ファルナと邪神様

 ファルナの様子が可笑しい。

 いつも通り飯を喰いたいと言わないな。


 そしていきなりこんなことを言い出した。


「邪神様がうちに来たいそうだ……」


「呼んで来いよ……」


「うん」


 そして出て行ってしまった。


 そして邪神様らしき人なのか?


 幼女オブ幼女みたいな人が来た。


「我こそは邪神である!!」


「ここで旨い飯をくれると聞いたから来た!」


「邪神様は短気だから、気を付けてね」


 ファルナが耳打ちしてくる。

 短気とはどういう意味でだろう?


 とりあえず肉野菜炒めを創る。


 うまいうまいとほおばるファルナと邪神様。


 だが、邪神が大きな声で突撃敵にこう言った。


「旨いが~~~~~もぅと美味い物を出せんのか~~~~~~!!!」


「はい?」


「我は怒ったぞ……このような貧しい、飯を喰わせるなんて言語道断だぞ……喰太とやら」


「はぁ……?」


「よって今から外食を始める」


 そしてラーメン屋に連れて行ったら満足したようだ。



 邪神様が帰ったので、いつも通りファルナが飯を喰わせろと五月蠅い。


 よって肉炒め回鍋肉でも作ってやる。


 邪神ちゃんが来た。


「飯を喰わせろ……」


「はい……」


「ファルナ旨そうなものを喰っているな……」


「うん」


 ばくばくと喰うファルナ。


「この米とかいうもの魔界にはないからなこの時点で最高に旨いからな」


「そうなのかファルナ?」


「そうだよ……もぐもぐ……このお米はぱくぱく……格別だよおかず食べるのに最高……もぐもぐ」


「だろ!? だからこそ魔界にお米の作り方を伝授したいのだが……?」


「米農家に聞いてくれ」


 そうして回鍋肉喰ってたらバイトの時間だ。

 俺はバイトに出た。


 なんどもなんども俺のレストランに顔を出して飯を喰いあさるファルナと邪神ちゃん。


 何がしたいんだこいつら。うんまあ飯喰いたいんだろうけどなとはわかる。


 帰ってきたらとんかつが喰いたいといきなり言い出す。


 しかたないので作るとする。


 美味い肉を買ってくる。


 スーパーでグラム128円の特売の奴だ。


 それを買ってきて、邪神ちゃんに手伝わせる。


「うんしょっとうんしょっと……これでいいのか喰太?」


「いいぞパン粉につけるのはこうだぞ」


「私もタマゴにつけるのはこんなもんかな……?」


「いいぞ……うまくできている」


 そして揚げたてのとんかつが出来上がる。


 それを白飯で食べる。


 邪神ちゃんも美味い美味いと言っている。


「喰太は飯を創るのが美味いなうちの宮廷料理人として雇いたい」


「邪神ちゃんダメだぞ喰太は私の料理人だぞ」


「そうだよなぁ~ファルナのお気に入りっぽいからな~まあ私もたまに来るからいいだろうな」



 そして帰っていく邪神ちゃん。


 魔界の神とはなんたるかをわからしてきたようだがなんだったかよくわからんかった。


 ただ食べるだけの幼女邪神じゃねえか。

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