第5話 伍

何故だろうと思ってステータス画面を開いて確認をしようとした時に気づきました。

ステータス画面にGMの文字があるのです。

まさかねと思いつつ、ステータスを確認するとやっぱりありました。

どうやら賢者のエリスがあまりにも強すぎる為にGMの権限でステータスを 書き換えられていたようです。

これでは、いくら頑張っても強くなれないというわけです。

賢者のエリスはガックリと肩を落として、

項垂れていると 賢者の師匠が慰めに来てくれて、

賢者のエリスは賢者の師匠に抱きつくと泣きじゃくるのでした。

賢者のエリスは賢者の師匠に抱かれながら泣いていた。

賢者のエリスは賢者の師匠から離れると涙を拭いて賢者の師匠に言うのです。

もう大丈夫ですと。

賢者のエリスは賢者の師匠に頭を下げると賢者の師匠は笑って、頷くとそこにGMが現れるのです。

「おぉっ!! お前達、仲が良いな」

「何の用ですか? GMさん」

と賢者の師匠が言うと

「その前に賢者エリスに渡したアイテムがあったろ?」

「えぇっ、ありますよ」

「あれ、実はな……あの時、本当は渡すつもりはなかったんだが、 つい面白そうだからって理由で渡しちまったんだよ。

だから悪かったよ」

『はぁっ?』

と賢者の二人が同時に声を上げると

「本当にすまなかったよ」

という謝罪がありました。

賢者の二人は許すとGMに伝えると、安心して帰っていきます。

『まったく……』

2人は疲れたのか、その場に座り込むと賢者のエリスはこう呟いた。

「この世界の神様も悪い人ではないんだけどね……」

そんな2人の会話を聞いてしまった一人の人物がいました。


その人物は何を思ったのか、二人の前に現れると、 賢者のエリスに話しかけてくるのです。

「ねぇ、君って本当に強いの? 僕とちょっと、手合わせしてくれないかな」

「えぇぇえええー」

と叫ぶと賢者のエリスは賢者の師匠に助けを求めるように視線を向けると、

賢者の師匠は苦笑いを浮かべながら、首を横に振るだけでした。

仕方なく、賢者のエリスは了承すると、相手は嬉しそうに笑うと こう言い出したのです。

「僕はね……君の事が好きなんだ」

「えっ?」

と驚くと、

「君は僕の好みの女性なんだ」

「はぁっ?」

「だから、是非とも付き合って欲しい」

「えっ?えっ?えっ?」

と混乱していると、

「返事はまた、後日聞かせて欲しい」

と言うとその人物はそのまま、去っていったのですが、

「一体、なんなんですの?」

『はぁっ?えっ?えっ?えっ?……』

と賢者のエリスは困惑していた。

賢者のエリスは賢者の師匠と

一緒に町に戻ると宿屋に戻る事にしました。

賢者の師匠は心配そうな表情で賢者のエリスに

話しかけてきました。


「本当に良かったのですか?」

「はい、私は賢者の師匠の弟子としてまだまだ未熟者です。

それに、あんな奴に負けるような私ではありません。

それに、賢者の師匠には迷惑をかけたくないので……」

賢者のエリスは賢者の師匠にお礼を言うと賢者の師匠は微笑むと、

賢者のエリスの頭をポンッと叩く。


そして、賢者のエリスは部屋に入ると、

ベッドに横たわると今日一日の出来事を思い出す。

「まさか、この世界にきてからこんな事になるなんて……」

というと突然ドアが開く音がしたので振り向くとそこには魔剣士のアクセスがいた。


魔剣士のアクセスは賢者のエリスに近づくと、

「俺の女になれ!!」

「嫌ですわ、貴方みたいな下品で野蛮で粗暴で乱暴で無神経で

自分勝手で自己中心的で我欲が強くて女癖が悪くて性格が最悪で

短小で早漏で包茎で変態でスケベでどうしようもない男なんか

絶対に嫌いですから……」

と魔剣士のアクセスに対して軽蔑するような目で見つめて、

吐き捨てるように言った。

魔剣士のアクセスは怒り狂うと、

「貴様、言わせておけば……」

と言って賢者のエリスに襲いかかろうとすると

賢者の師匠が出て来るのです。


「そこまで言うのなら決闘しなさい、エリス、いいですね」


と賢者の師匠がいうと、 賢者のエリスは黙ったまま、コクンと首を動かすと 魔剣士のアクセスは舌打ちをして、 そのまま、出て行った。

賢者のエリスは賢者の師匠に質問をする。

「どうして、私の事を庇ってくれたんですか?」

と聞くと賢者の師匠は微笑み、

「弟子を守るのは師匠の役目ですから、 気にする事はありません。

それよりも明日に備えて早く寝てください。

明日から忙しくなるかもしれませんから」

と賢者の師匠が答えると、 賢者のエリスは賢者の師匠にありがとうございます。

と感謝の言葉を言ってから、 眠りにつくのでした。

次の日になり、エリスとアクセスが決闘するという話が街中で話題になっていました。

そして、ギルドの酒場で賢者の師匠と待ち合わせると、 二人の女性がやって来ました。

一人は昨日の賢者の師匠の知り合いで、 もう一人が、どうやら、賢者の師匠の妹さんのようで、 名前はミレイナという女性です。


どうも、賢者の師匠にお願いされて、 審判役を務める事になったらしいのです。

ちなみに、もう一人の女性は、 どうも、賢者の師匠に好意を抱いているらしく、

どう見ても賢者の師匠に気があるように見えるのです。

賢者の師匠は困り果てている様子でしたが、 賢者のエリスは冷静に状況を見守っていました。


賢者の師匠は賢者のエリスに、

「すみません、師匠」


何事も勉強ですと諭されて大きく頷くと決闘の場に出向くのでした。

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