『小さなお話し』 その220………『ほしのおじいさん』その2

やましん(テンパー)

『ほしのおじいさん』 その2


 今日も、夜空を見上げる、ほしのおじいさん。


 『おわあ、きた。がんし・・・・・・あららら。間に合わないな。ちょっと、飛ぶのが短い。もう少し、長く流れないと。』


 流れ星が飛ぶのを、待っていたのです。


 『ぎょわ・・・・あああ、もう、いちゃったよ。今度こそ。集中力だ。余計な観念を捨て去り、実質だけを願うのだ。』


 流れ星が飛んでいる間に願いごとをするというのは、なかなか、至難な、高度な技です。


 『むむむむ。こないな。こないか。はあ~~~~~~。寒くなってきた。もう少し。あとちょっと。あ・・・・・・。あらららら。』


 そんなこと、考えている間に、飛んで行ってしいました。


 『はあ・・・やはり、とろいからなあ。』


 『まだやってるの、あなたの動きでは無理よ。あきらめなさいな。』


 奥さんのびーちゃんは、あっさり、言います。


 『くっそおーーーーー。まてまて、呼吸を整え、集中するんだ。《パンダの呼吸その壱》。・・・・・・・・や! 〈がんしろ!〉  やったああ! 完成だあ!』



 『そっちのほうが、病気になるよ。』


 と、あくまで客観的な、びーちゃん。


 『ああ、すんだから。』


 前立腺がんの、マーカーが高かったので、またまた、精密検査の指示と来ました。


 二回目なのです。


 確率三分の一。とか。


 前回はシロだったから、今回は、危ないかも。



 あったかい、おそばを食べて、早く寝ようね。




      ********************   ☆彡



 



 


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