第40話
夕方、薫は春香に雫の件で相談をした。
相談と言うのは口実で、新たなスキルの実験に雫を使いたかったからだ。ただ、雫にも多大なメリットがある事なので、そこをうまく強調しながら、なんとか春香を口説き落とした。
雫と言うのは、天野春香の一人娘であり、未だ0歳児の赤ん坊だ。薫が今なら感染しても安全に治せると言って、春香を誘導したからだ。
しかし、十分過ぎるほどのSPを保有している春香に、今ならとかおかしな話である。単に薬を購入しておけば良いだけであり、わざわざ赤ん坊を感染させる必要などないのだ。それを、口八丁で春香を誘導して、他人様の赤ん坊を罹患させたのだ。
罹患させるのは実に簡単だった。風邪が流行っているキャンプ地を、雫を抱いて歩きまわっただけだ。鑑定で雫の状態が健康から罹患になったのを確認し、すぐに万病薬を使用するだけ。
運よく最初で罹患出来たようで、万病薬(中)でようやく雫の状態が健康に戻ったことに、薫は安心した。
治せるとは思っていても、微・小と使って効果が出なかったので、多少不安が生じていた薫だったのだ。やはり薫は、小心者かもしれない。
雫の鑑定結果は、見事新人族となっており、状態も健康である。職業も未知なる卵となっているので、大成功だ。罹患中は人類となっていたので、治してみないと新人族かどうかわからなかったので、1度で成功したことは素直に喜ばしかった。
薬は全て薫が負担したが、今の薫にとって薬代などお小遣いより低い価値であった。
薫は、精神感応スキルと同調操作スキルの2つを使用して雫を操り、雫は新人族としての職業を得る事に成功した。
ちなみに、精神感応スキルと同調操作スキルは1500Pで習得した薫である。スキルレベルは1のままだ。上げるにしても倍のポイントが必要なので、上げたくても上げられないのである。改造は忘れずに行った薫である。
雫の職業は、魔極師というものだ。薫曰く、虹色職だったそうなので、勇者や魔王並の超レア職だという。
薫に超レア職と呼ばれるだけあり、素のステータスはぶっ飛んでいた。
薫も十分驚いていた。なにせ、ボーナスを得た薫よりも賢力と精神力が上だったのだ。
現創師のスキルは超優秀だが、ステータスはしょっぱい事を改めて認識した薫であった。
アマノ・シズク(0)
【種族】 新人族
【Lv】 1 new
【職業】 魔極師ランク1 new
【状態】 健康
・HP 80/80 new
・MP 88/88 new
・腕力 50 new
・頑丈 50 new
・器用 50 new
・俊敏 50 new
・賢力 77 new
・精神力 77 new
・運 50 new
【スキル】
・火魔法レベル1 new
・水魔法レベル1 new
・風魔法レベル1 new
・土魔法レベル1 new
・雷魔法レベル1 new
・光魔法レベル1 new
・闇魔法レベル1 new
・無属性魔法レベル1 new
・回復魔法レベル1 new
・支援魔法レベル1 new
【固有スキル】
・MP消費減(特)レベル1 new
【所有スキルポイント】 10P
初期ステータスも高いが、何よりもスキル数の多さだ。しかも、魔法系ばかりというか、明らかに魔法特化職だろう。
さらに薫は、レベル1の雫にマナコイン(小)を上限枚数の8枚を使用したのだから、スーパーベイビーが爆誕した。
アマノ・シズク(0)
【種族】 新人族
【Lv】 1
【職業】 魔極師ランク1
【状態】 健康
・HP 900/900 new
・MP 908/908 new
・腕力 455 new
・頑丈 455 new
・器用 455 new
・俊敏 455 new
・賢力 482 new
・精神力 482 new
・運 455 new
【スキル】
・火魔法レベル1
・水魔法レベル1
・風魔法レベル1
・土魔法レベル1
・雷魔法レベル1
・光魔法レベル1
・闇魔法レベル1
・無属性魔法レベル1
・回復魔法レベル1
・支援魔法レベル1
・HP上昇レベル1 new
・MP上昇レベル1 new
・腕力上昇レベル1 new
・頑丈上昇レベル1 new
・器用上昇レベル1 new
・俊敏上昇レベル1 new
・賢力上昇レベル1 new
・精神力上昇レベル1 new
