第4話

あいつはいったい何者なのか。


うちの制服を着てはいるが、本当にうちの学校の生徒なのか。


あんなにも目立つやつが学校に毎日来ていたのなら、どうして今までその存在に全く気がつかなかったのか。


そしてなんで俺たちの後ろを毎日歩いているのか。


ふたりでなんだかんだと話し合ったが、結局納得のいく答えは出てこなかった。


ただ一つの結論は、あの女はとてつもなく気味が悪いと言うことだけだった。


「明日もいたら、どうしようか?」


「どうしようもないだろう。それともなにか、あの女の胸倉をつかんで「ついてくんな、このやろう」とでも言うのか?」


「いや無理無理。あいつにはとにかく近づきたくない」


「そうだろう。あいつ、気持ち悪すぎるもんな」


話はそこで終わった。


そして明日は週末で、学校はお休みだ。



月曜になった。


卓也がうちに来て、二人で学校に向かった。


近所だが卓也の家が少しだけ学校から遠いのだ。


歩きながらなにか言おうとしたが、なにも思いつかなかった。


それは卓也も同じなのだろう。


なにか言いた風であったが、口を開くことはなかった。


お互いに余裕がないのだ。


そしていつもの場所。

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