閑話 人物紹介②



 レパード


 名前の由来:動物のひょう、ついでに爬虫類(レプタイルズ)から。


 物真似師というか、主にテイマーとしてライナーの師匠になった。

 名前が誤表記されまくりパレード師匠だのレナード師匠だのと呼ばれた悲しい男。


 各地を旅する芸人として生計を立てていたが、たまたま自分のオリジナルスキルをライナーに目撃されたのが運の尽き。


 義理と好奇心から蒼い薔薇と行動を共にした結果は本編の通り。


 ドラゴンに攫われて夫になったり、極寒の地で半年過ごして病気になったり、破天荒な道を歩むことになってしまった。


 とは言え今は警察署長兼、領地の重役のような立場に収まったし。(人化すれば)美人な嫁と子宝に恵まれたので、意外と幸運だったのかもしれない。






 青龍


 彼女はドラゴンである。名前はまだない。

 青龍という名前そのものに由来があるものの、それはまだ秘密。


 同族の間で名乗りは不要だし、異種族は出会った端から食ってきた(物理)なので名前を持たないことに不便を感じたことがなかった。


 数百年の時を生きているが、異種、同種を含めて口説かれた経験はなく、実は恋愛に強い憧れを持つ乙女だった。

 レパードに対しては最初からデレ気味だったが、今ではデレデレ。


 変化の術は容姿もサイズも思いのままに変更できるので、やるかどうかは別として更に大きくなることも可能。


 ドラゴンだけあってその戦闘能力は別格。

 人間の軍隊など何万人いようと蹴散らせるくらいの力がある。


 マッハ3(時速3600キロ)ほどで飛んできたマンションが、鉄を溶かすナパーム弾をバラ撒いて行くような姿を想像してもらえば、対峙した人間の絶望感がよく分かると思う。







 ノーウェル


 名前の由来:そのまんまノーウェル写本。

 (ドラゴン退治の勇者、ベーオウルフの話が載っている本)


 元A級の凄腕冒険者で、六十三歳にして未だ敗北を知らない男。

 冒険者百万人に一人と言われる本物のドラゴンスレイヤーでもある。


 武術の達人であり自警団の長。

 歳を食った今でも青龍と互角に戦える実力者だが、前述した青龍の戦闘力と互角という点を見れば、完全に人間を辞めている。


 領地の開拓団長をしていた関係で、蒼い薔薇の一行が治める地域全体のまとめ役をしている。

 相手が魔物でも人を襲わないなら同志という謎の思想を持っているため、ライナーの経営する魔物牧場にも肯定的。


 次章ではその師匠っぷりを遺憾なく発揮することになる。


 蒼い薔薇のメンバーを中心に、被害者の会が結成される日は近い。





 アリス


 名前の由:受付嬢A(たとえ話でAさんの事をアリスと呼ぶことがある)から。

 モブキャラとして登場のはずが、副ギルド長に大抜擢。


 仕事が速く、話が早いこの道五年のベテラン受付嬢。

 冒険者は手が早く、そんな彼らに引っ掛かって寿退社する受付嬢も多いため、五年もいればベテランなのである。


 余談だが、男性冒険者はよくトラブルを起こすが、女性が間に入るとすぐに収まることが多い。

 荒くれ者な上に見栄っ張りな者が多く、女性に格好悪いところを見せたくない――という事情を知っているため、男を手玉に取るのが上手かったりもする。


 だが独身。婚活を始めたところでライナーの領地に転勤することになったが、いい出会いはあるだろうか。





 エドガー


 名前の由来:エドガー・アラン・ポー。

 白い猟犬のメンバーは小説家の名前繋がり。


 じゃあ知的なのかと言われるとそうでもないが、機転は利く方。


 目深に被ったバンダナがトレードマーク。

 ライナーの斥候としての能力は認めていた。

 が、加入を打診された際には「トラブルは御免だ」とばかりにとんずらした過去を持つ。


 ライナーの地元で十年ほど冒険者をやっており、リスクを冒さない安定した戦いをするため、方々からの信頼はあつい。

 無難な依頼ばかりをこなしてきたため昇進は遅かったが、間もなくB級に昇格する予定になっている。


 現在は独身で、彼女もいない。




 マーシュたちの人物紹介は次章の終わりに予定しています。


 

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