料理人の卵

 ああ眠い。でも起きないと。


 そうだな。起きないと。


 顔を洗い。歯磨きをしたいときにしよう。


 俺は一杯のコーヒーを入れた。


 うちの実家はカフェだから父親がバリスタだからな。


 それで俺もコーヒーの入れ方はマスターしている。



 それでもまだましだな。わからない。それでもね、俺は料理人になりたい。


 そうである夢である。夢がある。


 俺は小さいころからな夢があった。


 ゆめがあるから。


 そんな夢があるから。


 夢であるそんなデッカイ夢があるようだ。


 でも朝食として普通の食パン4枚切りに、ゆで卵にフルーツバナナと林檎とオレンジにコーヒーというのはどうなんだ?


 カフェの跡取りとしてそれはないんじゃないだろうか?


 まあいいか? それでも俺はこれは言われている。


「いいかい喰太……お前はいずれカフェとして家を継がなくてもいい。でも夢を諦めるなよ喰太いいかい?」


 そうかい。俺は夢を諦めないでいいのか……


 まあいいか……それで何とも言えない。


 言えないのである。


 とてもじゃないが夢を捨てたくない。


 世界中で父親のことが一番好きだが……母さんは昔からガミガミ言っていた。

 今は父親の手伝いをしているが……まあいいか。


 それで朝ごはんを食べた。


 さて家の片付けでもするか。


 俺は掃除機をかけ始めた。


 そして乱雑に散らかっている本の山を読みふける。読みふける面白い。


 やはり小説はおもしろいな。


 それでいて、難とも言えない。何ともこれが楽しいのだ。


 どれも楽しいが……楽しくない。

 俺は今修行中の身だ。料理人となるべく、熱意を籠めて、料理の本を読んだり、料理を作って見たり、食べて味見して味見してだが可笑しい。


 美味いのだ俺の作る料理は……でもお菓子より甘いかと言われると……まあなんだ。


 美味しいけど美味しくないそんな感情が出てくる。


 だから、そうだよね。そうだよ俺の料理はつまらない。


 つまらないのだ。だから美味くない。


 惜しい料理とは不味い料理より普通の料理と言うことだ。


 料理は魔法だ。


 魔法より難しい物が料理だ。


 それよりも特異な奴がある。


 酒を飲むことだ。


 酒を楽しむのも料理人の嗜みだ。


 それでいて、つまらないことはしたくない。


 それでいてこれにいたっては美味くない料理とは言えない。


 俺は癖が強い。料理とは万人が美味いと感じないと美味しくないのが……料理だ。


 それでいて、それでいて……料理とはつまらなくしないで、どうするのがいいのか?


 考えよう今日一日いっぱい使って。



 



 考えた結果……昼ご飯を作ることにした。


 タラのホイル焼きとレタスとナスのマリネにスープビーフシチューにバナナコーヒーだ。


 タラのホイル焼きはタラをまずは温湯につける。そしてすこしだけ臭みをとり、たまねぎやにんじんやピーマンなどを炒めてアルミホイルをに包みタラと一緒に煮る。


 適度な時間にるのがよいがそれを見極めるのが俺の仕事だ。レタスとナスのマリネはレタスを冷水でしめて、ナスも無農薬の新鮮なやつを使いはちみつにひたす。そして適度にひたしたら、軽く加熱して油を吸わせて、冷蔵庫で寝かす。その前に酢につけこむことが重要で……何とも言えない。


 スープビーフシチューは大きめなブロック肉を買ってきてもちろん牛肉だが。


 なお俺はオーストラリア産しかいつも買わない。これが一番うまいからだ。そしてざくりと斬り、ながら最新の注意を払い、にんじんとたまねぎとジャガイモとトマトを斬る。


 そして寸胴鍋に漬け込み、よく似るブイヨンを入れるのは先決だ。そしてグラニュー糖を少し入れて、しょうがを少し入れる。ケチャップもいれて、最後にフォンドボー缶を入れる。


 そして水を多めでじっくり煮る。


 とまあそしてバナナコーヒーはと言うと……コーヒーにミキサーで砕いたバナナを入れるだけの簡単なものだ。


 それ以上ではなくそれ以上でもない。


 とまあ昼から大量の料理を作ってしまった。


 どうしよう。



「じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい」


「……………………………………君は?」


「ファルナ……お腹が空いたの……」


「君小学生ぐらいにしか見えないが……? 実際何の用だ?」


「ごはんを食べさせろニンゲン!!」


「いいけど……どうしたんだ? まさか家出かなんかか?」


「私は魔界から来た魔王だぞ! うやまえ! 尊敬しろだから飯を喰わせろ!!」


「いいといっただろ……じゃあそこに座れ……」


 とまあファルナがこちらの世界に足を踏み入れた。


 とまあこの幼女魔王は一体なんなんだろうなと思った。


「美味いのだ! ニンゲン!! 何だおぬしは料理人か?? まさか」


「そうだけど……どうかした……まだタマゴだけどな」


「うちの宮廷にこい……魔王の宮廷に……こいよニンゲン……ええと名前は?」


「喰太(くうた)だ……なんでも喰えるように親がつけたんだ」


「喰太良い名前じゃないか……気に入ったぞうちにこい本当に」


「そうはいかんぞ……っていうか本当に魔王なのか……そんなちっこいのに……」


「そうだぞ! 私は宮廷の魔王だぞ。魔界で一番強いんだぞ」


「ならいいけどさ……まあ今夜は止まって行けよ」


「いいのか……じゃあアイス喰いたい喰太!」


「はいはいこれでいいなら棒アイスだけど……」


「くりーみーで美味いのだ! こんな美味い物を食べたのは初めてなのだ!」


 だからこうしたいのだ……美味いから半分こなのだ。


「いいけどさ……君の食べる分は?」


「いいのだ……私は空腹には慣れているから……」


「可哀そうな奴だな……ずっと止まって行っていいんだぞ」


「いいのか!! やったーーーーこれで喰太の料理が毎日喰えるぞ! やったーーー!!」


 というわけでなんか小さな同居人が増えてしまった。


 明日から俺はどうしたらいいんだろう?


 と考えているがそれは頭よりも行動だ。


 だから料理を作るんだ俺は俺は毎日料理を作るぞ。

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