「女」として自信の持てない主人公の少女アデリナ。爵位は低く、パッとしない容姿から良縁にも恵まれない彼女は、ある日、自身とは真逆のような男性オリヴァーと出会います。
自立した彼のもとで、嫁ぐのではなく労働の道を選んだ少女。周囲の人々が認める「アデリナの魅力」をなかなか信じられない彼女でしたが、自身が羨む人の心と接するうちに、欠けているのは自分だけではないと気づいて──。
前向きで、相手の心に寄り添おうとするアデリナの言動は、読んでいて清々しく感じました。
彼女があこがれたノーティー(みだらな人)がどんな人物か、そしてふたりがどう結ばれたかは、物語を読んでのお楽しみです。
地の文章と会話のバランスがよく、とても読みやすいお話でした。