第13話 十三
ミミリィはそんなことを考えながら女性を見つめるが、やはりおかしいと思い始めるミミリィである。
するとそんな時であった。
急に強い風が巻き起こり始めたかと思うと、 次の瞬間にはミミリィの周りに強風が発生して、
吹き飛ばされそうになるのだが何とか堪えて、その場に踏み止まることが出来た。
そんな様子を目にした周りの人達は驚いている様子を見せていた。
ただ、そんな中にあって一人だけ冷静な女性がいたのだけれど、
それは先程まで一緒に行動していた女性であった。
そんな女性の様子に気づいたのか、他の女性達もその女性に注目していたようだが、
そんな事には全く興味がないといった感じに無視を決め込んでいる女性の姿があった。
その女性は金色の髪をしていて、青色のドレスを身に纏っている。
背丈は150~155cm位だろうか。
年齢的には10代の後半ぐらいだろうと思われる。
ミミリィは突然の出来事に驚きつつも、周りの様子を伺う。
しかし、皆が一様に驚いたような顔をしてこちらを見ているだけで、
特に変わったようなところは見られない。
ミミリィは不思議に思うが、すぐに考えるのをやめると 女に視線を向ける。
ミミリィは女に質問を投げかける。
ミミリィは風の魔法を発動させて、声を大きめに出して、女に話し掛ける。
ミミリィは女の耳元に近づいて、小声で話す。
「貴方は一体何者なのかしら?」
「私はただの執事です」
「それにしてもさっきのは何?」
「何のことでしょうか?」
「とぼけないで頂戴」
「私は何もしておりません」
「そんな訳ないじゃない」
「それよりも早くしないと、折角の料理が無くなってしまいますよ」
「え?」
「どうしたんです?」
「いや、何でも無い」
「そうですか」
「それよりさっさと行くわよ」
「分かりました」
ミミリィは先程の現象が何だったのかを考えるのを止めると、再び歩き出す。
(あの時、確かに誰かの声を聞いたような気がするんだけど……一体何が起こったのかしら?)
ミミリィは女の後について行く。
女はミミリィの後ろをついてきている。
ミミリィは女に問い詰めようとするが、女は答えようとしない。
そんな時、女はミミリィにこんな事を言い出した。
「私の名前はリリスと言いまして」
ミミリィはその名前に聞き覚えがあるような感じがした。
しかし、それがどこで聞いたのか思い出せない。
ミミリィは女に聞いてみることにした。
「その名は何処かで?」
ミミリィは女に問いかけてみると、女はすぐに返答を返してきた。
「えぇ、よく存じております」
「そうなの?」
「はい」
(何だっけ?)
ミミリィは必死に記憶を探る。
(確か、昔読んだ小説のタイトルにあったような?)
ミミリィは必死に探すが、なかなか出てこない。
そこでミミリィはあることを思い出す。
(そうだ! あれは、学園物の小説で、ヒロインの女の子が王子様の婚約者で、
だけど、実はその裏では悪役令嬢がいて、その子が色々やって、最終的に破滅していく物語で、
最後は国外追放されて、悲惨な末路を辿るというお話よね。
そして、この世界はまさにそんな雰囲気が漂っていて……)
ミミリィはそんな事を考えていると、あることを思いついた。
(そうよ! この世界での私は悪役令嬢そのものなんだから)
という事は、この目の前にいるのは、私の運命の相手ということではないのかしら。
ミミリィはそんな事を考えながら、頬を赤く染めていく。
そんなミミリィを見て、微笑むリリスと名乗る女性。
ミミリィはそんな事など気にせずに、これからの事を考えていた。
そんな事をしているうちに、いつの間にか食堂の前に辿りついていた。
ミミリィはそんな事を全く気付かずに考え事をしていると、
そんなミミリィに呆れ顔を見せるリリスと名乗った女性。
ミミリィはそんな女性の顔を見ると、慌てて顔を横に振った後、咳払いをするのだったが、
恥ずかしさが込み上げてきたのか赤面しているようすを見せていると食堂のドアが開かれる。
「入りなさい」
「失礼致します」
ミミリィは中に入ると、そこには大勢の貴族達が座っていた。
そしてその中には見知った人物がいることに気づくミミリィ。
ミミリィの視界に入った人物はアメリア・アイルフィール公爵令嬢と
エルリック第一皇子殿下と第二皇女殿下が居る。
その他にも貴族の方たちが大勢集まっていますが、その中にも知っている人を見つけてしまいました。
そう、そこに居たのはアルフレッド伯爵公子で私の兄でもあるアルフレッドでした。
他にも私の知らない人ばかりでしたが、何故か私の方に熱い眼差しを向けている男性ばかりだと
気づいてしまうのですけど……。
はぁっと溜息をつくミミリィなのであった。
ミミリィは自分の席を見つける為に辺りをキョロキョロと見渡していたが
空席が無い為困ってしまうがそこに救いの手を差し伸べてくれた人が現れたのです。
「お嬢さんどうかされましたかな?」
そう言って声を掛けて来たのはこの国の宰相を務める人物であるバルクス伯だった。
彼はいつもの柔和な笑みを浮かべながら話しかけてくるのだが、ミミリィは彼の笑顔に騙される事無く、
警戒心を抱きながら、彼に返事を返す。
「いえ、少し場所が分からなくて……」
ミミリィはそんな事を口にしながら、チラッチラッと彼の方を見ている。
そんなミミリィの様子に苦笑いを浮かべる彼。
そんな二人の様子を見かねた一人の男性が二人に声をかけてくる。
「これはバルクス卿、何か御用でもございますのかな?
……ん、君はもしや、ミミリィではありませんか!」
そんな事を言うのは、この国で二番目に偉い立場の人である。
その人は、金髪碧眼で身長は180cm前後、体形は細身で筋肉質。
年齢は30代半ばくらいの男性である。
服装は白を基調とした服に赤いマントを羽織っている。
髪は金髪のショートヘアーであり、青い瞳をしている。
その男性はミミリィの名前を呼ぶと、ミミリィの元に駆け寄ってくる。
そんな男性の姿を見て、ミミリィは思わず叫んでしまう。
ミミリィは男の名前を叫ぶと、男は嬉しそうな表情をしながらミミリィを見つめる。
ミミリィはそんな男の態度に戸惑うのだが、そんなミミリィに男が話しかける。
その言葉を聞いて、ミミリィは驚くと同時に納得してしまう。
ミミリィは改めて、その男を見上げると口を開く。
ミミリィは男に問いかける。
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