前のエピソード――●長編０９「-Miloca awaken- 摩訶♡大戦隊　ダイ×ショウギ×レン×ジャー」190911～201027（10.36万字）

　記念すべきというほどでもありませんが、キリのいい数字「１０本目」の長編は本作だったのですな！！　これも公募１０万字に合わせて、しかも締め切りまであまり期間も無い、という若干の追い込まれ感を抱きつつ書いた初めての作品で、前作の「将棋」はまだ世界感とかに素地があったのですが、それも無いままとりあえず書き始めた記憶があります。

　ジャンルは長編では初めての「異世界転生ファンタジー」と決めておりました。一回は書いてみたいな、とずっと思っていたところもあり、時間も無いし見切り発車的に(いつもやん)まあ書きつついろいろ構築していこうと割と追い込まれながらも緩い感じでスタートしたわけです。先に書いていた「ダメ３」も２０１９年内に完結は諦めておりまして、その辺はまあ気楽に集中、みたいなことが出来たわけですが。

　「主人公が外連味（ケレンミ）を発揮すると無双的に敵を屠れる」という、何でそうなった？　的な設定はもちろん意味も理由も理屈もなく最初に脳内に浮かび上がってきたわけでして、もうこれに乗るしかないという感じで当然そこ一本で通しました。結果「よく分からない」という感想を何人かの方々にいただきまして、うんまあそうだよねだって僕にもよく分からないもの……とか、当時は鋼のメンタルで受け流しておりましたが、確かになぜなのかは明かされずじまい……ＮＯプロッターのあかんところがここでも出てしまいましたな！！

　主人公の銀閣（ギンカク）が非常に野卑な感じで、これで一人称語り部でやっていけるのかな、と思っていたのも冒頭ほんの少しくらいで、実際やってみると非常に動かしやすい。「ダメ２」の若草もそうでしたが、意外と作者自身とはかけ離れたタイプの方が描きやすいのかも知れませんな！！　いま書いている「Bo★ccia!!」という作品でも野卑系の主人公を採用して割としっくりきております。変身願望というと遠からじとは思いますがまあ多かれ少なかれあらゆる登場人物（キャラクター）は作者自身であったり願望であったりする場合が九割はあるんじゃないかと思っておりますぞ！！

　キャラと言えば相棒となる猫女神、ネコル様の立ち位置もうまいことハマってくれたなぁと。最初は主人公の水先案内人としてしか意識していなかったのですが、最終的には正ヒロインと相成ったわけです。これはもう意外でしたな。猫の姿と人の姿とでいろいろメリハリが効いたというのもありがたかったです。

　さて、無双をやるとして、戦い自体はどうしようかと困ったところに前の短編「グラサマー」でやったカードゲームを流用できないかなと考えまして、流用しました！！(高らかに

　未だに私もその立ち回り方は分かっておらんのですが、かませ的なものとして割り切り、カードに封じられた武器やらエネルギーを現出させられるものとして設定するに留めました。これはね……いつかちゃんとやってみたいとは思うのですが……考えたはいいけど使い切れない設定というものは多々あるものなのです……

　敵に関しては大ボスがひとり、そこまでに何人かと、造形の時間もあまり無かったので過去作から引っ張り込んできましたな！！(またか…

　以下、覚書のようなものになりますが。私も忘れないように！！

●サ：クカワァボ：クズミィ神　→「DNC２」の主人公、水窪（ミズクボ）　若草（ワカクサ）を逆から読んでみました。当人のイキれだけが前面に突出したような、そんな感じと相成りましたな。

●浅葱（あさぎ）のル：ズユド・イメタァ　→「DNC」シリーズに何回か登場の、為井戸（ためいど）　譲（ゆずる）　新四段あるいは新九段。分かりやすい敵感を出していただけるので貴重なのですな！！　いつもありがとう！！

●潤朱（うるみしゅ）のジウ＝オー・キサミトロク　→「DNC２」に名前だけ出ていたネオ元老院のひとり、「王子」の二つ名を持つジウオーこと黒戸（クロト）　美咲（ミサキ）がまさかの参戦……！！(と言われても私も忘れておりましたぞ！！　

●柿渋（かきしぶ）のホミロ：カオゥ＝トォクトォ　→「ダイショウギ」のミロカですな。彼女を含めた以下二名を希少属性（ツンデレ）つながりで集めて見ました！！　性癖は……ごまかし隠しきれるものでは……ないのか……(ﾃﾞｽﾖﾈｰ

●麹塵（きくじん）のガラクネスト：アロナ：コ＝フゥゾ　→「勇気人間」の魔神。名前が気に入りまして、「ダメ３」にも輸出されてますな！！　

●減紫（けしむらさき）のサナサ＝エクゥガ　→「DNC」シリーズの永佐久（ながさく）　サエさん……彼女も最初は実況少女というちょい役で出したはずなのですが、まさか主人公ムロトとくっつくとは思いもよりませんでしたな！！　これこそがＮＯプロットの醍醐味よぉうッ！！(高らかに

●鉛白（えんぱく）のネヤロヴィスタ　→オリジナルですな。脂ぎったおっさんというのを出したかったという背景がありました。彼に限らず「分かっていて演じている」風の人は好きなんですぞ！！

●仙斎（せんざい）のシトネヴァリス　→同じくオリジナル。最後に出て来たのでおのずといろいろ重要な役どころを担ってくれましたな！！　ネヤロと共にネーミングは何かエロティックな感じとあと「六文字」の名前が何となく好きなものでして、「閨（ねや）」と「褥（しとね）」より命名。

　和の色を冠した二つ名を持っているという設定です。ジウ＝オー語るところによると、↓

　「『潤朱（うるみしゅ）』とはッ！！　最強を誇る我が軍勢の中でさらにの最上位に位置する者のみが名乗ること許される『魂』の『二つ名』……そう、我こそはサ＝クカワァボ＝クズミィ神直属の『匿染隊（とくせんたい）』がひとりッ！！　『Ｓ、ＳＳ（トリプルエー：ス）』こと『Ｓ、（な、）Ｓｕｍｍｅｒ（なつの）Ｓｔａｙ（たいざい）』、朱き波濤の、ジウ＝オーよぉぉぉぉッ！！」

　……いま読むと、よく分からないですな……怒られそうな名前ということしか……

　「異世界」の正体は実は臨死体験時の脳が見せていた願望のあらわれだった……というどんでん返しも当初から考えていたのですが、それで片づけてしまうと何だか寂しいな……という思いが沸いてきまして、「どんでん返さない」という結末となりました。自分の描いた創作世界に作者が引っ張られるという逆転現象……それがどんでん返しと言えなくもないですかな！！(綺麗にまとめた…だと？

　締め切りに追われながらも楽しく書けた本作……是非！！

gaction創作論３１：「異世界に代表される『世界構築』は楽しいものです。作り込むのはもちろんいいのですが、どこまで出すかというのが難しいところですな！　私はいつまでも『設定を小出しにすることが出来ない症候群』なのでその辺を絞れたら……と最近は意識しておりますが、それでも創ったものは見せたいよね！　なら良しッ！！(自己完結ｼﾀｰ)」

　ケレンミックパワー、全開ッ！！(されても