●長編04「(ハードスクラブル for the)ハイ×クロス×ブリ×ッダー」170923~190224(18.48万字)※カクヨム未掲載


 「格闘王」を完結させてひと月も経たないうちに開始してますな……「ダメ」「いつ俺」と同時並行でやってましたか……何と言うか、そういう忙しい自分に酔っていたんでしょうなあ……


 「異世界巨大ロボットもの」。というのをやってみたかったというよりは、何度も出て来ております私の創作原点「FATES」の構想のひとつに未完結のそれがありまして、それを「再生」してみたらどうなるか、というそんな動機だったと思いますドキドキ(それ動悸


 「FATES」全十三部という壮大過ぎる一大叙事詩の中に……ッ!! 「異世界と現実世界が交わる」という流れがあり……ッ!! それが行われるのが「第じゅう部」と、そういうわけなのです……ッ!! 異世界ファンタジー「第Ⅹ部」と、現実未来世界のエピソード「第エックス部」が「クロス」する……ッ!!


 ……すごい、設定作り込んでるふぅ……


 「異世界」に送り込まれることになる主人公のひとり「ジン」のパートを新規に書きまして、遥か昔に書いていた「異世界」部分をそこにクロスさせる……そう、正に物語の構造こそが「ハイブリッド」で「クロスブリード」な「ハイクロスブリッダー」だったんだよッ!!(ナンダッテー


 とは言え、「異世界」の方ももうひとりの主人公アルゼ御目見えくらいのところまでしか書いていなくてですな、そこからはずるずると書き紡いだものの、かなり時間はかかりました。一年半くらい不定期でやってようやく完結。話自体もまあ何とか完結、といった具合の終了でした。


 しかし面白いものでその約一年後に続編を書きたくなって書いてるという……「(ハードスクラブルfor the)ハイ×クロス×ブリッ×ダー×ⅩⅠ【エグズアイ】」は、「Ⅹ」から十五年後の世界を書いているのですが、「Ⅹ」であった諸々をまた追体験するといいますか、今度は「三つの視点」から描き出すかたちを取ってまして、今のところ私史上最大のどんでん返しを仕掛けてます。なかなかに決まっていると自負しておりますので、是非ィッ!!


【黒歴史開陳のコーナー】


 遥かいにしえの時、白黒ワープロで書いていた「FATES」の原稿が……ご丁寧にWordにコンバートされたそれが、そして何代もパソコン間を受け継がれし今、ここに晒されることになろうとは……行ってみよう!! 心臓の弱い方はここまでッ!! ではまたお会いしましょうアッサラームッ!!



↓↓↓

―かつて。

世界は数億種の『生物』が共存する場所であった。

捕食し捕食され、競うように進化し、めまぐるしく変化する環境についていけずに時には淘汰され………

それでも奇妙な秩序とバランスを保って、世界の上に彼らは在った。

宇宙の中で最も美しく、力強く輝く生命の星………

その中で生命体として異常進化を遂げたある種は、自らその『三次元』の体を捨て、遙か『次元』を超えた空間に自分達の世界を築き上げた。

最も進化したであろう…その種を他のある生命体は『神』と呼んだ。

彼ら『神』たちは三次元に住む他の生命たちを皆、大切な同胞だと認識し、自分達より遙かに短い命を存分に生きる者たちを見守った。時には手助けをし、誤った道を歩もうとしている者を罰した。知恵ある生物は『神』を畏れ敬うようになっていった。


時を同じくして、違う進化をした生物もいた。

彼らは進化の過程において、太古の祖先からの遺伝子を自分の体内で組み換える能力を獲得―しかしそれには構成する物質と莫大なエネルギーが必要だった為、彼らは他の生命を異常な速度で捕食し始めた。

そしてその棲息範囲は海中、地上、空へと広がり、決して長いとは言えなかった時間の中、生物種のほとんどがその生命体によって淘汰されていった。その時代、既に文明を築き上げていた人間達は、その生命体を『魔』と呼んで恐れた。

事態を重く見た『神』達は、他の生物を救う為、自らの手による『魔』の根絶を決定― 。


そして始まった『神』と『魔』の大戦。


実体を持たない『神』達は、『魔』の持つ遺伝子操作の能力を逆手に応用、より短時間で進化する究極の生命体を三次元で作り上げた。新皮質が退化したその生命体に乗り込む事で三次元での長時間存在が可能となった『神』は、既に世界の隅々まで繁殖した『魔』を正義の名目の下に殺戮していった。

大勢が決したかに見えた。しかし『魔』の適応速度は『神』の予想を遙かに上回っていた。『神』の作り上げた最強の体―『最強体』をも食糧に出来うる体に進化した彼らは、莫大なエネルギーを蓄え、さらなる強大な生命体として登りつめるのだった。

『神』の計画は失敗に終わったかに見えた。だが彼らの英知はそこでとどまったわけではなかった。三次元で活動が出来、『魔』の食糧となりえない物― 結論は金属の体 ―『機械』。

『神』達による『戦闘機械』の製造が取り急ぎ始められ、しかし動力源となる電気がまだ充分には蓄えられない時代ゆえ、『神』は人間と手を結んで、その未知なる力―『魔法力』をその代用とし、その機械の回路に入り込み戦った。人間自身も操縦出来るその機械を人間は『魔法兵器』と呼んだ。

