第185話/オーバードライブ
退院して、1日全く動かず休んだ私は復活し、レコーディングに参加する。
でも、今日は私だけしかおらずメンバーに会えないのは寂しいけど遅れをとっている私は集中して挑まないといけない。
デビュー曲とは違う曲調の音楽。歌うのが楽しいし、ダンスを想像するだけでワクワクする。きっと、新しいCLOVERを見せれるし、梨乃の魅力を盛大に発揮するだろう。
きっと、こんなにも仕事が楽しいと思えるのは私の心に余裕ができたからかな。お母さんとも…かなり和解して、、私が勝手にお母さんに敵意を向けていただけど、お母さんに対する感謝の心も取り戻せた。
私が倒れ、心配するお母さんの涙を見て、、私は今までどれだけお母さんに助けられてきたか思い出したし、私がこうやってアイドルに集中できるのはお父さんとお母さんのお陰で両親が私をずっと支えてくれた。
必ず…この曲もトップ10にランクインさせてみせる。お母さんの自慢の娘でもいたいし、お母さんが子供のように喜ぶから嬉しい。
だけど、このままではダメだ。CLOVERを人気アイドルにするには起爆剤が足りない。
CLOVERの認知を上げるにはどうしたらいいのかな?梨乃のお陰でCLOVERはファン以外の人に知ってもらえた。
やはり、ドラマや映画の出演がより広く認知度のアップに繋がるのかな?
「みのりー!良かったよ」
「ありがとうー」
レコーディングが終わり、私がブースから出るとよっちゃんが拍手をしながら褒めてくれた。よっちゃんは病み上がりの私をずっと心配して私に付きっきりだ。だけど、過保護すぎて嬉しいけど戸惑ってしまう。
「みのり、喉乾いてない?」
「大丈夫だよ」
「目眩とかは大丈夫?具合が悪かったからちゃんと言ってね」
「うん。ありがとう」
よっちゃんは私が倒れたことに対し、めちゃくちゃ落ち込んだらしい。美香や由香里は私が倒れた時、号泣していたらしく…
こんなにも心配をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいだ。だからこそ、みんなのためにも頑張りたいと思っている。
「みのり、ご飯食べに行こうか」
「やったー!」
「何、食べたい?」
「ハンバーグ!」
「みのりは本当、ハンバーグ好きだね」
「うん。大好き」
小さい頃から大好物のハンバーグ。早月と一緒で世界で一番好きな食べ物だ。
「そういえば、雑誌でね。続編を期待するドラマに彼女はちょっと変わっているががランクインしてたわよ」
「やったー。嬉しい!」
「あとは今日の最終回の評判とDVDの売り上げね。売り上げが良かったら続編が作られるかもしれないかも」
「続編やりたいなー」
「そうよね。ただ、みのりと高橋君が映画もあるならそこがネックなのよね」
「あー。確かに…恋愛映画だし」
「まぁ、とりあえず反応が良かったからよかったわ。みのり達の評価も上場だし」
「へへ。嬉しいな」
初めての演技で良い評価がもらえるのは嬉しいし、モチベーションが上がる。
車の中で窓から景色を見ながら私は早くまた演技がしたいという思いに溢れる。
アイドルとして歌って踊るのも楽しいし、大好きだけど、演技も同じぐらい楽しく、大好きで私を自己肯定感を上げてくれる。
女優 藍田みのりとしての評価はめちゃくちゃ低かった内面を変えてくれた。
「みのり」
「何?」
「今度、深夜ドラマのオーディションがあるんだけど受けてみる?」
「えっ、受ける!」
「じゃ、後で原作本を渡すね」
「どんな話なの?」
「うーん、ラブストーリーかな。女の子同士の恋愛的な」
「GLってこと?」
「うん…」
今、確かにBLドラマや漫画が流行っている。だからこそ、GLドラマなのかな?海外ではBL・GLドラマが人気あるみたいだし。
「このオーディションね、みのりを指名されてるから頑張ろうね」
「私を指名?」
「うん。原作を読んだんだけど、柚木天役はみのりにピッタリだなって私も思った」
「そうなんだ」
「まぁ、まだオーディションに受からないといけないんだけど、結構キスシーンや過激なシーンが多い漫画だった」
「そうなの?」
「原作が少女漫画ではなく、女性誌の漫画なの。だから対象年齢が高くて、深夜ドラマだからこそ、かなり作り込むと思う」
「凄いね。でも、演技をやれるなら何でもやるよ。私の自己管理能力のせいでオーディション行けなかったし…今度こそは頑張る。それに色んな役をやるのは楽しいし」
「そうだね。頑張ろう」
「オーディションは8月だから、原作本をしっかり読み込んでね」
「うん」
私は演技をやれたらなんでもいい。愛も言っていた。イメージが固まるのが一番嫌だと。
だからこそ、色んな役をやりたいし、久保田凛役が楽しかったと。
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