・運上昇レベル1 new
・物理耐性レベル1 new
【固有スキル】
・MP消費減(特)レベル1
【所有スキルポイント】 0P
母親の春香は、愛娘をモルモットにされたというのに、怒るどころか丈夫になったと喜んでいた。
薫の両親と春人は微妙な顔をしていたが、親である春香が余りにも喜んでいるので、薫を叱りはしたものの強くは叱れなかった。
だが、薫は夜中に雫のレベルアップを勝手に行っていたのだ。見た目が変わるわけではないが、まだ生後半年の雫が喋ったのに驚いた春香が、朝いちで叫んだ事で発覚した。
鑑定の結果、雫のレベルは20になっており、スキルも豊富になっていた。レベルアップによる肉体の強化には気付いていた春香たちも、生後半年の雫が言葉を話せるまでになるとは思いもよらなかった。
春香は驚きはしたものの、愛娘と話せるようになった事に大層喜んだ。何せ、1人で歩行もできるし、いきなり歯まで生え揃ってしまった。雫本人が噛み応えのある物を望むため、食事も離乳食を飛び越え皆と同じ物を食べるようになった。
しかし、今回ばかりは、薫の両親が激怒状態になり、2時間以上も説教を受けた薫であった。
流石にやり過ぎた自覚のあった薫は、大人しく叱られた。
アマノ・シズク(0)
【種族】 新人族
【Lv】 20 new
【職業】 魔極師ランク3 new
【状態】 健康
・HP 7105/7105 new
・MP 7145/7145 new
・腕力 3320 new
・頑丈 3320 new
・器用 3320 new
・俊敏 3320 new
・賢力 3488 new
・精神力 3488 new
・運 3320 new
【スキル】
・火魔法レベル3 new
・水魔法レベル3 new
・風魔法レベル3 new
・土魔法レベル3 new
・雷魔法レベル3 new
・光魔法レベル3 new
・闇魔法レベル3 new
・無属性魔法レベル3 new
・回復魔法レベル3 new
・支援魔法レベル3 new
・合成魔法レベル1 new
・生気中上昇レベルMAX new
・全能力中上昇レベルMAX new
・鑑定レベルMAX new
・空間収納レベル1 new
・地図レベルMAX new
・用心レベルMAX new
・魔物調教レベルMAX new
・従魔召喚レベルMAX new
・清浄レベルMAX new
・全状態異常耐性レベルMAX new
【固有スキル】
・MP消費減(特)レベル3 new
・魔纏レベル1 new
【称号】
・迷宮核討伐者 new ・大物殺し new
・初級到達者 new
【所有スキルポイント】 84P
薫は、マナコイン(小+)も上限枚数の8枚を使用したので、親である春香よりも遥に高いステータスを得てしまった雫であった。 否、ステータスだけならレベル20時の薫よりも上である。
冷静になった一同は、雫が他の子供たちと遊んでも怪我をさせたりしないかを悩むようになった。
薫は、万が一雫のせいで相手が怪我を負った場合に備えて、大量の薬を確保している。
さらに、雫の遊び相手兼ボディガードとして、座敷童(☆☆☆)の男女4体の従魔を購入している。勿論、4体とも雫の従魔である。
☆☆☆の従魔は、同じ個体を2体購入すると売り切れになる事を知った薫である。ダンジョン内であれば、テイム出来るかも知れないが。
なお、雫の状態異常耐性をMAXにしたために、現在の薫では、雫を操ることは出来なくなっている。
高い知性を持ったスーパーベイビーの雫には、最早薫が操る必要性はないので、問題ないと言える。
*雫は、排泄行動で自身の手が届かないので、お世話になる事を受け入れている。そもそも、恥ずかしいとの認識を未だに持っていないだけなのだ。
清浄があるのだから、おむつ交換じたいが不要なのだが、春香と美玖からは、便で健康状態も判るからと、清浄は禁止とされている。
薫は、鑑定で判別可能なのにと、口から出そうになった言葉を飲み込んだ。ここで突っ込んでは駄目だと、本能で感じた薫であった。数日後には、知識を得た雫自身が清浄スキルを使い熟しオムツを卒業した。
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