閑話 人物紹介③



 マーシュ


 名前の由来:マッシュルーム

 飲んだくれてジメジメしているところから、キノコっぽい名前を。


 C級冒険者パーティのリーダーとして将来を期待されていたが、実際にはライナーが行う狂気の戦法で、格上の敵を倒していた。


 追放話については彼の思惑と全く違う方向に転がってしまったので、戸惑うばかりだったのだが。

 意地っ張りな性格をしているため、「ライナーが頭を下げるなら復帰させてやってもいい」というスタンスを貫き、結果としてチャンスを逃した男。


 クビになった時点でライナーに戻る気は無かったので、元々ノーチャンスではあったのだが。


 とにかく、文句を言ってやろうとライナーの領地に来たのが運の尽き。

 某ドラゴンスレイヤーに捕獲されて、強制矯正プログラムを受けるハメになった。


 ちなみに身長は184センチで、結構大柄。

 筋力はあるが持久力が極端に低い体質という、パワー特化型だったりする。


 顔はそこまで悪くないはずだが、性格がアレなのか彼女はいない。

 そんな彼がどうなるのか。それが分かるのはまだ先の話。






 テッド


 名前の由来:某スピーチプログラムから。


 ライナーが元いたパーティで副リーダーをしている。

 小型の盾と片手剣を持ち、防御重視のバランス型冒険者。


 会話がスローペースで、ライナーからすればテンポが合わない人間なのだが。

 普通に話す分には温和で優しい口調のため、説得や交渉が得意だったりする。


 ライナーが抜けたことの損失に気づいてからは、彼を呼び戻そうと尽力した。

 ――が、結果は全て空振り。いいだけ振り回されて終わった。


 マーシュ、マリス、ライナーとは幼馴染の関係で、過去にもひと悶着あったらしい。

 第三話にてマーシュと共に独り身であることが暴露されたが、現在も独り身。


 堅実で慎重な性格のため、本来なら失敗しにくいはずなのだが。

 RPG風に言えば幸運の値が低そうな男。






 シトリー


 名前の由来:シトラス(柑橘系)から。

 さっぱりした性格にしたいと思っていたら、いつの間にかおバカな子に。


 頭が悪く、その場のノリだけで生きている女性。

 深く考えない彼女だが、嫁取り大会の時には流石に保身を考えた。


 貴族から「俺のことを追放したよな?」などと言われてしまえば逆らえないので、泣く泣く見世物になったのだが。


 ライナーの妻を決めるコンテストに出場して、最初から最終決戦まで得点は一位。しかも最後には、冒険者の自分に有利な課題が来たところを見て。


「ははーん、ライナー。実は私に惚れてたんだ。かーっ、どうしよっかなー」


 などと、お付き合いを検討できるかどうか考えていた。

 まあ結果はアレなのだが。


 普段はだらけているが逃げ足は速く、ノーウェルとの追いかけっこでは作中で一番長く逃げた人物でもある。


 まあ結局捕まったのだが。






 ジャネット


 名前の由来:宝石のガーネット

 石言葉は情熱。沸点低めな熱い性格から。


 後衛職の魔法使いなのに、誰よりも喧嘩っ早い女性。

 得意な魔法はもちろん火属性。


 頭は回る方で、嫁取り大会の時には。シトリーへの来客を確認した瞬間にテッドを連れて宿から離脱するという機転を利かせた。


 魔法使いとしての実力は中の下。ただし実戦経験に乏しく、大技を使う経験もロクに無かったので、伸びしろはたっぷりと残っている。


 発動が遅い分威力が高い魔法が撃てるのだが。マーシュとテッドでは前衛を支えれないので、宝の持ち腐れ状態。

 重装備のララ辺りと組ませれば、固定砲台として機能するかもしれない。


 現在は他のメンバーと共にノーウェルからの特訓を受けているが。魔法使いの彼女も、もちろん同じ訓練メニュー。

 その流れで、実はマーシュよりも体力があったと気づくのだが。それはそれ。





 パーシヴァル


 名前の由来:女神(パールヴァティ)

 堕ちたマーシュたちに付き合える女神という意味で。


 元々はフリーの斥候をやっていたが、ライナーの代わりに加入した少女。


 色々なパーティを渡り歩いてきたので、知識が豊富。

 最年少ながら、一番まともな戦い方を知っている。


 偵察や簡単な罠を仕掛けることができ、《猟師》や《狩人》にも熟練しているため弓もそこそこ使える。非常にオーソドックスな斥候。


 ダメ男にハマるタイプなのか、パーティメンバー。主にマーシュを放っておけないと、どんどん泥沼に陥っている。


 母性に溢れているため、多分冒険者よりは保母さんの方が向いている人物。






 アーヴィン


 名前の由来:某紳士の国の地名から。


 リリーア、ルーシェの同級生で、貴族の子弟も通う名門校をトップの成績で卒業している。

 在学中は平民であり、英才教育を受けた貴族の子弟よりも高い成績を取り続けたことで、嫌がらせを受けることが多かった。


 卒業して官僚になった後も、貴族社会の闇を見てきたばかりか。配属された部署の上司と反りが合わなかったことから、追い出し部屋に送られていた不遇の人物。


 そんな話をリリーアが聞きつけて、ライナーの代官としてスカウトしたのだが。

 実務能力と処理能力が誰よりも高かったため、彼の滅茶苦茶な政策を全て実現させていくことになる。


 ララの救出作戦の際にも各種の作戦を具体化させて、冒険者を指揮する蒼い薔薇のメンバーをまとめるという、参謀のような位置にいた。


 仕事ができるスマートな男性ということでセリアはぞっこんらしいが。どうなるかは今後次第。






 マリス


 名前の由来:アマリリスの花


 ライナーの幼馴染。

 貞淑そうで、外見は美少女。ただし中身はじゃじゃ馬の跳ねっ返り娘であり、彼氏いない歴=年齢を更新し続けている。


 クレイジーなライナーとまともに付き合える数少ない友達で、ライナーが最速狂になった過程を見てきた人物でもある。


 鍛冶師の両親を持ち、自身も鍛冶仕事を目指して修行をしていた。


 ライナーが領地に向かう際には自分が打った初めての懐刀を渡したが、それは今でも使われている。

 王族になってからは料理人を雇ったのだが。たまに彼女の作品を使い、自分で料理をしている国王の姿が見られるとか。


 ライナーが準男爵になっただけでも驚きなのに。国を作って王族になったというのだから、それは驚いた。


 次章ではとある理由で故郷を離れることになり、家族と共に公国に移り住むことを決める。






 ご隠居


 名前の由来:某ご隠居

 ご隠居はご隠居。全国行脚して悪代官を裁きそうな、例のご隠居がモチーフ。


 ライナーの家の隣に住んでいた。親がいないライナーの父代わりとも言える人物。


 かつてはB級冒険者としてブイブイ言わせていたが、ドラゴン撃退依頼を受けたのが運の尽き。命乞いとして、三日三晩裸踊りをするハメになった。


 芸に満足したドラゴンが立ち去ったのでドラゴンスレイヤーとなったが、トラウマを抱えたのか、冒険者はそこで半ば引退。

 数年後には結婚して、子どもをもうけた。


 以降は街の近くで細々と依頼をこなしたり、山菜採りなどをして悠々自適の生活をしている楽隠居。


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