私には友達がいない



「違うよーー。栗山とはただの友達だよ」


 希は頬っぺたを真っ赤にして言った。


「うっそーー。ぜったいに好きなんでしょう」


 実可子が茶化すようにいう。


 友達?


 その言葉に思わず私は反応した。


「本当にただの男友達なのお?」


「当たり前じゃない」


 男友達?


 そういえば、私には男友達と呼べる人がいなかったなあ。


 私にとっての男というものは、ぜったいに友達になれない種族だったからだ。


 それを簡単に友達だという希が理解できなかった。

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