第22話 ジュアンの歓迎会

 魔導書のジュアンを迎えたと言うことで、歓迎会を行うことになった。


 豚汁にハンバーグにローストビーフにフレッシュサラダとか……他にもナスの煮びたしとか色々創る。


 ジュアンは魔導の練習をしている。


 炎を出したり、水玉を出したり、電気を生み出したり、物を浮かしたりなどしている。


 ジュアンの見た目は赤毛のボブカットでなんか可愛い。


 リボンをプレゼントしたのでなんかさらに可愛さに磨きがかかっている。


 ファルナもジュアンと仲良くやっている。ジュアンは美味しいお菓子が食べたいというので作ってやった。


「これはなに……? 喰太?」


「これはチーズケーキって言うんだ美味いぞ食ってみろ」


 チーズケーキをまじまじと観察するジュアン。そんなにまじまじ見られると作った俺もなんか照れる。


 料理人としてデザートも作れないと締まりが無いからな。


 そんな感じでチーズケーキをじっくり観察したらファルナがぱくりと横取りした。


 するとジュアンが負けじと横からフォークでチーズケーキをザクリとへずる。


 そして口に一口と持って行く。すると「あまいっ」と一言。


 ついでにチョコチップクッキーも焼いたので俺はコーヒーを入れながら食べることにした。


 皆の分はココアを入れてやった。俺は自身の作ったチョコチップクッキーをつまみながら自分の実力を確かめた。


(ほどよく焼けているな……チョコチップの甘みが感じられるな……クッキーの配合は完璧だな)


 俺はその日料理に勤しんだ。


 バイト先でも料理を奮う。オムライスを作りながらチャーハンを作る。


 ハンバークを焼きながら唐揚げを揚げる。そんな毎日だ。


 うちでは基本客の要望を受け付けているのでそこそこの料理を作る。


 ボルシチが食いたいというロシアのお客さんが来たときはちゃんとボルシチを作ったら団体で来たという伝説がある。


 その日はボルシチ目当ての客が大勢来た。


 別の日は美味しい酢豚を作って欲しいと上海から来た中国のお客さんが来たこともあった。


 うちは一応レストランだから色々作るがまあそんな感じだ。


 今日は一段階上げる。


 俺の料理の腕を一段階上げる段階だ。


 素材の味が重要ではあるがどんなに高い素材を使ってもその領域にたどり着けない存在もある。


 ファルナのゲーム空間でも一応豚と牛というよりミノタウロスの上位種が解放されたのか襲い掛かってくる。


 俺は剣でジャッカルミノタウロスをいなす。


 だがかなり強い何度斬っても倒れない。こいつ……強すぎだろ……


 俺は何度もやられそうになる。だがファルナは俺に手を貸さない。

 ファルナの意図はわかる俺に強くなって欲しいのだ。


 だから俺はもっと頑張る。


 氷結(アイス)!! 剣にアイスを展開充電。敵を急速に凍らせる。


 アイスソードで敵を氷結斬した。


 ジャッカルミノタウロスはかなりの深手を負った。


 そのまま周囲のマナを喰った。


 俺は自身の中にマナを多めに飲み込んだ。


 そして剣に充填するマナを。そのまま周囲を凍らせつつ雷を放った。


「雷波乗包(ブラストサンダー)!!」


 放った雷魔法は最近覚えた俺の奥の手だ。


 大分マナを消費するが強い攻撃だ。


 ジャッカルミノタウロスは電撃を浴びて倒れた。


 そしてジャッカルミノタウロスの肉がドロップした。


 これはファルナとジュアンとネルコとレメールとエミルとカリナと邪神ちゃんにあげないとな。


 週末はまた大宴会になった。みんな美味しそうに食べていた。俺は嬉しかった皆が来てくれて飯を食ってくれたから楽しそうに美味しく食べてくれたことに。


「そういうことではないぞ喰太……みんなはお前のことが好きだから来てるんだぞお前の料理が好きだからお前が好きなんだよ!」


 とまあそんなこともあり俺は今日もレストランで料理を作っている。


 だが関西大会が始まろうとしていた。


 俺は今予選の会場に来ている。


 さて最初の相手は……筑波守(つくばまもる)か期待の新人のらしいな。


 さてどうするかお題は《カレーライス》かなら得意だぜ。


 俺はカレーライスを普通に作った。


 いつも通りの隠し味を入れてそして普通に勝った。


 いつも作っているから勝てたようだ。


 得意料理で助かったぜ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る