、この上わけのわからない事が次々に出てきて本当に戸惑っています。その上あんなに仲良くしていたという奥さんまで実はいなかったみたいな話まで出てきて…」

 前述の通り結婚していたはずの古谷の妻は現時点にいたるまで全く姿を見せず、また古谷の家からも家族や親戚を連絡先も出てこないため遺族と連絡が取りようがないという。

 「早く彼を送る会なども検討したいのですが、いかんせんやらなければならない事が多すぎます。もし古谷の家族や同級生だという人がいるならこちらに一報いただきたいです」(前述の関係者)

 あまりの謎の多さに、関係者は憔悴を隠しきれないようだった。

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