第12話 十二

「私に近づかないで頂戴」

ミミリィの言葉を聞いて落ち込む素振を見せるサインデルドだが、すぐに立ち直ってミミリィを見つめる。

ミミリィは何度目だろうかと思いつつも再び近づくサインデルドに対して警戒心を強める。

すると今度は両手を広げて抱きしめようとしてくるのだけれども、当然の如く避けるミミリィである。

何度も避けられてしまう為に落ち込んでしまうサインデルドであるが、諦めずに近づいていく。

それを繰り返すこと数回程繰り返すと流石に慣れてきたのか、少しだけなら触らせてあげようかな?

と思ってしまった自分が居たことに気づいてしまい恥ずかしくなると同時に怒りを覚えるミミリィであった。

それから数日後のお昼頃の出来事です。

今日もまたいつものようにサインデルドがミミリィの部屋を訪れています。

サインデルドが来たことに嫌気がさしてきたミミリィはまた追い返そうとします。

「今すぐここから出て行って下さいませ」

「何故だ?」

「迷惑だと分からないのかしら?」

「俺はお前に会いたいだけだぞ」

「それが困っていると言っていますよね?」

「じゃあ結婚してくれないか?」

「それとこれとは話が別ですよ」

「なんなんだ一体……」

そんなやりとりを続けている二人の元に一人の女性がやってきた。

女性はサインデルドの姿を見つけると話しかけてきました。

「あら~こんにちはー」

女性の姿を見た途端、慌てる様子を見せたサインデルド。

そんな様子を見ていたミミリィは女性の姿を見て驚いたような顔をしています。

女性は綺麗なドレスを着ていてとても美しく見えておりまして、髪の色は銀色であり、

瞳の色も同じ色をしていました。

そんな美しい容姿をした女を前にしてサインデルドは焦ったように対応していた。

その光景を見ていたミミリィは不思議そうな顔をしながら二人の会話を聞き耳を立てていたのですが、

どうにも怪しい感じしかしない。

そんな雰囲気を感じ取ったミミリィはこの場から離れようとした時だった。

突然後ろを振り向いたらそこには先程の銀髪をした美女がいた。「うふっ」

「え?」

いきなり現れた美人さんに驚くミミリィであったが、 目の前に現れた人はミミリィの頬に触れてきて、

そのままキスをされてしまいました。

「んぐぅ!?」

「チュッ」

「ぷぁ!」

「まあまあお嬢様」

「誰ですか貴女!」

「申し遅れました私はアメリア・アルストレアと申しております」

「私はミミリィと申します」

「はい知っておりますよ」

「何者でしょうか?」

「私はただの通りすがりの女とでも思っておいてください」

「通りすがりとは?」

「細かいことは気にしない方がいいと思いますよ」

「ではそういうことで」

ミミリィは納得いかないという態度を取りつつ、その場を離れようとしたが、

そんなミミリィの前に回り込んだのはサインデルドでした。

サインデルドはミミリィの行く道を塞ぎ、ミミリィの前に立ちふさがってきた。

そんなサインデルドの行動を見て、ミミリィの額には青筋が立ち始めていく。

サインデルドはそのままミミリィの手を掴むと自分の元に引き寄せる。

引き寄せられたミミリィは抵抗するが、中々離れない。

そんな時に助け船を出してくれたのはアメリアと名乗る人物で、

二人は何とも言えない表情でお互いの顔を交互に見る。

ミミリィはどうしてこんなことになったのか分からず、混乱し始める。

一方サインデルドはそんな状況に興奮しているのか、鼻息を荒くしながら、ミミリィを離さない。

そんなサインデルドを冷たい表情で見つめるアメリア。

そしてそんな状況を作り出したサインデルドは、 ミミリィの唇を奪うべく、

ミミリィの顔に近づけていき、ミミリィは必死に抵抗する。

しかし、そんな事は関係なく、サインデルドはミミリィに口づけをする。

ミミリィは目を閉じて、口を固く閉ざす。

それでもサインデルドは構わずにミミリィの口に舌を入れ込もうとする。

(この男! なんてことをしてくれるのかしら?)

