第5話

 多数のスキルが、白色・灰色・赤色で表示されている。

 スキル名の横には、数字が振られている。たぶん、これが必要取得ポイントだろう。

 文字が灰色や赤色になっているのは、覚える事が出来ないのだろう。スクロールさせることで、新しいスキルも表示される。


 数が多すぎて、目的のスキルを探すのが大変そうだ。薫は、検索欄をクリックして、”透視””遠視”と念じた。


 検索結果は、千里眼と精霊眼と死霊王の瞳の3つがヒットした。


 この中で薫が習得可能なスキルは、千里眼のみであった。他は赤色で表示されている。


 白色は、習得可能レベルとポイントを満たせているもの。

 灰色は、習得可能レベルか、ポイントが不足しているもの。若しくは、どちらも満たせていないもの。

 赤色は、職業による習得不可能スキル、または習得可能ランクが満たせていないものだそうだ。


 この習得可能レベルとは、スキルレベルの事である。現在、薫に習得できるスキルとは、レベル1のものと手持ちの上位足るレベル2のものである。

 なお、習得可能ランクとは、職業のランクの事である。


 つまり、本人のレベルが100あろうと、スキルレベルの1つ上しか覚えらないし、職業によっては最初から習得できないスキルもあるのだ。

 それに、職業ランクも上げる必要があるという事を、薫は理解した。


「取り敢えず、千里眼は手に入れるとして、後は適当でいいか」


 ちなみに、千里眼は10ポイントで習得できた。

 そして薫は、50Pの鑑定と1Pの情報偽装・地図・用心・HP上昇・MP上昇・腕力上昇・頑丈上昇・器用上昇・俊敏上昇・賢力上昇・精神力上昇・運上昇・物理耐性・魔法耐性・ストレス耐性を習得した。


 鑑定スキルと千里眼は、レベルMAXであった。

 意外な事に魔法のスキルをスルーした薫であった。もしかしたら、気が付かなかっただけかもしれない。




   キサラギ・カオル(15)


 【種族】 新人族

 【Lv】 1

 【職業】 現創師ランク1

 【状態】 健康

 ・HP  120/120 new

 ・MP  120/120 new

 ・腕力  55 new

 ・頑丈  55 new

 ・器用  55 new

 ・俊敏  55 new

 ・賢力  55 new

 ・精神力 55 new

 ・運   55 new


 【スキル】

 ・空間拡張レベル1

 ・空間収縮レベル1

 ・HP上昇レベル1 new

 ・MP上昇レベル1 new

 ・腕力上昇レベル1 new

 ・頑丈上昇レベル1 new

 ・器用上昇レベル1 new

 ・俊敏上昇レベル1 new

 ・賢力上昇レベル1 new

 ・精神力上昇レベル1 new

 ・運上昇レベル1 new

 ・鑑定レベルMAX new

 ・千里眼レベルMAX new

 ・地図レベル1 new

 ・用心レベル1 new

 ・情報偽装レベル1 new

 ・物理耐性レベル1 new

 ・魔法耐性レベル1 new

 ・ストレス耐性レベル1 new


 【固有スキル】

 ・スキル改造レベル1


 【EXスキル】

 ・究極空間収納(∞)


 【称号】

 ・生還者


 【所有スキルポイント】 25P new



「ステータスを上げておくのは、基本だな。一般人がどのくらいあるのか不明だが、これくらいあれば死にはしないだろう。スキルポイントは大幅に減ったけど、身の安全のために使ったんだから問題ない、……よな?」


 薫の身心には、エネルギーが満ち溢れていた。入学式の事など、きれいさっぱり頭の中から消えていた。これが、若さの特権だろうか?


「そうだ、連絡連絡っと」


 ステータス画面を消した薫は、にやりと口角をあげた。

 スマホを手にした薫は、いつも通りの操作をしようとした。だが、スマホはバキバキッと嫌な音をたてて壊れてしまった。


「んん!? なあああぁぁぁぁぁぁ……」


 ショックで叫んでしまった薫だが、精神力が上昇した故か、ストレス耐性を習得した故か、すぐに沈静化した。

 原因は、急激なステータスの上昇とそれを考えなかった薫の所為である。


「金策のための連絡手段を失っちまった……あっ!」


 表情を見るに、笑みを浮かべている。薫は、どうやら何かをひらめいたようだ。


 再度、ステータス画面を表示し、売買システムを呼び出した。


 【買う】から、【雑貨】へと入り、スマホを検索した。

 薫の予想した通り、スマホが何種類も表示された。なお、壊れたスマホは15SPで売れた。

 新たなスマホを手に入れた薫は、ご満悦である。力加減に気を付けて操作している。学習能力はあるのだ。

 なぜか、アプリも登録していた情報も元通り使えた。


「おお、売買すげー使える。神サポきたー」


 非常識な事が起きまくり、普通に受け入れている薫。うらやましいほど順応している。

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