第15話 十五

(いいんですよありがとうございます)

こうしてお互い挨拶を終えたところで本題に入る事になったんだけど……。

ミミリィとレイティスは今後の事で真剣にお話し合いしているのですけど、

ミミリィがお話している最中に居眠りをしているのでレイティスはそんなミミリィの事を

見ているのですけれど、寝顔が可愛いのでミミリィの頬にキスを落としている。

そんな事をされているのに全く気が付かないミミリィなのですが、

そんな事をしているうちに夜になって、夕食の時間になったのよ。

ミミリィは食堂へ向かっているとレイティスと鉢合わせするも一緒に食堂へ行くのですが

その際に恋人繋ぎし仲睦まじくしているもミミリィは心の中でいつレイティスと婚約したのかも

忘れているのですから如何しようもなく悪い気がするとミミリィは立ち止まりこう言うのです。

私の事を忘れたのですかと。

そんなミミリィの言葉に、一瞬驚いた表情をするもすぐに笑顔に戻る。

そして、何を言っているのですかと笑いながら言ってくる。

そんな彼にミミリィはもう一度聞くも、彼は笑いながら同じ事を繰り返すばかり。

ミミリィはそんな彼に怒りを覚えてしまいつい大声で叫んでしまう。

そして、その場を走り去ってしまうのであった。

ミミリィは自室に戻ると、そのままベッドの上に倒れこんでしまいました。

そして、枕元に置いてあったぬいぐるみを抱きかかえる。

ミミリィは、そのぬいぐるを抱きかかえながら、涙を流すのだった。

ミミリィは、自分の記憶が無くなっている事を知りました。

そして、ミミリィは決意するのです。

絶対に思い出すと。

ミミリィは、その日はずっと泣いて過ごすのだった。

次の日の朝、ミミリィは目を覚ました。

昨日の事が夢だったのではないかと期待していたミミリィだったが、残念ながら現実だったようだ。

ミミリィは、朝食を食べた後、再びあの場所に向かうのだった。

その道中、何人かの人に声を掛けられるのだが、

その度にミミリィは作り笑みを浮かべながら

返事を返していく。

ミミリィは内心の苛つきを抑えながら、

目的の部屋へと到着しドアをノックをするのだった。

中からの返答を聞き扉を開けると、そこには先程会ったばかりの人物達が座っていた。

ミミリィは、そんな彼らを見て、思わず呟いてしまった。

何でここに居るのですか? っと。

そんなミミリィの一言に、彼らは一斉に立ち上がりミミリィの方を見る。

ミミリィはそんな彼らの様子に戸惑いを隠せない。

そんなミミリィに、バルクス伯爵が話しかける。

ミミリィは、そんな彼の言葉に耳を傾けていく。

ミミリィは、バルクス伯爵の話を一字一句聞き逃さないように集中していった。

ミミリィは、バルクス伯爵の話を聞いていく内に、段々と表情が変わっていき、

最後には驚愕の感情に支配されていったのだ。

ミミリィは、そんな彼の話を聞いた後で、再度問いかける。

本当にそんな事があったのですか? と。

ミミリィは、目の前にいる男性達に問いかける。

すると、一人の男性が答える。

ああ、間違いない事実だと。

ミミリィは、改めて問いかける。

何故、そんな酷い事が出来たのですかと。

すると、別の女性が答える。

それは、相手が王子だからだ。

相手は王族であり、こちら側は平民である。

身分の差という物があり、逆らう事が出来ない。

それに、向こうも最初から自分と結婚する気など無かったらしいぞ。

それが証拠に、お前との結婚式は一度たりとも開かれていないだろう。

そう言って、もう一人の女性も答える。

そうそう、それにね、貴女がこの屋敷に来た時だって、誰も出迎えに行かなかったでしょう。

そう言われて、ミミリィはハッとする。

確かにそうだ。

誰も迎えに来てくれていなかった。

そんな、ミミリィに今度は年配の男性が話しかける。

だから言ったろう? 君は、捨てられたんだよ。

そう言われたミミリィは、その言葉を噛み締める。

その目からは、自然と涙が流れ落ちる。

だが、そんなミミリィに更なる追い打ちをかける者がいる。

その男は、ミミリィに向かってこう告げる。

だから、君がここに来る必要はなかったんだ。

もう帰ってもいいよ。

その言葉で、遂に限界を迎えたミミリィは走り出す。

後ろから呼び止める声が聞こえるのだが無視して走るのである。

ただひたすらに走って行く。

(嫌! こんなの嘘よ!!)

そう思いながらも、ミミリィの足は止まらない。

やがて、目的の場所に辿り着いた。

そこは、このグランツバッハ侯爵家の裏庭である。

ミミリィが、この家に来る際に通ってきた場所である。

この家の前を通りかかった時に、ミミィはいつも思っていた。

(こんなにも広い庭園があるのに、手入れが行き届いてないなんて勿体無い)

そう思いながらも、自分には関係のないことだと割り切っていたが、今となってはその気持ちが分かる。

今なら、この家の管理が出来るかもしれないと。

(でも……)

ただでさえ、婚約者に捨てられて傷ついているのである。

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