『大戦』は終結。『神』と人間の前に『魔』は敗れ去った。

さらにその後、人間は神から『魔』の力と対抗出来る生命武器―後に『聖剣』と呼ばれるようになる―を授かり、『魔』が作り出した遺児とも言える生命―『魔族』と戦った。

世界は人間のものとなった。しかし僅かに生き残った『魔』が地中深くで眠っていた事を人間は知らない。そしてその目覚めの時は近かった。


物語は『大戦』の3000余年の後から始まる。

人間は既に全世界をその手に収め、地上における最高権力者になろうとしていた。

ほとんどの人間が『神』と『魔』の存在を忘れた時代―。

そして人間同士が争う動乱の時代から、

永い物語は始まる。


#1:旅立ち


「…もうそろそろ時間よ?」

ここはどこか…?何処かの部屋。椅子に座る人影が見える。うつむいて何かを考えているようだが…そしてドアの向こうから聞こえてくる若い女性の声。

「あ、はい、今行くところです」

その声に椅子から立ち上がる少年…だろうか。身だしを整えるとドアを開け出ていく。

「いよいよ…ね」

戸惑うような、不安そうな……視線を交わす二人。

「はい」

短い言葉を交わした後、少年と女性の声は途切れた。そして扉が閉まる音。


南方大陸は北西、海沿いの大国―イスプリート。穏やかな風が海の匂いを運んできている。黄色い土に鮮やかな緑の木々。その中にひときわ目を引く白い城壁がそびえ立つ。大地に根を下ろすかのように厳然たる佇まいの巨大な城。そしてその周りを取り囲むようにして、緑と活気のある街が形成されている。

今日はある一人の戦士の旅立ちの日。暖かな空気が立ち昇る昼過ぎ。城の周りには、沢山の国民が集まっていた。熱気とざわめきが辺りを包み込んでいる。

「………おそらく多勢を送り込んでくるであろう帝国の部隊相手にたった一人で向かわせる事になるとは思いもしなかったが………この国にはもう戦える若者はほとんどいない。アーゼよ。お前は『聖剣使い』の素質に目覚め、さらに幼少の頃よりストラード卿の指導を受けてきた立派な剣士。進んで志願してくれた事をわしは誇りに思うぞ」

城の庭に設置された玉座から立ち上がり、深紅のローブを身に纏った国王が、目の前に膝まずいている男にそう言った。

「………しかしアーゼ、無理無謀は禁物だ。願わくばお前だけは、このようなくだらぬ戦いで失いたくは無いのだ。幸運を祈る。勇敢なる剣士アーゼ・ストラードよ。頼んだぞ。お主が我が国最後の『聖剣使い』なのだ」

「はい…必ず。必ず『十聖剣』を取り戻すことを………誓います」

アーゼと呼ばれた男(少年?)が顔を上げる。黒い髪に、何故か右側の前髪だけ赤い髪が混ざっている。凛々しい目つき。引き締まった口許。赤い上着に白のすらりとしたズボンを身につけ、体にフィットした銀色の鎧には、この国、イスプリートの紋章が入っていた。


第Ⅰ部

アーゼ・ストラード

殉愛の剣


「世界を救う戦士を送るのだ!!」

威厳ある王の声と共に、鼓舞するかのような勇ましい楽隊のファンファーレが鳴り響く。それと共に群衆の歓声も高まった。その中を男―と言うよりは、やはり少年と言った方がよさそうなアーゼ・ストラードが歩いていく。緊張した面持ち。

「お兄ちゃん………」

そのアーゼに群衆の中から声を掛けた少女が居た。茶色の髪と瞳をした5歳位の女の子。不安そうな目で少年を見つめている。そして、

「本当に行っちゃうんか!?兄ちゃん」

その少女の隣から、少し上の年頃だろうか?…少年が顔を出す。アーゼは足を止め、その二人が駆け寄ってくるのを待った。

「うん、大丈夫。すぐには帰ってこられないかも知れないけど………それまでリノはお前が守ってやるんだよ、ジュド」

アーゼがその少年―ジュドの頭を撫でる。

「アーゼ君………気をつけて」

その後ろから、透き通る青い髪の女性が声をかけた。心配そうな目つきで、見送るのを躊躇しているかのような…そんなたたずまい。一瞬、見つめあう二人。迷いを振り払うかのように一度目を閉じたアーゼの、再び開いた目には決意と闘志が込められていた。

「………セイナさん、二人を頼みます」

アーゼはそう告げると、しっかりとした足取りで歩き始めた。

(アーゼよ………若干16歳のお前まで、孤独な戦いに行かせることになろうとは………しかしそれもこの国、そしてこの世界の為。『神』よ…この若き戦士に祝福を!!)

その後ろ姿を見送りながら、国王が天に祈る。


アーゼ・ストラードの長い旅は始まった。「帝国」「皇帝」とは、そして「十聖剣」とは?

アーゼの人生はこれより大きな運命の渦に翻弄される。そして、数百年に渡る、彼と彼の血を引く者たちの戦いも静かに幕を開けたのである………

『運命の車輪』は今、廻り始めようとしていた。


↑↑↑


 うぅぅん壮大ぃぃー。からの不要キャラいきなり沢山出し過ぎィ……


 こう、読むごとにぞわぞわしてきますな……でもそれがクセになりそう……(だいじょうぶ?


(ハードスクラブル for the)ハイ×クロス×ブリ×ッダー

https://ncode.syosetu.com/n8465eg/


gaction創作論4:「とにかく読むッ、そして書いてみるッ!! 例えそれが未来の自分に怖気と鳥肌を同時均等に与えるものであったとしても……!!」(もう自戒でしかねぇ……


 続くッ!! ここまでやったらもう怖いものは無い……ッ(はず)


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