202010 ジャパロボ 15

渋谷かな

第1話 ジャパロボ15

「姉ですら私に負けたっていうのに、妹のおまえなんかに何ができる!」

「妹だからって馬鹿にするな! 私はやればできる子だ! お姉ちゃんの仇は私が打つ!」

 優子と対峙するさとみ。

「やれるもんならやってみろ! おまえも吹き飛ばしてやる! 必殺! プチ・アトミックボム!」

「負けるもんか! 負けるもんか! おまえなんかに負けるもんか! 必殺! シルフィード・ウインド!」

 核爆弾と激しい風がぶつかり合う。

「ドカーン!」

 二人の中間で激しい爆発が起こる。空中にキノコ雲が発生する。

「うわあ~!」

 爆風に吹き飛ばされるさとみたち。


「だ、大丈夫? さとみちゃん。」

 すずが目を覚まし、さとみに声をかける。

「zzz。」

 いつものようにさとみは眠りについている。

「大丈夫です。いつもみたいに寝てるだけですから。」

 代わりにジャパロボとリンクしているAIロボットの令和ちゃんが答える。

「あの人は!? 優子さんはどこ!?」

「姿は見えないですね。もしかしたら爆発が強すぎて倒されちゃったのかもしれませんね。」

 優子の黒いジャパロボの機体はどこにも見えなかった。

「私たちもシルフィードとサラマンダーのジャパロボじゃなかったら、負けていたかもしれない。」

「ありがとう。シルちゃん、サラちゃん。」

 精霊系の不思議なジャパロボであった。

「とにかく、これだけの激しい爆発があったんだもの。当分の間、誰も渋谷には攻めてこないでしょう。」

「そうですね。予選が開始して1時間。まだ50万人ほど参加者も残っていますしね。もうすこしつぶし合ってもらいましょう。」

「zzz。」

「さとみちゃんも必殺技を使ったから疲れ果ててるし。」

 暫くの間、すずたちは破壊された渋谷で休憩することにしたのだった。


「クソッ!? 油断した!?」

 優子のジャパロボは片腕が吹き飛んでなかった。

「なんなんだ!? あいつの武器は!? 風力兵器!? 化学兵器ではないのか!? まさか、この私が知らないジャパロボがあるというのか!?」

 さとみが乗る正体不明のジャパロボを警戒していた。

「だが私には敗北は許されない! 私が負ける訳には行かないのだよ!」

 そういって破損して放置されているジャパロボから腕をもぎ取る優子。

「欲しがりません! 勝つまでは!」

 そして自分のジャパロボに溶接を始める。

「核ミサイルも使い切ってしまった。そこの戦車の砲台でももらうことにするか。」

 優子専用ジャパロボをカスタム修理していくのであった。

「戦いはまだまだこれからだ! まだ私の永遠のライバル! イリスすら倒していないのだからな!」

 なぜか目の敵にされる姉のイリスであった。

 つづく。

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