ミミリィはサインデルドの行為に激怒して、拳を握ると渾身の一撃をサインデルドの顔面に叩き込みました。

「ぐほっ!」

「私の初めてを奪っておいて、何て事をするのかしら?」

「ミミリィ、待ってくれ、話をしよう」

「何を話せばいいのかしら?」

「だから俺と結婚を」

「お断りよ!」

「そんな!」

「当たり前でしょう!」

「そんな事言わないでくれよ」

「いい加減にして!」

「ミミリィ」

「何よ!」

「好きだ!」

「うるさい!」

「結婚しよ」

「絶対にお断りよ!」

「そんな事を言っても無駄だよ」

サインデルドはそう言うと、ミミリィを強引に抱き寄せて、

ミミリィの乳房に手を伸ばしてたがその手をミミリィが左手で叩くと痛そうにしている彼。

ミミリィはサインデルドにしっかりともうこれ以上お付き合い出来ない事を伝えるのです。

ミミリィはサインデルドの事が嫌いになりつつあるのですから、もう二度と会いたくないのです。

ミミリィはサインデルドにもう会わないと言うのですが、

サインデルドはもう会う気満々とでもいうかのように笑顔を浮かべている。

そんなサインデルドにミミリィはこう言い放ち、部屋から出て行き、

その後をサインデルドが追いかけてくる。

(本当にしつこい人ね)

ミミリィはそんな事を思いながら、自室に戻っていった。

ミミリィは部屋に戻ってくるなり、ベッドにうつ伏せになって倒れこむ。

はぁっと溜息をつくミミリィ。

するとそこにドアをノックする音が聞こえた。

ミミリィが返事を返すと、部屋の中に入って来たのはメイド姿の女性で、

ミミリィは起き上がると、ベッドの上に座り、入ってきた女性に声を掛ける。

ミミリィは女性に尋ねる。

ミミリィは部屋の中にやって来た女性に問いかける。

ミミリィは部屋にやってきた女性の方に振り向くと、彼女は一礼をして、自己紹介を始めた。

ミミリィは彼女の名を聞くと、彼女も自分の名前を名乗る。

ミミリィは彼女に名前を尋ねてみた。

すると、彼女が答える。

ミミリィはもう一度、名前を聞いてみる。

すると今度はちゃんと答えてくれるので安心しましたが、

名前が長いのと、発音しにくいので、ミミリィは略称で呼ぶことにした。

ミミリィは改めて、彼女を眺める。

年齢は20代前半くらいに見える。

身長は160cm前後、体形はスレンダーで、スタイルが良い。

髪型は金髪のロングヘアーであり、青い瞳をしている。

服装は白いブラウスと黒いスカートを着こなしていて、 清楚なイメージを醸し出している。

ミミリィはその女性に話しかける。

「それで何か用かしら?」

「はい、お食事の準備が出来ましたので、お呼びに参りました」

「分かったわ」

「それと旦那様がお待ちになっております」

「お父様が? そういえば、昼食がまだだったのを忘れていたわ」

「それでは食堂の方へご案内いたします」

ミミリィは女性の後に付いていき、部屋を出て、屋敷の中を歩いていく。

屋敷の中には沢山の人が居ますが、誰もミミリィの姿を見ても何も反応を示さず、

まるでミミリィが居ないように振る舞っている。

ミミリィはそんな屋敷の様子に違和感を覚えつつも、 屋敷の奥にある大きな扉の前までやってくると、

女性がミミリィにこう言い放つ。

ミミリィは女性の方を振り返ってみると、女性はこう言い放った。

ミミリィは女の言葉を不思議に思いつつも、 その言葉の意味を理解してしまった。

ミミリィは女の言葉を聞いてしまうと、全身に鳥肌が立つのを感じた。

それと同時に冷や汗が流れ落ちる。

(まさか、そんなはずはない)

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